Vol.644
暑いさ中の山歩き
稜線に出て一休み
遠くの山々を眺める
吹き抜ける涼しい風に
一時 清涼感を味わい
気持ちが和む
フシグロセンノウ/節黒仙翁 ナデシコ科
半日陰の林縁などに自生し、花はオレンジ色で5枚の花びらはよく目立つ。
和名は京都嵯峨の仙翁寺で発見されたもので、
茎の節がふくらみ黒褐色によるという。
ナンブアザミ/南部薊 キク科
アザミが咲き出した、春はノアザミ1個だけだったが、夏から秋に
かけていろんなアザミが登場する。
本種は花が横向きに咲き、総苞片が反り返るのが特徴。
和名は基準産地が岩手県に因む。
シラヤマギク/白山菊 キク科
野菊のシーズンの到来、里山の秋の風物詩でもある。
野菊の中では本種やユウガギクの開花が早い。
花びらの枚数が少なく、この程度が本来の姿。
茎は赤みを帯び、葉全体がざらつく。
ゴマナ/胡麻菜 キク科
やや湿気の多い地に自生し、群生する様子は壮観。
和名は葉がゴマの葉に似て葉の若芽を食用に
したことに由来する。
ダイコンソウ/大根草 バラ科
これは果実、花が終わるとこのような集合果になる。
1本1本が雌しべの花柱で先端がかぎ状に曲がった形。
花柱は完熟後動物などにくっついて種子が散布される。
つまりひっつき虫。
ワルナスビ/悪茄子 ナス科
外来種でトゲが多く繁殖力が強いことが名の由来。
花は5角形で淡い紫色、黄色で筒状に見えるのが雄しべ、
完熟するとその筒の先端から花粉を飛ばす。真ん中白っぽいのが雌しべ。
果実は球形で完熟すると黄色。手前はアオガエル。
コバギボウシ/小葉擬宝珠 キジカクシ科
山菜でおなじみウルイの小型タイプ。
葉が小型、花が下向きに咲くのでつい見逃してしまう。
が、6枚の花びらは淡い紫色の条が入りさわやか。
正面から見ると
ツクシハギ/筑紫萩 マメ科
秋の七草のひとつ。ぼつぼつハギが花をつけてきた。
ハギは種によって同定が難しいが、この花の特徴は、騎弁(上弁)が
反り返り、舟弁(下弁)が2枚の紅紫色の翼弁(中弁)より長く突き出る。
花全体を見ると他のハギより白っぽく見える。
この地ではセンダイヤマハギとも呼ばれる。
クズ/葛 マメ科
花が咲きはじめ周囲に甘酸っぱい香りを漂わせている。
山地に自生するつる性植物で繁殖力が強い。
この根からデンプンを取り出したのが葛粉、
現在はジャガイモから作られるという。
花の香りはある清涼飲料水メーカーのファンタグレープに似ている。
クサギ/臭木 シソ科
花の香りは良いが葉や枝には独特の臭気がある。
花びらは5枚に裂れ白色、先端が黒い雄しべ4本と
雌しべが1本突き出した派手な花をつける。
果実は球形で藍色、がくは濃紅色でもっと派手、
野鳥を呼び寄せる手段。
アップすると
ハナイカダ/花筏 ハナイカダ科
葉の上に花を咲かせることから葉をイカダに見立てたのが名の由来。
葉の主脈を見ると基部から果実までは葉の主脈が太く果柄と
一緒になっているのが分かる。
黒く熟し果実は食べられ、ほんのり甘いが独特のくさみがある。
ガクアジサイ/額紫陽花 アジサイ科
花が終わり中央部の両性花は結実し、それを囲む装飾花は
クルリと一転し裏返しになっている。
これは両性花の花が終わり虫を誘導する役目の装飾花は
御用済の証し。装飾花はガクが変化したもので硬く、寒風
にあうとカラカラと音がし、このまま来春まで残る。
ホソバオキナゴケ/細葉翁苔 オキナゴケ科
今春は雨が少なくコケはほとんど目立たなかったが、
7月頃の降雨で息を吹き返した。
林地や歩道法面に円形に芽生えて方円状に群生し拡大する。
小型も美しいが、大きく一面に生える光景は見事。