- メルトダウン/高嶋 哲夫
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高嶋哲夫著 「メルトダウン」読了
私はもしかしたら不感症になってしまったのだろうか?
この本も、引込まれるところはなかった。
次に読む本が手元になかったので、無理やり最後まで読んだが...
高嶋氏は原子力のエキスパート。TVにも方面のコメントをするために
たまに出ているくらい。そんな方が書いた本だったので、問題の種である
「第四の核」の科学的・論理的なディテールに期待していたのだが...
結局は過去を背負った田舎町の新聞記者が、国の暗い部分と戦う。
安い芝居だ...
前回読んだ東野圭吾著「プラチナデータ」のときもそうだったが、
もう少し確信部分を煮詰めたほうがスリリングで面白いとおもうけどね。
宮部みゆき級に主人公の心のうちを表現していくというタイプの小説なら
この程度の仕掛けでも充分に面白いものとなるのだろうが、
事件に絡む主人公と犯人の心のうちを書いていくスタイルは、宮部みゆき
以上のものはなかなか書けないだろう。
映画なってしまってから私の中ではランキングが急落した「ジュラシックパーク」
などの方がよほどおもしろい。映画では小説の大切な裏テーマが描かれて
いないから、面白みが半減しているが、人間の作り出したシステムがカオス論的に
崩壊していくところがおもしろい。
この「メルトダウン」で著者は何を表現したかったのだろうか?
「核」の話題は得意分野なのだから、いくらでも架空の問題は作り出せる。
この小説で書かれている「第四の核」は、全くその方面のことを勉強していない
私にしても、最初から嘘っぽい。
主人公の記者が新聞の紙面で「手記」として記事にするのだが、
読んでいる私にその重大さが全くつたわってこない。
もう一方の物語である東海岸で起こる政府高官の死。
自殺に見せかけた他殺であることは、この手の小説の常套手段。
面白い小説だと、常套手段であるにも関わらず読者を物語りに引込んでいく
仕掛けが随所にあるはずなのだが...
最後は、第二主人公の妻が殺された政府高官のパソコンから暗号化された
ファイルを復活させ、それを解読してしまう。でた!魔法の杖だ!
しかも、その暗号解読のキーが子供が使っていたパソコンに残っていた...
やめてくれ~、最初からみえみえのストーリー展開だ!
全体を通していえるのは、どこかで読んだ小説の寄集めのような感じがして
いた。どうしても小説の世界に入り込むことが出来なかった。
特に最後のクライマックスは、面白い小説なら時間も忘れて一気に読むところ
なのだが、消化試合になってしまった。だって、主人公が相手本拠地に乗り込
んで行くまではいいが、やり取りにスリリングさのかけらもないのだから...
そう、この小説。主人公が殺されそうになったりもするのだが、一瞬たりとも
「手に汗握る」という瞬間がない。
まぁ、私のこのような文章を書けといわれても、到底できることではないのだが。
核をテーマとして書いた小説で最近読んだものとしては
真山仁著「ベイジン」がある。これの感想はまだ書いてないが、いづれ...
ハゲタカの流れで読んだのだが、以外に面白かった。