予告編:『妻の病 -レビー小体型認知症-』 | ヒューマンドキュメンタリー映画祭《阿倍野》のスタッフブログ

ヒューマンドキュメンタリー映画祭《阿倍野》のスタッフブログ

2017年6月24日(土)〜25日(日) 阿倍野区民センター 大ホール

予告編:『妻の病 -レビー小体型認知症-』(87分)
監督:伊勢 真一
上映日時:8月24日(日) 15:15~


・関西初公開



予告編:『妻の病 -レビー小体型認知症-』

「妻の病」を巡って

「まるで夢のようだね…」
認知症の日々を生きる妻に夫が語りかける。
二人はうなずき合う。
この映画は、認知症のドキュメンタリーというよりも、病を経て絆を深める、ある夫婦の愛の物語である。
2011年3 月11日。東日本大震災のその日、私はひとりの友人の話を聞くために、高知県南国市にいた。
友人の名は石本浩市(62 才)、ふるさとのその地で小児科を開業する医師である。
十数年前、小児がんの子どもたちのキャンプで出逢い、10 年がかりで『風のかたち』という映画を製作した仲間だ。
その日、石本医師が語ったのは、小児がんの話ではなかった。

レビー小体型認知症。
それが、彼の妻の病名だった。
妻・石本弥生さんは、石本医師とは幼なじみ、50 代から若年性の認知症となり、10年間、石本夫妻は病との斗いに明け暮れて来た。
小児がん治療と地域医療の取り組み、妻・弥生さんの認知症との格闘、決してキレイゴトでは片付けられない日々…。
石本医師は、医師ならではの観察眼で、弥生さんの発症以来の日常を、まるでカルテを書くように、こと細かに記録していた。
認知症が進行し、今では身の回りのことがほとんど何も出来なくなった弥生さん…。
その弥生さんに深い愛情を寄せケアする石本医師、家族、親戚、地域の人々。
映画「妻の病 –レビー小体型認知症–」は、四国・南国市の豊かな自然に育まれ、
支えあうように生きて来た一人の医師と、認知症の日々を生きる妻との、10年間に及ぶ“いのち”を巡る物語である。
認知症の人は“何もわからない人・出来ない人”ではない。“本人なりの思いや願い、出来る力を秘めている人”である。

監督プロフィール ----------
伊勢 真一
(監督・ヒューマンドキュメンタリー映画祭《阿倍野》 総合プロデューサー)

1949 年東京生まれ。
1995年、重度の障害をもつ少女の12年間を追った作品「奈緒ちゃん」で毎日映画コンクール記録映画賞グランプリを受賞。
近作に「風のかたち-小児がんと仲間たちの10年-」(09・文化庁優秀映画賞受賞)、
「大丈夫。-小児科医・細谷亮太のコトバ-」(11・キネマ旬報文化映画ベスト・テン第1位)、「シバ 縄文犬のゆめ」(13)。
ヒューマンドキュメンタリー映画祭《阿倍野》をはじめ、大倉山映画祭・はなまき映像祭など、各地でドキュメンタリーの映画祭を企画。
2013年度「第11回シネマ夢倶楽部賞」を受賞。
昨年公開となった「小屋番 涸沢ヒュッテの四季」と、最新作「妻の病-レビー小体型認知症-」を今年度、映画祭で上映。