2016年1月30日 佐賀大学 江口教授のご講演 | 全国B型肝炎訴訟九州弁護団ブログ

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2016年1月30日、B型肝炎原告団・弁護団の会議に際し、佐賀大学医学部付属病院肝疾患センターのセンター長である江口有一郎先生から、佐賀県の肝炎対策についてご講演をいただきました。

佐賀県では長年肝がんの粗死亡率が全国で最も高く、これを改善するために2011年に肝疾患センターが設立されました。
ウイルス性肝炎の患者さんが適切な治療を受けるためには、
①肝炎ウイルスの検査を受ける(受検)
②結果が陽性だった場合、病院でより詳しい検査を受ける(受診)
③継続的な治療を受ける(受療)
が必要です。しかし、検査にたどり着かなかったり、①~③のどこかの段階で先に進まなかったりする方が多いという問題がありました。そこで、適切な検査・治療につながることができるように、佐賀県の医療・行政・マスコミ・商工団体など、さまざまな分野が連携して、効果的な呼びかけの方法を模索しました。
例えば、お祭りの会場でウイルス性肝炎の検査を呼びかけたり、検診バスを出したりといった工夫を行ったそうです。
その結果、肝がんの粗死亡率が年々低下するという効果が表れました。
県をあげての取り組みを詳細にご紹介いただき、終了後も熱心な質疑応答が行われました。

自分がウイルス性肝炎患者だと知らない患者さん、知っていてもどうしていいか分からないという患者さんは、佐賀県に限らず九州各地に大勢いらっしゃいます。そのような方々が一日も早く適切な検査や治療を受け、安心して生活していくことができるよう、他県の行政にも同様の取り組みを促していきたいと考えています。

(福岡弁護団 弁護士 清田美喜)