最近よく耳にする言葉に「自己肯定感」がある。
「あの人は自己肯定感が低いから挑戦できない」
「あの人は自己肯定感が高いから前向きだ」
まるで人物評価の便利なラベルのように使われている。
確かに、自己肯定感が高いことは良いことのように聞こえる。
では、自己肯定感が低いと感じている人は、どうすればいいのだろう。
育ってきた環境や経験が影響する部分はあると思う。
ただ、働く現場を見ていて感じるのは、自己肯定感が低そうに見える人には、ある共通点があるということだ。
それは「できない自分」を認めることが苦手という点である。
「できません」は勇気がいる
社会に出ると、「できません」と言うのはなかなか勇気がいる。
評価が下がるのではないか、無能だと思われるのではないか。
そんな不安が頭をよぎる。
その結果、わかったふりをする、一人で抱え込む、失敗を隠そうとするという行動に出てしまう。
でもこれは、自分を守っているようで、実は自分の成長を止めてしまう行動でもある。
自分のことを振り返ると、比較的自己肯定感が高いタイプだと思う。
ただ、それは「何でもできる」と思っているからではない。
むしろ逆で、できないことを認めることに、ほとんど抵抗がない、高揚感を感じる感覚さえある。
なぜなら、できないことが見つかる→ 学べることが見つかる→ 成長できる可能性が広がる
そう考えているからだ。
「できない」は終わりではない。
「次の学びの入口」なのである。
できないことを認められるようになると、不思議といろいろなことが楽になる。
学ぶポイントがはっきりする、周囲が助けてくれる、正直さが信頼につながる、挑戦することが怖くなくなる。
人は、完璧な人よりも、正直な人に安心感を覚えるのかもしれない。
できない=価値が低い、ではない
ここを混同してしまうと苦しくなる。
できないことがある=人としての価値が低いではない。
誰にでもできないことはある。
違うのは、それをどう扱うかだけだ。
自己肯定感を下げる一番の原因は「他人との比較」だと思う。
SNSを見れば、誰かの成功が流れてくる。
周りには優秀な人もいる。
でも、他人を基準にしてしまうと終わりがない。
比べるなら、昨日の自分より一歩進めたか?それだけで十分ではないだろうか。
社会に出ると、できないことにたくさん出会う。
むしろ、できないことに出会わない方が不自然だ。
だからこそ、できない自分を責めない、できないことを隠さない、できないことを学びの入口にする。
そんな姿勢を持てたら、仕事はずいぶん楽になる。
自己肯定感とは、自分を大きく見せることでも、無理にポジティブでいることでもない。
不完全な自分を受け入れられる力なのだと思う。
そして「できない」と言える人ほど、前に進める。
私自身、今でもできないことだらけである。
だから学べる。
だから面白い。
だから仕事は飽きない。
今、できないことが見つかって立ち止まっているのであれば、それは成長のチャンスが見つかったと捉えるべきである。
次の一歩は、そこから始まる。