ヒューマンドキュメンタリー映画祭《阿倍野》のスタッフブログ -30ページ目

ヒューマンドキュメンタリー映画祭《阿倍野》のスタッフブログ

『1日だけのヒューマンドキュメンタリー映画祭2025』開催!
2025年11月15日(土)11:00〜/大阪市中央公会堂 地下大会議室

映画祭本番まで、あと3日!

【ヒューマンドキュメンタリー映画祭《阿倍野》2013】

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9月1日(日) 15:30~
予告編 『先祖になる』 池谷 薫監督

監督・池谷 薫よりメッセージ

映画を撮ることで、ずっと人間の尊厳とは何かと考えてきた。
だから被災地で映画を撮ると決めたときも、漠然とではあるが、逆境を生き抜く人間の姿が撮れるのではないかと思っていた。
だが、現地の状況は私の想像をはるかに超えていた。

千年に一度の大津波は、まるで人間の営みをあざ笑うかのように、人も家も、そして歴史風土や文化までも飲み尽くしていた。
茫然としながら被災地をさまよっていたとき、私はある町で花見が開かれることを知った。

全国的に自粛ムードが広まるなか、当の被災地でその花見が開かれる。
悲惨な状況ばかりを映し出すメディアとのギャップに、私は驚き、感動した。
高台にある寺のお堂で開かれた花見は心温まるものだった。
この地に古くから伝わる和太鼓が打ち鳴らされ、ボランティアの手によって全国から集められた地酒が振る舞われた。
集まった住民を前に、ひとりの老人が静かに語りだす。
今年もさくらは同じように咲くと。

復興への壮絶な覚悟をにじませたこの言葉を、私はこの地に根ざし生きる人の魂の叫びだと感じた。
その晩、撮り終えた映像を観た私は、この老人の映画を撮ることに決めた。
それが『先祖になる』の主人公・佐藤直志さんである。
その日から、ひたすら彼を追いつづける日々がはじまった。

きこりを生業とする彼は、息子を亡くした悲しみを抱えながら、みずから森で木を伐り、津波で壊れた家を再建しようとする。
行政に頼ることなく、つねに前を向くその姿は、戦争や災害から立ち直ってきた日本人の底力を感じさせ、孤高の人と呼ぶにふさわしい。
私にとって、やはり映画は人間の尊厳を問うものだった。
『先祖になる』が単なる震災映画の枠を超え、そのように観てもらえることを願うばかりである。

池谷 薫

『先祖になる』公式サイト


池谷 薫(監督)
1958年東京生まれ。
世界が注目するドキュメンタリスト。
国家や社会に翻弄されながらも懸命に生きる人間を撮りつづける。
映画祭本番まで、あと4日!

予告編 「飯館村」~放射能と帰村~


ヒューマンドキュメンタリー映画祭《阿倍野》2013】

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9月1日(日) 13:00~ 
「飯館村」~放射能と帰村~ 土井 敏邦監督

監督:土井 敏邦よりメッセージ

「飯舘村―放射能と帰村―」があぶり出す「国家」の本質
ジャーナリスト・土井敏邦

2012年春に完成した『飯舘村 第一章――故郷を追われる村人たち――』では、飯舘村の2つの酪農家の家族が、生業の源であり、“家族”の一員”だった牛を手放し、避難のために家と先祖が眠る墓を残したまま村を離れていく姿を描いた。

映画の中で村人たちは故郷の意味を自問し、愛郷の想いを切々と語った。
もう1つのテーマは“放射能の恐怖”だった。
幼い子どもの被曝を怖れ、放射能に汚染された村から一刻も早い避難を訴えた若い親たちと、“村”という共同体を残そうと
奔走する村の為政者たちとの間に生まれた深い乖離と軋轢も、飯舘村を描くのに欠かすことができない要素だった。

本作『飯舘村――放射能と帰村――』はその続編である。
前作で描いた酪農家の2家族のその後を追うなかで “故郷”“家族”の意味を改めて問うとともに、
「放射能に汚染されたあの村に、住民は帰れるのか」という深刻な問題がこの映画の主要なテーマである。
若い親たちは、幼い子どもたちの被曝を怖れ、帰村を断念し始めている。

一方、年配者たちも、断ち難い望郷の念と、「子どもも孫もいない村、農業もできない村へ独り帰るのか」という不安と葛藤のなかで苦悩する。
そんななか、国は全村民の帰村をめざし、莫大な費用をかけ“除染”を推し進める。
しかし取材を進めていくと、「除染はほんとうに効果があるのか、村人はほんとうに帰れるのか」という疑問が湧き起ってくる。
さらに、いったいこの除染事業によって誰が利益を得るのか、国は除染によって何を狙っているのかという疑惑も浮かび上がってくるのである。

“日本の中のパレスチナ”いう視点から、「人にとって故郷とは何か」「家族とは何か」を問うことから取材を始めた「飯舘村」は、
「国家はほんとうに民衆のために動くのか」という視点へと私を向かわせた。
この映画は、私のその問題意識の変遷の報告である。

「飯舘村―放射能と帰村―」公式サイト

土井 敏邦 (監督)
1953年佐賀県生まれ。
1985年以来、パレスチナをはじめ各地を取材。
テレビ各局でドキュメンタリーを放映。

映画祭本番まで、あと4日!

予告編 「傍」~3月11日からの旅~


ヒューマンドキュメンタリー映画祭《阿倍野》2013】

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9月1日(日) 10:00~
「傍」~3月11日からの旅~ 伊勢 真一監督

監督:伊勢 真一よりメッセージ

“東日本大震災と呼ばれるようになった災害直後、おさまりようのない胸騒ぎのまま、宮城・亘理町、福島・飯舘村に、スタッフと共に通いつめた記録だ。
テレビ番組のように、情報が盛られているわけでも、感動を描いているわけでもない。記録というよりも、私的でいびつな記憶のようなもの・・・
 
誰に頼まれたわけでもないのに、被災地へ入れば迷惑をかけるにちがいないのに、金も無いのに何故?

「自分のことは、自分が一番よくワカラナイ」”

・・・と、完成直後、ノートに書きとめた思いは
今も変わらない。

決して社会派とは言えない、私のような軟派な創り手が、被災地へ向かい、カメラを回すことにも、きっと意味があると、意気地無しが精一杯気合いを入れて創った「屁の突っ張り」のような
ドキュメンタリーです。

阿倍野の映画祭では、二度目の上映になりますが、
もう観た、という方も、もう一度ぜひ観てほしいと思いプログラムしました。

ドキュメンタリー映画は、社会の「窓」というだけでなく、ある時は観ているひとりひとりの「鏡」でもあるように思う。
「傍(かたわら)」も「窓」であり「鏡」である映画だと私は思っています。

現在進行形の状況の中で、今も自主上映に取り組んでいるので、応援よろしくお願いします。

いせフィルム


伊勢 真一(監督)
1949年東京生まれ。
答えよりも、問いを持ち続けたいと、幅広くドキュメンタリーを手がける。

ヒューマンドキュメンタリー映画祭《阿倍野》2013
開催中の3日間、東北の「ええもん」を参加してくださる
「ミンナ DE カオウヤ」プロジェクト。

【「ミンナ DE カオウヤ」プロジェクトとは】
被災エリアの授産品を日本全国で販売して、被災した障がい者の収入、福祉事業所の経営を支える
「参加」プロジェクト(=経済活動支援)です。
今回も東北の特産品を中心に販売いたします。

映画祭専用のチラシをつくってくださりました。

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映画の合間に「豆乳入り焼きどーなつ」
お土産に「おからかりんとう」はいかがでしょうか。
宮城県登米地方の「あぶら麩」もあります!

その他、様々な東北地方の物産を販売しております。
ぜひ、物販コーナーもお立ち寄りください。

「ミンナ DE カオウヤ」
全国に販売店舗があり、大阪は梅田スカイビルのガーデンシックス1階など、7店舗あります。


ヒューマンドキュメンタリー映画祭《阿倍野》2013

予告編「毎日がアルツハイマー」

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8月31日(土) 18:30~
「毎日がアルツハイマー」関口 祐加監督

監督・関口 祐加よりメッセージ

2010年、初期のアルツハイマー病であると診断された母と暮らすために、29年住んだオーストラリアから帰国しました。
初めて自ら小型カメラを持ち、母との日常を撮影したものをYouTubeに動画として投稿し始めたのもこの頃です。
YouTubeは、シドニーの映画学校で教えていた時に、学生たちが上手に活用していたことから私もやってみようと考えました。

これが、介護に悩む人や医者、医療従事者など多くの人々の共感を呼び、累計視聴数が、グングン増え始めました。
そして、累計視聴数が10万を越え始めた頃から、メディアからも注目され、取材申し込みをされるという思いがけない状況になりました。
今や累計視聴数は、51万を越しています。
誰よりも私自身が、この展開に驚いています。

長編動画『毎日がアルツハイマー』は、そんな100時間以上にわたり撮影した映像素材を93分にまとめた作品です。
通常のドキュメンタリー映画の製作過程と違い、『毎アル』は、すでに映像素材を動画として公開していたので、
私としては、大きなチャレンジでした。見慣れた映像素材を新鮮に見せるためには、「ツッコミ字幕」などの編集の創意工夫が、不可欠でした。

『毎アル』な母と家族の暮らしは、笑って、怒って、泣いて、そしてまた笑うというコメディのような世界ですが、
同時にアルツハイマーの世界を通して、家族のあり方、母と娘の関係、更には、人間の尊厳とは何かを鋭く問います。
何はともあれ、まずは大いに笑ってご鑑賞を!

「毎日がアルツハイマー」公式サイト

facebookページ

関口 祐加(監督)
横浜生まれ。1981年オーストラリアへ渡り、映画監督になる。
国内外で高い評価を得てきた監督の最新作は『毎日がアルツハイマー』