日本は高齢化社会ではなく既に高齢社会になったと聞いたことがある。


確かに高齢者が増えて行く過渡期ではなく高齢者が溢れる世の中に到達したのだろう。


僕の住む地方では本当に高齢者だらけの印象がある。


マンションには多くのデイケアサービスの車が代わる代わる迎えに来ている。


高齢者マークをつけた車も多く走り、危なっかしいと思う運転も少なくない。


僕の両親は70歳過ぎても現役でバリバリ働いている。


僕の会社も現在65歳の定年がそのうち70歳になるだろう。


高齢社会になりいかに歳をとっても元気に生きて行くかというのは大きな課題だろう。


この映画はそんな高齢者の希望になるのではないかという女性の話だ。


主人公のナイアドは20代の時にキューバからフロリダまで泳いで渡る挑戦をして失敗に終わった。


それから泳ぐ事をやめて30年経ってから再び水泳を始める。


ただ泳ぐのではなく、再びキューバからフロリダまでの遠泳に60歳を過ぎてチャレンジするのだ。


彼女はそのチャレンジを30年来の友人にサポートして欲しいと頼む。


それから二人三脚で挑戦が始まるのだ。


主演のアネット・ベニングは僕の中ではアメリカの綺麗な奥さんというイメージの人だった。


「アメリカン・ビューティー」の役柄の印象が強いのかも知れない。


今回は実在のナイアドというアスリートに迫り貫禄のある我が強い癖のある女性に成り切っていた。


ナイアドの30年来の友人を演じたジョディ・フォスターについては「羊たちの沈黙」に代表されるような若い時のイメージが強かったので歳を重ねた姿に最初驚いたものの、カッコいい婆さんになったんだなと感動した。


実話に基づいた話なので実際のナイアドの人物像から離れていないんだろうけど、ナイアドは自分の挑戦に対して周りの人を巻き込み、巻き込まれた人達は多くの事を犠牲にしないといけない。


ナイアドはそんなサポートをされて当然のように振る舞うのだ。


挑戦も一度で成功するというような甘いものではなかったようだ。


困難は多くあれどナイアドを奮い立たせる彼女の過去に追い立てられ決して諦めようとはしない。


これは特別なアスリートの話ではある。


ただ、高齢者が年齢を理由に諦めずに挑戦する好例だと思う。


日本に限らず多くの国が高齢社会を迎えているそうだ。


これからどんどん高齢者が活躍する映画が作られたら良いと思う。


高齢者にとってもこれから高齢になる僕らにとっても励みになる。


挑戦は若い者だけの特権ではないと改めて思った。