10数年前、私は入院していました。
その頃、
夜遅くまでひとりで残り、
朝は誰よりも早く行って仕事をするという
生活を送っていました。
仕事はまったくうまくいかず、
でもやらないといけないことだらけで、
休みの日も出勤して
遅れを取り戻そうとしていたのですが、
頭も体もヘトヘトで、
仕事の効率が落ちてしまうという
悪循環でした。
たまに休めた日は
泥のように寝てしまい、
起きた時に朝の6時だと思ったら、
夕方の6時だったことが何度もありました。
当時は
なんのために生きているのか
分からなかったです。
深夜に
疲れた頭で電車をぼーっと待っていると、
線路に吸い込まれそうで怖かったです。
ベッドに入ると
感情はないのに
涙が溢れて止まりませんでした。
身体中がだるくて痛くて、
家から駅までの15分の道のりが
とてつもなく遠く感じて、
途方に暮れていました。
いろんな病院に行きましたが、
「ストレスですね」
「特に異常はないですね」
と言われ続け、
どうしたらいいのか
まったく分かりませんでした。
自分が感情のない
機械になったような気がしていました。
当時は、
10代の頃苦しんだアトピーが
すっかり良くなり、
びっくりするくらいつるすべの肌に
生まれ変わっていました。
街中で
アトピーの症状がひどい人を見かけると、
自分が引き戻されてしまうんじゃないかと
怖くて怖くて、
近寄らないようにしていました。
ある日から、
自分がこんなことになったのは、
アトピーが治ったと思って
天狗になった罰だと
思うようになりました。
(つづく)