「傍(かたわら) ~3月11日からの旅~」
伊勢 真一 監督 115分
テレビ番組のように情報が盛られているわけでもなく、感動を描いているわけでもない。
記録というよりも私的でいびつな記憶のようなもの
2011年3月11日、東日本大震災後、宮城県亘理町に暮らす友人のミュージシャン、
苫米地サトロの安否を訪ね、カメラの旅は始まった。
以来毎月11日、「月命日」の前後に、 監督は仲間を誘って、
宮城・亘理町とやはり友人の暮らす福島・飯舘村に通い続ける。
津波による犠牲者が多数出た亘理町で、苫米地サトロは役場前のプレハブで、
妻の圭たちとFM放送局「あおぞら」を開設し、町民に情報を提供する。
月命日に、声を詰まらせながらひとりひとりの名前をゆっくりと読みあげる声が耳を離れない。
この映画は「テレビ番組のように情報が盛られているわけでもなく、感動を描いているわけでもない。
記録というよりも私的でいびつな記憶のようなもの」(監督)。
被災地の、被災者の傍らでの1年を描いた作品。
いせフィルム