和解の概要は次のとおりです。
その結果、大分地方裁判所における提訴者数は55名(被害者41名),和解者数は11名(被害者8名)となりました。
1 原告・被害者数
原告3名 被害者3名
2 原告・被害者居住地
大分県 (原告)3名(被害者)3名
3 原告・被害者の性別
男性 (原告) 3名(被害者)3名
4 原告・被害者の年代
30代 (原告)1名(被害者)1名
40代 (原告)1名(被害者)1名
50代 (原告)1名(被害者)1名
5 被害者の病態の内訳
慢性肝炎 2名
肝がん 1名
6 和解原告コメント
(1)40代男性(肝がん,別府市)
今回,和解が成立すると伺い,私の感染は集団予防接種が原因だったのだと,改めて思いました。
私は,30代半ばに会社で受けた健康診断で,B型肝炎に感染していることを 知りました。すでに,慢性肝炎になっていることを聞き,医師からは,病気とうまく付き合って行くしかないと言われました。 点滴と薬で治療していましたが,肝機能の数値は安定せず,医師から核酸アナログ製剤を勧められました。一度始めると,途中で止められないし,薬代が高額だということで,家族に相談した上で,始めることにしました。
核酸アナログ製剤を使うようになってから,肝機能の数値は安定していましたが,40代前半で,ガンが見つかり,手術することになりました。私の場合,切除手術ができたので良かったのですが,入院中,周りの人の話を聞くと,手術もできずに抗がん剤の治療で,これから先,どうなるのか見通しが立たない人も多くいました。
多くの患者が,経済的・精神的不安を持ちながら,生活しているのが現状です。これらの不安を少しでも小さくして,未来に希望が持てるように,国には素早い対応を願います。
最後に,これまでお世話になった弁護士や,協力して頂いた皆様にお礼申しげます。ありがとうございました。
(2)30代男性(慢性肝炎,大分市内)
今回B型肝炎の和解成立に至ったということで,まずはほっとしています。私は23歳の時,血液検査でB型慢性肝炎と診断されました。そのまま入院となりその中で自分の病気の事を学び理解していくうちに感染経路が集団予防接種としか考えられない点や,肝硬変や肝がんへと移行していくのではないかという不安,今後制限なく日常生活を送れるのかといった悩みが多々ありました。勿論これからも一生考えていかなければならない事ですが,感染してしまい人生が変わったのは事実です。自分の様な方々が全国にはまだ多くいるので早期の対応・和解を祈るばかりです。
また,今後我々が国に強く望むことは,恒久対策・医療費の無料化,福祉年金の相談等です。よろしくお願いします。
今回,和解にたどり着くことができたのは,弁護団の先生や,協力してくれた家族のおかげだと心から感謝しています。
ありがとうございました。
(3)50代男性(大分市,慢性肝炎)
カルテ集めや母の名前の問題など,大変なこともありましたが,想像していたよりも早くここまで来れました。意見陳述もさせていただきましたが,緊張から思いをうまく伝えられなかったのが少し残念です。弁護団や原告団には感謝しています。色々ありがとうございました。
(大分弁護団:弁護士 渡辺 耕太)