HCB OECD調査結果に基づく日本の最低賃金地域格差の問題点と対策 | 【公式ブログ】HCBほほえみオフィス

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最低賃金が最高の東京都、最低の岩手県を比較してみました。

全国平均を100とした場合、全国平均と比較して、東京都は約10%高く、岩手県は約10%低くなっています。

月収ベースでの東京都と岩手県の差は約3万円の差があります。

 

はじめに

2022年7月20日更新のOECD調査によると、日本の全就業者平均年間実労働時間は1,607時間となり、1日あたり約6.4時間換算となります。このデータに基づき、日本の最低賃金の地域格差について、問題点と対策を考察します。

問題点

  1. 地域間所得格差の拡大: 最低賃金は地域によって異なり、高額な都市部と低額な地方部では、同じ労働時間でも得られる賃金に大きな差が生じます。この格差は、生活費の差にも繋がります。
  2. 地方における人材流出: 低い最低賃金は、地方の人材流出を招き、地域経済の活性化を阻害します。特に、若者や専門性の高い人材が都市部へ流出する傾向が顕著です。
  3. 労働条件の悪化: 最低賃金が低い地域では、企業が人件費を抑えるために、長時間労働やサービス残業を強要するケースが見られます。これは、労働者の健康や生活の質を低下させ、働き方改革の推進を妨げます。
  4. 地域間の競争力低下: 最低賃金が低い地域は、企業誘致や投資の面で不利となり、地域全体の競争力が低下する可能性があります。

対策

  1. 全国一律最低賃金の導入: 全国一律の最低賃金制度を導入することで、地域間所得格差の是正と労働条件の改善が期待できます。
  2. 地域別最低賃金の引き上げ: 全国一律ではなく、地域ごとに最低賃金を設定することで、地域経済の実情に合わせた制度設計が可能となります。
  3. 最低賃金決定における労働組合の役割強化: 労働組合が最低賃金決定プロセスに積極的に参加することで、労働者の声を反映しやすくなります。
  4. 中小企業への支援: 最低賃金引き上げに伴う中小企業の負担を軽減するため、助成金や経営指導などの支援が必要です。
  5. 生活保護制度の見直し: 最低賃金だけでは生活が困難な場合に備え、生活保護制度の見直しも必要です。

考察

最低賃金の地域格差は、日本の社会経済における大きな課題の一つです。上記のような対策を講じることで、地域間格差の是正、労働条件の改善、地域経済の活性化などが期待できます。

その他

  • 最低賃金の地域格差は、複雑な問題であり、上記以外にも様々な要因が絡み合っています。
  • 対策を講じる際には、地域の実情や関係者への丁寧な説明が不可欠です。
  • 最低賃金制度は、定期的に見直しを行い、必要に応じて改善していくことが重要です。