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【公式ブログ】HCBほほえみオフィス

人の知恵や技術を結集して、新たな突破口を開くことを目指すのが、ヒューマン・チャレンジ・ブレイクスルーです。
選択制企業型確定拠出年金・中小企業の健康経営・人的資本・事業承継・労務DD・労務監査・PMI・人事評価など、人に関わる情報を発信。

1.いよいよ開始!マイナンバーカードと運転免許証の一体化

2025年3月24日から、マイナンバーカードと運転免許証および運転経歴証明書の一体化が始まります。一体化の手続き場所や予約方法は、手続き内容によって異なるため、警視庁ホームページでの確認が必要です。

一体化後の保有形態は、運転免許証のみ、マイナ免許証のみ(従来の運転免許証は返納)、マイナ免許証と運転免許証の2枚のいずれかを選択できます。ただし、マイナ免許証のみの場合、渡航先の国によっては国外運転免許証申請時に従来の運転免許証が必要となる場合があります。

マイナ免許証のメリットとしては、必要な手続きを行うことで、運転免許証の更新時のオンライン講習の受講更新時間の短縮が挙げられます。また、更新手数料もマイナ免許証のみの場合は2,100円と、運転免許証のみの2,850円や2枚所持の2,950円よりも安くなります。オンライン講習の手数料も会場受講より安価です(優良200円、一般200円 vs 優良500円、一般800円)。さらに、マイナ免許証のみを保有している場合、必要な手続きを行えば、本籍・住所・氏名・生年月日の変更時の警察への届け出が不要になります。

注意点として、マイナ免許証の有効期間はマイナンバーカードの有効期間(18歳以上は10年、18歳未満は5年)とは異なり、マイナンバーカードの券面には表記されないため、マイナポータル等での確認が必要で、失効に注意が必要です。

 

2.厚生労働省が「職務給の導入に向けた手引き」を公表

厚生労働省は、企業の役割や職務に基づいた給与である職務給について、その導入を検討する企業向けに今年2月、「職務給の導入に向けた手引き」を公表しました。職務給の導入は、厚生労働省が推進する労働市場改革の柱の一つと位置づけられており、導入企業や支給される社員からもメリットが実感されているという声が上がっています。

この手引きでは、職務給を「基本給における『役割・職務の重要度』に基づいて決定される部分」と定義し、導入にあたっての具体的な手順や制度だけでなく、職務給の導入状況、企業・社員が感じるメリット、導入の取り組み・工夫、課題などがまとめられています。

 

3.企業における花粉症対策の重要性

今年も花粉症シーズンが到来し、2025年のスギ花粉飛散量は2024年よりも増える見込みです。花粉症は労働生産性の低下にも影響するため、企業としても対策に関心を持つべきテーマとなっています。

経済産業省の資料によれば、職場における花粉症対策への支援として、**空気清浄機の設置、対症療法への補助・支援、花粉症に関するセミナー等の実施、花粉症に合わせた柔軟な働き方(在宅勤務の推奨など)**などが挙げられています。これらの対策は、社員満足度の向上にもつながることが期待されます。

 

4.東京都がカスハラ防止のための団体共通マニュアルを公表

東京都は、カスタマーハラスメント(カスハラ)防止のため、各業界団体が独自のマニュアルを作成する際に盛り込むべき共通事項や作成上のポイントをまとめた**「カスタマー・ハラスメント防止のための各団体共通マニュアル(業界マニュアル作成のための手引)」**を公表しました。

マニュアルの主な内容は、基本方針やカスハラの定義、未然防止策(良好な関係づくり、相談体制の整備、初期対応の検討、教育・研修)、発生時の対応(判断基準、場面別の対応方針、顧客対応の中止、警察との連携)、発生後の対応(被害者ケア、再発防止、出入禁止)、企業間取引における注意点などです。

 

5.労働政策研究・研修機構が個別労働関係法ハンドブックを公開

独立行政法人労働政策研究・研修機構は、個別労働関係紛争の相談員向けに、相談内容に応じた法令や判例を素早く見つけられるよう構成された**「個別労働関係法ハンドブック―法令と判例―」**を公開しました。

ハンドブックは、募集・採用、人事異動、労働条件とその引下げ、懲戒、解雇・雇止め、退職・定年・継続雇用・企業再編、非正規雇用、雇用平等とワークライフバランス、パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント・その他のハラスメントといった項目で構成されています。個別労働関係紛争にかかる法令・判例を知りたい方にも参考になるでしょう。

 

6.厚生労働省が「男女間賃金差異分析ツール」を公開

日本における男女間の賃金格差は依然として大きい現状を踏まえ、政府は法制度の改正や情報発信を行っています。令和4年7月には、常時雇用する労働者が301人以上の一般事業主に対して「男女の賃金の差異」の公表が義務付けられました。

こうした中、厚生労働省は、企業における男女間賃金差異の課題・要因分析を支援するため、簡易な要因分析ツールである**「男女間賃金差異分析ツール」**を3月3日に公表しました。Excel形式で提供され、自社の従業員の給与情報等を入力することで、男女間の賃金差異やその要因、同業他社との比較などを分析できます。活用パンフレットも公開されており、分析結果に基づく目標設定や「一般事業主行動計画」への活用方法などが解説されています。

 

7.残業の多さと偏りの要因はマネジメントにあり

働き方改革により有給休暇取得率は上昇傾向にある一方で、残業時間は減少傾向にあるものの、過労死の件数は増え続けており、人材不足による社員のストレス増加も懸念されています。この背景には、残業の多さと人による偏りがあると考えられます。

残業の多さと偏りのマネジメント側の要因としては、長時間労働を美徳とする意識、業務量と人員のミスマッチ、非効率なプロセス管理、時間管理スキルの不足、業務の抱え込みなどが挙げられます。この状況を改善するには、マネジメント側の意識改革と効率的な業務プロセスの構築が不可欠です。

 

8.従業員が認知症になった際の相談窓口

従業員が60歳未満で認知症を発症した場合(若年性認知症)、会社としてどのように対応すべきか悩むこともあるかもしれませんが、環境を整えることで働き続けることが可能です。その際に相談に乗ってくれるのが若年性認知症コーディネーターです。

コーディネーターは、医療関係者や就労支援関係者などと連携し、職場と本人・家族からの相談に中立的に応じ、医療機関の受診同行、適切な制度やサービスの情報提供、手続きのサポートなどを行います。まずは**若年性認知症コールセンター(0800-100-2707)**に相談してみることを推奨します。

 

9.令和7年4月から教育訓練を受けると基本手当の給付制限が解除

雇用保険の被保険者が自己都合で退職した場合に発生する基本手当の給付制限について、令和7年4月以降にリ・スキリングのための教育訓練等を受けた(受けている)場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できるようになります。

対象となる教育訓練等は、教育訓練給付金の対象となる教育訓練、公共職業訓練等、短期訓練受講費の対象となる教育訓練、その他職業安定局長が定める訓練で、離職日前1年以内または離職日以後に受講を開始したものに限ります(途中退校は該当しません)。受講開始以降、受給資格決定日や初回認定日までに申し出る必要があります。

 

10.熱中症予防強化キャンペーンが実施

4月から9月までの期間で、関係府省庁連携の下、熱中症予防強化キャンペーンが実施されます。厚生労働省は、5月から9月まで(4月を準備期間、7月を重点取組期間)、「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施し、事業場への周知・啓発やポータルサイトの運営を行います。

近年、熱中症による死亡者数が依然として多い状況を踏まえ、暑さ指数(WBGT)の把握と適切な対策の実施、熱中症のおそれのある労働者の早期発見と適切な措置、疾病を有する者への配慮が重点的に呼びかけられます。また、厚生労働省は、企業に対して労働者の熱中症対策を罰則付きで義務付ける方針を示しており、労働安全衛生規則を改正し、6月からの施行を目指しています。

 

11.職場情報総合サイト「しょくばらぼ」がリニューアル

厚生労働省が運営する職場情報総合サイト**「しょくばらぼ」**が2月27日にリニューアルされ、大幅な機能拡充が行われました。

「しょくばらぼ」は、「若者雇用促進総合サイト」、「女性の活躍推進企業データベース」、「両立支援のひろば」の3サイトに掲載されている企業の職場情報を収集・転載しており、残業時間、有給休暇取得率、平均年齢、平均勤続年数などの情報や、各種認定・表彰の取得状況などを確認できます。今回のリニューアルでは、これら3サイトに掲載されていない企業の情報を**「テレワーク制度」、「副業・兼業」、「正社員転換制度」**などの「独自情報項目」として掲載できるようになりました。企業にとっては、職場情報を提供することで学生や求職者へのPRにつながり、早期離職の防止にもつながることが期待されます。

 

12.4月の税務と労務の手続き

4月には以下の税務・労務の手続きが必要です。

  • 10日: 源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付、雇用保険被保険者資格取得届の提出(前月以降に採用した労働者がいる場合)
  • 15日: 給与支払報告に係る給与所得者異動届出書の提出
  • 30日: 預金管理状況報告の提出、労働者死傷病報告の提出(休業4日未満、1月~3月分)、健保・厚年保険料の納付、健康保険印紙受払等報告書の提出、労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出、外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合、雇入れ・離職の翌月末日)、公益法人等の法人住民税均等割の申告納付、固定資産税・都市計画税の納付(第1期)

 

  • 定期健康診断の実施義務と安全配慮義務: 事業者は、労働者に対して年11回以上の定期健康診断を実施する義務があり、これに違反すると罰則の対象となる可能性があります。また、事業者は労働者が安全に労働できるよう配慮する義務(安全配慮義務)を負っており、健康診断の実施はその重要な内容の一つです。健康診断を実施せずに労働者の疾病の発見や治療が遅れ、重症化した場合には、安全配慮義務違反による損害賠償責任が問われることもあります。
  • 健康診断を受けない社員への対応: 事業者は、健康診断を受けやすい環境を整備し、受診を勧奨する義務があります。それでも受診しない社員に対しては、理由を確認し、業務上の配慮をする、受診勧奨書面を作成するなどの対応が考えられます。それでも受診しない場合は、就業規則に根拠規定があれば、受診を業務命令として命じることができ、従わない場合は懲戒処分の対象となる可能性もあります。
  • 再検査や服薬をしない社員への対応: 再検査が必要と診断された社員には、受診勧奨を行う必要があります。再検査を受けないことで疾病の発見が遅れ重症化した場合は、安全配慮義務違反が問題となる可能性があります。就業規則に再検査の受診義務を定めることも考えられます。服薬指示が出ている社員が服薬を怠っている場合、事業者がその事実を知りながら適切な措置を講じなかった場合には、安全配慮義務違反の責任が生じる可能性があります。産業医等に相談するよう勧め、継続的な健康教育や健康相談を実施することも有効です。
  • 健康診断での病気の見落とし: 産業医による入社時健診や定期健診で病気が見落とされ、後に悪化したとしても、会社が直ちに責任を問われるわけではありません。ただし、会社が産業医を雇用している場合は、産業医の過失による誤診について、会社の使用者責任が問われる可能性があります。試用期間中の社員の場合、採用時に知ることができず、かつ知ることが期待できなかった疾病が判明し、そのために社員としての適格性に欠けると判断される場合には、試用期間中の解雇が認められる可能性があります。
  • 「要経過観察」となった社員への対応: 健康診断で「要経過観察」と診断された社員が業務軽減を求めてきた場合、事業者は医師の意見を聴く義務があります。医師の意見を踏まえ、就業上の措置が必要かどうかを判断する必要があります。在宅勤務を求める場合でも、法律上または労働契約上の権利が当然に認められるわけではありませんが、障害者に該当する場合は合理的配慮として検討する必要が生じる場合があります。
  • 特定の社員への定期検査の実施: 業務上の必要性から特定の社員に定期検査を実施したい場合、基本的には本人の同意が必要です。健康情報は要配慮個人情報にあたるため、取得には原則として本人の同意が必要となります。同意が得られない場合は、健康情報等の取扱規程を作成し、丁寧に説明し理解を求めることが重要です。それでも協力が得られない場合は、業務命令や配置転換、懲戒処分などの対応も検討されることがあります。
  • 二次検査の費用負担等: 法定の健康診断に含まれない二次検査の費用は、法律上事業者が負担する義務はありません。また、二次検査に要する時間は原則として労働時間にはあたりません。ただし、労使の合意により費用負担や賃金の支払いを行うことは可能です。業務上のストレスが原因で二次検査が必要になったと社員が主張しても、相当因果関係が証明されない限り、事業者が費用を負担する義務はありません。
  • トランスジェンダー社員の健康診断: トランスジェンダーであることをカミングアウトした社員に対しては、性自認に即した形での健康診断の実施を要請された場合、他の社員の理解を得るように努める必要があります。抵抗感を持つ社員がいる場合は、時間帯を分ける、別の会場で受診してもらうなどの配慮をし、将来的には共に受診できるよう研修や啓発活動を行うことが望ましいとされています。
  • 健診結果を上司と共有する場合: 健康情報を本人の同意を得て上司や同僚に共有し、健康確保に使用することは望ましいですが、健康情報は要配慮個人情報であり重要なプライバシー情報であるため、取扱規程を定め適切に管理する必要があります。目的外の利用は原則として許されません。
  • 海外赴任前健診での異常所見: 海外赴任前の社員に異常所見が見られた場合、医師の意見を聴き、必要に応じて就業上の措置を講じる義務があります。再検査や精密検査が必要な場合は、それらを勧奨する必要があります。海外赴任中の健康管理についても配慮し、情報提供やサポート体制を整えることが望ましいです。

これらの点に留意し、企業は従業員の健康管理を適切に行うことが求められます。

企業における従業員の健康管理は、健康経営の観点および労災防止の観点からますます重要になっています。定期健康診断は、企業と従業員双方にとってメリットとデメリットが存在します。以下に要点をまとめました。

会社側のメリット

  • 法的義務の履行と罰則の回避: 事業者は、労働者に対して年1回以上の定期健康診断を実施する義務があり(安衛法66条1項)、この義務に違反すると労働基準監督署の行政指導や罰則(50万円以下の罰金)の対象となる可能性があります(安衛法120条1号)。
  • 安全配慮義務の履行: 事業者は、労働者が安全かつ健康に労働できるよう配慮する義務(安全配慮義務、労契法5条)を負っており、健康診断の実施はその重要な一内容です。健康診断を実施せずに疾病の発見や治療が遅れ、従業員の病状が悪化した場合には、安全配慮義務違反による損害賠償責任が問われる可能性があります。
  • 労働生産性の向上: 従業員の健康確保は事業運営に不可欠であり、健康経営を推進することは労働生産性の向上に繋がります。健康リスクの高い従業員は、低いリスクの従業員の2.9倍の労働生産性損失額があるという調査結果もあります。
  • リスク管理: 健康診断を通じて従業員の健康状態を把握することで、重篤な疾病の早期発見、労災の予防、安全配慮義務違反のリスク軽減に繋がります。
  • 企業イメージの向上: 従業員の健康管理を重視する姿勢は、企業イメージの向上に繋がり、採用活動においても有利になる可能性があります[Implied]。

会社側のデメリット

  • 費用負担: 法定の定期健康診断の費用は、事業者が負担する必要があります。
  • 時間的コスト: 健康診断の実施、未受診者への勧奨、再検査が必要な従業員への対応などに時間と労力がかかります。
  • 健康情報の管理: 健康診断の結果などの健康情報は、要配慮個人情報に該当するため(個情法2条3項)、適切な取扱規程を整備し、厳格な管理体制を構築する必要があります。
  • 二次検査費用の問題: 二次検査は法的な義務ではありませんが、従業員の健康確保の観点から、費用負担について労使間で協議する必要が生じる場合があります。
  • 産業医の選任と責任: 常時50人以上の労働者を使用する事業場では産業医の選任義務があり、会社が雇用する産業医の過失による誤診については、会社の使用者責任が問われる可能性があります(民法715条)。

従業員側のメリット

  • 早期発見・早期治療: 定期的な健康診断により、自覚症状のない初期の疾病や異常を早期に発見し、適切な治療を受ける機会が得られます。
  • 健康意識の向上: 健康診断の結果や医師・保健師からの指導を通じて、自身の健康状態を把握し、健康維持・増進への意識が高まります。
  • 保健指導・健康相談: 健康診断の結果に基づいて、医師や保健師から保健指導や健康相談を受けることができ、生活習慣の改善や疾病予防に役立ちます(安衛法66条7)。
  • 就業上の配慮: 健康診断の結果、就業上の措置が必要と判断された場合、作業の転換、労働時間の短縮などの配慮を受けられる可能性があります(安衛法66条の5)。

従業員側のデメリット

  • 時間的拘束: 健康診断の受診には時間がかかります。また、二次検査が必要になった場合も同様です。
  • 経済的負担: 法定外の検査や、自己都合で指定医療機関以外を受診する場合などには、費用を自己負担する必要がある場合があります。
  • 心理的負担: 健康診断の結果によっては、不安やストレスを感じることがあります[Implied]。
  • 受診義務: 従業員は、事業者が行う健康診断を受ける義務があります(安衛法66条5項)。正当な理由なく受診を拒否した場合、業務命令違反となる可能性も指摘されています。
  • 健康情報の開示: 健康診断の結果は、安全配慮義務の履行や健康確保措置の実施のために、会社に提供されることがあります。プライバシーに関わる情報であるため、取扱いに慎重さが求められます。

企業が健康診断を実施する際には、これらのメリットとデメリットを十分に理解し、法令を遵守しながら、従業員の健康保持・増進と働きやすい環境づくりに取り組むことが重要です。また、従業員も健康診断の重要性を認識し、積極的に受診することが自身の健康を守る上で不可欠と言えるでしょう。