オバマ大統領就任式

明日はオバマ大統領の就任式です。支持率が79%と就任時点においてはカーター大統領(第39代 1977~81)に告ぐ人気の高さです。カーター大統領は就任式で車から降りてペンシルバニア通りを歩いて支持者と握手をしながらホワイトハウスに向ったので有名です。でも就任時の人気が高かったにも関わらず、経済では石油ショックとインフレ景気後退、外交ではイランの米国大使館の捕虜解放作戦の失敗など失策が多く、大統領としての評価が高くないのでオバマ大統領にはその跡を追って欲しくはないと思います。


大統領のリーダーシップとキャラクター

アメリカではリーダーを選ぶときに、その人の人間としての資質(キャラクター)の部分をフォーカスします。政治と言うのは政策以上にリーダーシップが重要で、リーダーが国を統一できなければ(誰もリーダーについてこなかったら)、国も弱くなります。そして民主主義では、人を惹きつける魅力がある人間でないと、リーダーとして国、組織をまとめることができないのです。だからリーダーシップがある人間を育てることは民主主義の使命であり、優秀なリーダーがいる国は繁栄し、成長します。ジミーカーター元大統領には、昔ジョージタウン大学留学中にキャンパスで講演があったので話を聞いたことがあります。彼は大統領職を終えた後もアフリカなどで、民主主義の普及や人権運動などに精力的に尽くし、2002年にはノーベル平和賞を取っています。直接話しを聞くと、彼の人柄や人間性の魅力はあります。でも大統領としては、決定力やカリスマ性に欠けていたようです。スピーチもあまりうまいとは思いませんでした。オバマはスピーチも上手だし、ジョンFケネディーのように新たな息をワシントンDCに吹き込むのではないでしょうか?こんな景気の状態なので、彼には期待せざるを得ません。



アメリカの歴代トップ10大統領

歴史学者達が、その時の政治的情勢と、それに対する大統領の判断力、実行力、統率力などから歴代のトップ10の大統領を選んだ調査があります。日本に行く際にWall Street Journal 出版でJames Taranto, Leonard Leo 著のPresidential Leadership という本をよんだのですが、そこに書いてありました。大統領の人間性などをよく分析した面白い本でした。しかも歴史学者の投票なので、それなりに意味があるかもしれません。そのベスト10の大統領を発表します。(ちなみに、ジミーカーターはWORST10に入ってました。最下位はJames Buchanan (第15代大統領1857~1861)歴代唯一の独身大統領で、奴隷制について中途半端な立場であった上、経済政策でも大きく失敗したといわれています。でも恐らく、ジョージWブッシュが歴代最悪の大統領に取ってかわるのではないかと思います。ちなみにブキャナンの後はアブラハム・リンカーンなので、最悪の大統領の後は最高の大統領が出ることがあるので、オバマには大いに期待できますね。



アメリカのビジネス界で異彩を放つ現役コンサルタントが送る躍動感あふれるビジネス-James Polk
第10位:ジェームズ・ポーク(第10代
 民主党、1845~49 テネシー州、バプティスト) 

僅差で大統領に選ばれたにも関わらず、大統領の独立性を確立し、自分の信念を突き通したと言われる。具体的には分裂した民主党をまとめ、中央に強い独立した財務省を作り権威を持たせ、経済政策を集中管理しました。何よりも領土を大きく拡大したことで有名。独立してメキシコと対立していたテキサスをアメリカに加え、当時の軍隊ではメキシコはアメリカの4.5倍の軍事力があったにも関わらず、効果的にプレッシャーを与え、戦争をしかけ、ニューメキシコなどを領土にした。



アメリカのビジネス界で異彩を放つ現役コンサルタントが送る躍動感あふれるビジネス-Dwight Eisenhower
第9位:ドワイト・アイゼンハウアー(第34代 共和党 
1953~61 テキサス州 プレスビテリアン)

第二次大戦の英雄でIKE(アイク)というニックネームで有名。彼が大統領として優れていた点は、冷静で、周りを安心させ、経済、外交にも通じ、「お爺さん」的な存在だったといわれている。具体的にはアメリカ全土の高速道路網の拡充、外交では効果的にスエズ危機などでアメリカのリーダーシップを発揮したと言われる。



アメリカのビジネス界で異彩を放つ現役コンサルタントが送る躍動感あふれるビジネス-Ronald Reagan
第8位:ロナルド・レーガン(第40代 共和党 
1981~89 カリフォルニア、プレスビテリアン)

元俳優の大統領で「頭が悪い」というイメージを持たれていて、ソビエトを「Evil Empire(悪の帝国)」と呼んだり、かなり反響も大きかった。暗殺をされかかったり、就任時も人気は高くはなかった。ただ彼は一貫してソビエトにプレッシャーをかけ(SDIなどによる軍事の優越性を示す)、ソビエトが事実上崩壊して冷戦が終結することになった。経済では、サプライサイドの経済を導入し、減税と公共プロジェクトに対する支出を同時にするというとんでもない政策をして財政赤字が膨大になったが、経済がターンアラウンドし、80年代の反映が訪れることになる。ちょうどジョージタウン大学留学中にレーガンが大統領がジョージタウン大学で学位をもらう式典に出てスピーチを聞きました。(たまたまそこでNHKにインタビューされ、NHKワシントン支局でインターンのアルバイトをすることになったのですが)レーガン大統領にはカリフォルニアに来てからもしばらく同じ教会に行っていたので、そこで見たこともあります。彼が亡くなった時はブログを書いたので読んで下さい。リーダーは優秀なスタッフに囲まれしっかりとした方針を立てると同時に、自信を持って実行できるような器ではなければならないということをレーガン大統領のから学習することができます。



アメリカのビジネス界で異彩を放つ現役コンサルタントが送る躍動感あふれるビジネス-Harry Truman
第7位:ハリー・トルーマン(第33代 民主党 
1945~53 ミズーリ、バプティスト)

原爆を広島、長崎に落とした大統領なので、日本人は好きにはなれませんが、アメリカでの評価は高いです。第二次大戦後の物不足や失業など国内の問題を抱えつつも、戦争で荒れてしまったヨーロッパの復興(マーシャルプラン)や、進出するソビエト共産党を抑えるためのTruman Doctrineなど徹底した方針を打ち出し、混乱した戦後の世界秩序の回復と、アメリカのリーダーとしての存在を確立した大統領だといわれています。選挙などでも戦略家で、農村部の票を効果的に集まるなどして大統領に選ばれています。



アメリカのビジネス界で異彩を放つ現役コンサルタントが送る躍動感あふれるビジネス-Andrew Jackson
第6位:アンドリュー・ジャクソン(第7代 民主党 
1829~1837 テネシー プレスビテリアン)

ご存知アメリカで最も結う通している大きな紙幣$20札に載っている大統領です。1812年戦争の英雄で、アメリカの民主主義を極めた人だといわれている。例えば、官僚制による政治の停滞と腐敗を防ぐためにロテーションシステムの導入を進めたり、大統領を含め人気を短くするなどの徹底した変革を進めた。経済面では財政赤字を最低の水準に減らすことにも成功した。


さて、ここまで書いたら疲れたので続きは次回に