「トルコはアジアじゃないと思う」
これはハーバードカンファレンスで、イスタンブールから来たメンバーと話していたときに彼女が言った言葉です。彼女の考えによれば、昔はアジアの影響を受けて文化もアジア的だったけれども、現在はヨーロッパの影響が強く、トルコはヨーロッパの一員であると考えることが多いとのこと。もちろんイスタンブールはトルコの西部にありますし、さまざまな見方があることも確かでしょう。
しかし、私にとっては何か少し引っかかることがあります。
これってHarvard College in Asia Programですよね?
ご存知のとおり、ハーバードカンファレンスはアジア六カ国のメンバーが集まって開催されました。日本、韓国、香港、シンガポール、インド、トルコ。一口にアジアといっても、日本の属する東アジアから、トルコが属する中近東まで、アジア大陸を北西から南東に横切ったときにはなんと長さ8500㌔にもなるのだそうです。(マイペディア百科事典)
人口の面から考えてもその膨大さがわかります。アジアには35億人以上、世界の2分の1を超える割合の人が住んでいるからです。
育てている作物は・・・というと、太平洋やインド洋に面する地域は季節風の影響で稲作、内陸アジアでは遊牧、また畑作を主に行っている地域もあります。つまりこれもまたひとつにまとめることはできないということですね。
私はアジアとは何なのか、まったくわからなくなってしまいました。
そもそも「アジア」なんてものは誰かがそう名づけただけで、実際には存在しないものなのかもしれません。
しかし、Asiaとなのついたプログラムに参加する限りは、アジアって何だろう、アジアの共通項は何だろう???と問い続けることも必要でしょう。
何かアジアの中に共通項のようなものが見つかれば、自分は国に属する一人の人間というだけではなく、「アジアに属する人間」という考えが芽生えてくるのかもしれませんね。
取り留めのない話になってしまいましたが、このあたりで筆を置かせていただきます。
それではまた!
HCAP東京大学運営委員会
田部淳ウイリアム