映画 『架け橋 きこえなかった3.11』
監督・今村 彩子からのメッセージ
『架け橋 きこえなかった3.11』 上映日時: 8月23日(土) 13:45-

<命を守る情報に格差があってはならない>
こんにちは。名古屋在住の今村彩子です。
生まれつき、耳が聞こえません。
20歳からドキュメンタリーを撮っており、今年で15年目になります。このことを書くと年齢がバレてしまいますが(笑)
社会には聞こえない人もいるよということを知ってもらいたいと思ってドキュメンタリーを撮り始めました。
ヒューマンドキュメンタリー映画祭《阿倍野》で上映される作品は、どれも観たい!!!と興味をそそられるドキュメンタリー映画ばかりで、今からとても楽しみです。
そんな映画祭で私が制作した『架け橋 きこえなかった3.11』が上映されることをとても光栄に思っています。
本作は2011年3月11日に起きた東日本大震災で被災した聞こえない人を取材したドキュメンタリーです。
“津波警報が聞こえなかった”―――。
東日本大震災で危機一髪、助かった聞こえない人のこの言葉に心臓が縮むようでした。
津波警報が聞こえず亡くなった人、 避難放送が聞こえず、津波で孤立した家で一夜を過ごした人・・・。緊迫感のある体験談を手話で語るろう者に私は一刻も早くこのことを社会に伝えなくてはと心を突き動かされました。
そして、震災1ヶ月後に被災地を訪れ、取材をしていた時、私も震度6の余震を体験しました。
地面が大きく揺れ、何が起きたのか分かりませんでした。
誰かに強く手を引っ張られ、しゃがみました。「津波警報が鳴っている!」とスタッフに言われ、背筋が凍りました。
私は全く聞こえなかった。
揺れが収まったら大丈夫だと思っていた。
でも、本当は危なかったんだ。命を守る情報に格差があってはならない。そう強く感じました。
命に関わる情報は全ての人に行きわたり、ろう者も安心して暮らせる社会にしたいという一心で取材を続け、「架け橋 きこえなかった3.11」が完成しました。
2年4ヶ月の間、10回被災地に赴き、カメラを回した48時間の映像を74分に凝縮したこの映画が被災地と全国を結ぶ架け橋となれば本望です。
今村 彩子