自分のしたい事が見つかり、その事にのめり込み、四六時中その事ばかり考える。
そんな生き方は幸せだろうか。
笑いという事に取り憑かれ、全てを笑いに捧げるのがこの映画の主人公だ。
彼自身が笑いのカイブツなのかとこのタイトルを見て思ったし、実際にそうなのかも知れない。
ただ、笑いを考える事以外にとことん不器用でどこに居ても周りと上手くやっていけない彼は自身がカイブツと言うよりも笑いという怪物に挑み、その怪物に滅茶苦茶にされる犠牲者のように見えた。
岡山天音はこれまでも凄く良い役者だなと思っていたけど今回の役のハマりっぷりに圧倒された。
脇を固めるのが中野太賀、菅田将暉、松本穂香というこの時代を象徴する若手ばかりで助演として素晴らしかった。
実話に基づいた痛々しい青春の足掻きが胸に響いた。
蛇足だが、笑いのカイブツという言葉から松本人志を思い浮かべた。
お笑いの頂点に立ち、何十年もトップを走り続けた松本人志が今窮地に立っている。
報道が本当ならば断罪されるべきだし、現場に復帰できなくてもしょうがないだろう。
ただ、こんな終わり方はとても残念だと思う。