VOL.629
このところの暖かさで
野草たちは誘われるように
春へのスイッチが入った模様
芽吹きが始まりその勢いが日増しに
そんな里山に花を探しに
・バッコヤナギ/跋扈柳 ヤナギ科
川原などに生えるネコヤナギに比べて日当たりのよい山地に生える。
雌雄異株だが、もう少し花が開かないと雌雄がわからない。
別名ヤマネコヤナギ。
・フキノトウ(フキ)/蕗 キク科
花が開いてきました。
小花が集まる集合花で雌雄異株、
これは黄色っぽく見えるので雄花、つまり雄株。
花粉を飛ばした後枯れてしまう。
・アオイスミレ/葵菫 スミレ科
スミレの中で春、最初に花をつける。
距の先端が太く持ち上がるなどが特徴、
写真を見ると葉の基部が内側に丸まっているが特徴のひとつ。
和名は葉がフタバアオイの葉に似ていること。
・エゾタンポポ/蝦夷蒲公英 キク科
セイヨウタンポポは余程のことがない限り年間花が
見られるが、在来種は春に花をつける。
花の基部にある総苞片が反り返らないのが在来種の特徴
・ミチタネツケバナ/道種漬花 アブラナ科
道端や畑周辺に自生し、早春から花をつける外来種。
アブラナ科で十字花冠、雄しべが4個、
仲間のタネツケバナは在来種でこちらは雄しべが6個。
春、種もみを水に漬ける頃に花が咲くことが名の由来。
・ハコベ/繁縷 ナデシコ科
歩道や畑、空き地など広く見られ、春だけなく秋にも開花する。
花びらは5枚、先が深く2裂するので10枚に見える。
写真で白く見える雌しべの花柱が3個、仲間のウシハコベは5個
コハコベとも呼ばれる。
・オランダミミナグサ/和蘭耳菜草 ナデシコ科
空き地や歩道法面などよく目にする帰化植物。
全体に毛が密生し、枝分れて花をつけ、花びらが5枚で先端が浅く割ける。
在来種のミミナグサは全体に小型。
・ニワトコ/接骨木 レンプクソウ科
春一番に芽吹くニワトコ、冬芽は混芽で花芽と葉芽が一緒。
それが芽吹いた様子、尖っているのが葉、球状に見えるのが花のつぼみ。
「接骨木」は骨折や打撲の治療に用いたのが漢字名と言われる。
ニワトコの冬芽は混芽(花芽+葉芽)
・ヒメジョウゴゴケ/姫漏斗苔 ハナゴケ科
日当たりのよい岩の上に生える。名前がコケだが、地衣類で樹状タイプ。
ラッパ状で盃のような形、地衣類の中でも目につきやすい。
盃の上方に、茶色でキノコ状に見えるのが胞子が入る子器。
黄緑色はコケのハイゴケ。
・キヨスミイトゴケ/清澄糸苔 ハイヒモゴケ科
沢沿いなど比較的空中湿度が高い木などに自生する蘚類のコケ。
これはスギの樹皮についている。はじめは這いながら成長し、
次にひも状に垂れ下がる。
和名は千葉県の清澄山で発見されたことによる。
・クサゴケ/草苔 ハイゴケ科
木の根株や岩の上にネット状に自生し群落をつくる。
コケ本体は水分不足で茶褐色だが、胞子が入る朔が
おびただしく林立している。
冬芽アラカルト NO12
芽吹きが始まりつぼみになりつつあるので
冬芽探しは今回で幕を閉じる。㊽~㊿
㊽キブシ/木五倍子 キブシ科
これは花芽で穂になって斜上につく。
雄花や雌花、両性花をつけるがこの段階では不明。
芽吹きに備え穂が垂れ下がってきた。
㊾メグスリノキ/目薬木 ムクロジ科
秋には真っ赤な紅葉をつけことで知られる。
冬芽は全体に毛が多く、頂部が尖る。
和名は樹皮を煎じて目薬に使われたことによる。
㊿ミズナラ/水楢 ブナ科
冬芽の断面が5角形、写真では角ばった感がわかる。
また、芽鱗はうろこ状に多数ある。
里山のコナラに似て、別名オオナラとも呼ばれる。
グリーンピア岩沼