たかが10分の本番演奏の為に富山のオーバードホールへと向かう事になる

必要なのは大まかに『楽器』と『衣装』であり、
『楽器』に関しては木曜の晩の練習で使ったきりだったから
朝からケースから出して綺麗にしておいた。
『衣装』に関してはは少し悩む。
というのは今日は気温が高く3月のような恰好は出来ない。
たかが10分の為になぁ…されど10分…という事で体裁は整えないといけない。
昨日アイロンを掛けたウイングカラーシャツはスルーして
何かないかと押入れを探したら白の麻混(リネン地)の半袖シャツが出てきた。
コレは涼しくて良いなぁ…
それと会社へ履いていくローテーションになっている●ニクロの
夏ズボン(黒)を履いていく。これもだいぶ涼しいだろう。
本番ではジャケットを着ないといけないので旧い方のスーツ(P)のジャケットを
羽織らずに手持ちで行く。

昼から徒歩で高岡駅へ…それから電車で富山へと向かう。
富山に着いて駅舎の北口を出たら目の前の建物がホール…
運賃は掛かるもののやはり電車の方がアクセスが良いし
駐車場を探す手間もない。
信号を渡って楽屋口から入場…そして控室(楽屋)へと入った。
ステージ上の演奏がモニターされ懐かしいマーチが聞こえた。
『懐かしいなO西!』と目の前にいたO西に声を掛けた。
我々が大学1年の時の1993年の課題曲…もう31年も前になるか…

その団体の演奏を終えて青いポロシャツを着たメンバーが何人か
楽屋に入ってきた。掛け持ちご苦労様な…
私も唇のアップをしたいところだが、少しだけ弱奏でロングトーンするに留まる。
そして舞台裏の音出し室で音を出しただけで本番という流れになった。

吹奏楽祭はほぼアップなしでの本番になるのは理解している。
かと言って念入りにアップしたところであまりいい結果にならない事もあるし
どうやって本番に持って行くかは毎回悩むところだ。
ただ、今回は『特に気を付けるべき事項』を用意してきた。
それは木曜の練習の動画を見て感じた事で、
元々演奏中の姿勢に関して注意しようという意識は最近あったのだが、
長い休みの所でいかにも『サボッている』という姿勢になるのが
自分としてはいただけないと思ったので、
せめて今回の演奏中は長く休んでいる場面でも姿勢を保ち続ける事にした。
その為に、座る時のケツのポジションだったり、譜面台の高さだったり
しっかり調整してから席に着く。

正しい姿勢は七難隠す…ではなく
正しい姿勢をするだけで正しい演奏が出来る

そんな基本がずっと出来てなくて『あ~でもない、こ~でもない』と
随分と悩んでいたものだ。実はこれはユーフォでの最近の実体験が元に
なっているけれどそれはまた別に書こう。

入場時にチラッと客席を見たらまあまあ客が入っていた。
多分出演者の学生さんだろうか学校のユニフォームを着ている人が
8割方…まあ吹奏楽祭だし楽しく聴いて欲しい。
その吹奏楽祭に敢えて出演する吹奏楽団じゃない我々のバンド…
しかしコレを機会に『そういうバンド(編成)があるんだ』と
興味を持って貰えたら嬉しい。それは賛助で載って貰っている
大学生諸君にも言える事か…
それはそうと私は今日初対面だったがコルネットの2番で
オカザキさんの息子さんが載ってくれていた。大学生になったのなら
是非ともTSBへの参加も呼び掛けたいものだ。貴重な地元民だし…

 



そして演奏スタート…最初から元気良い音楽がホールを満たす。
こういう曲を吹く時にアタックばかり強くして息が止まっていてはいけない。
常に楽器に息が流れ込んでいるのを意識して吹いた。
そこで姿勢正しく吹いているのが効いてくる。今日の私は音の伸びが良いぞ!

ただ調子乗って楽譜から目を離したら本来吹く場所1小節すっぽかしてしまう(汗)
2ndとの掛け合いなので申し訳ないが目立たない部分なので別に良いか…
気にせずその後の演奏を作っていく。

曲はポール・ラヴァット・クーパーの『Vitae Aeternum』速・遅・速の3部で
構成され、讃美歌のフレーズがモチーフになっているとか…その遅い部分で

『自分はこのフレーズにどんな気持ちを乗せるのか?』

と考える時間があった。例えるなら雪の積もるのどかな村の家で
家族と平和な時間を過ごす…というのが正解だと思うけれど、
もっと個人的に…今日は次男の誕生日という事で、
次男が生まれた日の事を考えた。
そしてBari-Euphの4本でハモるメロディーに差し掛かる。
アップが少ない分バテる事なく歌えたのは良かった。
自分の感情も上手く乗せる事が出来たと思う。

そして後半の部分に突入…実はこの曲はBari奏者的には休みも多く
それでいて吹いているところは皆も強く吹いているのであまり目立たない曲…
やはり来年はこの前届いたアレが良いなぁと思ってしまった。
まあそれはそれで目の前の演奏に集中…
良い感じで盛り上がって終曲を迎える事が出来た。
出し惜しみナシ!良い演奏だった。
また次もこのような演奏を目指したい!

楽屋に帰ってきて楽器を片付けたら廊下でばったり会った『同い年』の方々と
談笑してから帰途に就いた。
毎年打ち上げで飲みに行ってたけれど今年は次男の誕生日を優先する。
ついでに『父の日』も祝って欲しい所ではあるけれど
そういう事は我が家では催されないらしい(涙)