インジェクションとキャブレターって何が違うんですか?
よくお店で伺う話。
もうね。今日でハッキリしましょう。
これを読んでいただくとスッキリ!勉強になったな~♪これからは、そういうブログを心がけようと思います。(笑
そもそもエンジンを始動するには空気をガソリンに混ぜる。
①キャブレター
簡単に言えば、ガソリンを霧状にして燃えやすい状態を作り、空気と混ぜるパーツ。 日本語では気化器と言います。
理論的には「1gの燃料を完全に燃焼させるのに14.7gの空気が必要(空燃比)」で、この割合で混ぜればもっとも燃えやすく、ムダのない状態となる。実際は、運転状態や気象条件で若干異なってくるが、キャブレターはこの割合を目安にエンジンの負圧を利用して、キャブレター内のメイン・スローポート・アイドルポートなどの細かい通路を通り、ガソリンと空気を混ぜているのだ。
②フューエルインジェクション(EFI)
別名・電子制御燃料噴射。ガソリンを効率的に爆発させるには霧状にする必要があるので目的はキャブと一緒。フューエルインジェクションは電子制御でガソリンを霧化させるシステム。エンジンが要求する最適なガソリン量を車体の各所についているセンサーから読み取りCPU(ECU=エレクトロニックコントロールユニット)で計算し、半ば強制的に送り込むことができるため、最適量な為、燃費がよくスロットルワークに対する反応もよい。
2007年までのハーレーはオープンループでしたが、現在は「O2センサー」を使用するクローズドループで格段に計算量が向上した。現在の殆どのバイクはクローズドループ。
と、まぁ仕組みはこんな感じ。
ただ、実際にはキャブとEFIの利便性を比較する以前に、
乗用車もそうでしょうがバイクの場合は排ガス規制の問題が大きく響いています。
排ガス規制
まず排出ガス規制で測定されるものは、
①CO(一酸化炭素)・危険性は言わずもがな。
②HC(炭化水素)・太陽光(紫外線)に当たると有毒な光化学スモッグに変化する。
③Nox(窒素酸化物)・オゾンを破壊すると言われていて発がん性も非常に高い。
そして、これら3つ関係はトレードオフという厄介さでして、(汗
燃料を濃くすればNoxは抑えられるけど、COとHCが大量に出る。
燃料を薄くすればCOとHCは抑えられるけどNoxが大量に出る。それら三つとも抑えないといけない状況。(笑
最初に発令されたのが98年の排ガス規制。
これでホンダのNSR等の2サイクルマシンが生産できなくなり世の中から消えました。(悲
次に襲ってきたのが06年の排ガス規制。
これが大問題でして、98年の規制値から更に「8割減にしなければいけない」という、何かの間違いじゃないのか?と思うほどの厳しい数値。鬼!!!
これは2005年の京都議定書で取り決められた「みんなで止めよう温暖化」ですよ。
これにより細かい設定が難しいキャブ車、燃料を濃くする必要がある空冷が壊滅的状況。
代表的なのはカワサキ・ゼファーや、ヤマハ・XJR400などなくなりました。
二輪が排出するガスなんて微々たるものなんですが....
この2006年以降、キャタライザー(三元触媒)や音量規制も相まって、
バイクのエキゾーストノートなんて全く無視されます。悲しいかな~。(音量規制の話はまたいつか...)
三元触媒とは①、②、③を同時に浄化する触媒の事です。
細かく言うと、プラチナがHCやCOを酸化させCO2と水に、ロジウムがNoxを窒素と酸素に分解します。
そしてこれを採用することでバイクの金額がイキなり跳ね上がりました。教習車で有名な「CB400SF」なんかが良い例でして、今や90万円オーバー。
そして2016年の排ガス規制がやってまいりました。
2012年の排出ガス規制値のおおよそ半分!!いわゆる「EURO4」と呼ばれる規制です。
そして排ガスではなくOBD(車載式故障診断装置)の義務化という規制も追加されました。
今では普通ですが専用機器を繋ぐことで断線や異常などを検知する機能。これが義務付けられたことでセンサーなどを完備していない既存車の多くがカタログ落ち。外国車は常識でしたが、国内モデルはまだ一般的ではなかった。
付けたくて付けたのじゃないですよ。
義務化されたので装着されたのです。EFIも時代の流れでキャブレターじゃ無理になった。
ですので、お店の人間年としては「規制に合わせて市販車を作るメーカー」の苦労も垣間見れるのです。
販売価格も上がる訳です。
大変ですよね。
ただし現行車両だと、むしろ乗り味に関しては確実に進化しています。
ホンダやインディアン「FTR1200」も採用していますが「レイン・スタンダード・スポーツ」と言った具合に、標準でスロットルレスポンスやパワーも調整できる最近のEFIが一枚上手かと思います。
トラクションコントロールも付いてますし。可変カムも採用しています。
性能で見れば明らか。
ハーレーの固定ECUも書き換えによってフィーリングやパワーが変わりますし、モノによっては7~20万円程で可能。
昔もノーマルのキャブじゃパワーの限界があるので、キャブレター本体を交換してフィーリングを変えたもの。
それでも10~15万円はカスタム代が必要でした。(ハーレーで)
ただ皆さんが知りたいのは仕組みじゃないでしょー。
キャブとEFIのどっちがイケてるのかと?そういう事。(笑
キャブが好き!EFIが好き!
それは個人の楽しみでお考え下さいな~。(スッキリしない?www)