広島東洋カープの初CSは、シリーズを圧勝したジャイアンツの横綱相撲に屈した。あと少し違えばという部分もいくつかあったが、最後の一押しができないまま3連敗で終戦となった。
・落とせないはずだった初戦
個人的には全体の勝敗を決したのは初戦だと考えている。送球が走者の背中に当たるというラッキーから先制し、沢村の代わり際を満塁と攻め立てるなど大勝すら可能だった序盤の流れ。しかしこのポイントでタイムリーヒットが出ず接戦のまま終盤に。キラが山口からあわやという打球を飛ばすがひと伸び足りず。最終回にもチャンスを作るが、坂本のファインプレイとオーバーランでゲームセット。
序盤に内海や沢村からもっと点を獲れていれば、ジャイアンツ側に焦りが出てそのまま0点に抑える展開すらあった。しかし決め切れないまま接戦で終盤を迎えてしまい、本来の力量の差で競り負ける結果となった。ジャイアンツが試合カンで不安を抱えている初戦をとれていれば、マエケンを中5日で出して勝利の確実性を高める事もできたのだが。勢いのまま初戦を制し、あわよくば万全に近い状態でマエケンを送り出すと形は、ほんの少しのすれ違いで実現しなかった。後にもつれるほど相手の感覚が戻り、こちらは層の薄さが際立つのだから、初戦は圧勝しておくべきだった。まして負けてしまうとは・・・
・マエケン奮闘も「まさか」に泣いた2戦目
負ければ崖っぷちとなる第2戦。負けられないカープは中4日でマエケンを出すしかない。しかし疲労が回復しきっていないせいか、本来の投球ではなかった。長打力では劣る選手である寺内に、まさかの一撃を浴び5回で降板。それ以外では何とか踏ん張っていただけに、中5日で出せない事情が悔やまれた。一方打線はシーズン中以上の力を発揮した菅野の前に沈黙。2つの「まさか」により、2連敗となった。
エースと新人との激突である以上、勝利が最低限だったカープ。エースのマエケンで勝てず、もう一つも負けられない状況に追い込まれてしまう。こうなると心理的にも厳しくなるため、ジャイアンツ側の「自爆」が無ければ逆転は難しくなってしまった。勢いで序盤を制するはずが、まさかの連敗となった時点で、結果は8割決まってしまった。
・儚く散った第3戦
丸が出て、菊池で送って、クリーンアップで得点する。カープ理想の形で始まった第3戦。不安定な面もある杉内の出鼻を叩き、大逆転の夢を感じさせた。しかしその後カープファンが目にしたのは、夢ではなく残酷な現実だった。1点ずつ得点して逆転するジャイアンツ打線。WBCも経験し、大舞台に慣れている杉内の本領。本来の力量差を感じさせられる敗戦で全てが終わってしまった。
もはやシーズン中を見ているかのような気分であった。いい形のときにもう少し攻めきれない。踏ん張りたいときに失点してしまう。機動力で揺さぶろうにもランナーを出せない。最後は横綱の強さを見せ付けられるだけだった。
・来シーズンに希望あり
結果は3タテとなったものの、今シーズンは久々にAクラス入りを達成したカープ。自慢の先発陣は残るし、キラ・エルドレッド・菊池・丸など野手の主力も頼もしいところをCSで見せてくれた。来シーズンも十分にAクラスを狙えるだろうし、今回の経験が次回のCS突破に役立つのも間違いない。
来シーズンに向けた課題は、やはり左投手だろう。今シーズンは久本が先発でもリリーフでも頑張ってくれたが、これを超える「有力な左腕」が先発とリリーフで1人づつ欲しい。篠田・斎藤・大島・河内などカープで頑張ってきた選手もいるが、トライアウトからの獲得も含めて検討してもらいたい。吉見あたりを再生できれば理想的だ。
あとはキラとエルドレッドに続く打者。栗原がかつての輝きを取り戻すと嬉しいが、それではファーストが重なる。となれ外野で打力を発揮できる岩本や松山、サードの堂林がブレイクして欲しい。梵は6番あたりが力を発揮する気がするし、若手を起用するにしてもプレッシャーのかからない打順から入れるようにしたい。
という事で今シーズンは終了し、かつての優勝メンバーもいなくなってしまった。来シーズンは個人的に新しい気分で見る事になる。第2期のファーストシーズンは、はたしてどうなるのだろうか?
では、また機会があれば。