東京から、ハワイ、LAを経てNYに来ました。NYではGeorgetown時代の友人に会って、色々と語りました。彼はここでトランプ大統領と写真に写っていますが、共和党の政治家でもあり、NYの不動産投資の会社を経営していてビジネススクールでも教えているかなり実績がある人です。彼も私と同じで不動産を中心としたバブル崩壊はアメリカでも来るのではないかということです。彼は短期的なインフレに便乗した家賃の高騰、供給過剰と、低金利の元での急速な都市開発への懸念からそのようにいっているのですが、私はもう少し根本的な問題を感じています。

 

都市集中型のライフスタイル、経済モデルはこれからの将来も成り立つでしょうか?人間が作ったものはいつか壊れ、必要がなくなります。ビルを作るのは大変ですが、破壊すること、維持することは同様にコストがかかる大変なものです。以前新築の状態でもそこまで需要がないのではないかということを書きましたが、古くなったらより価値が低下します。高層ビルは50〜100年持つそうですが、50〜100年後も今と同じように都市集中の需要が世の中にあるのでしょうか?さらに、住居や事務所スペースにそこまでお金を払う経済が存在しているのでしょうか?更には都市生活を支える水道、下水、電気、道路、橋、電車などは維持をするのは大変で、維持できなければ都市の機能は麻痺します。日本でもアメリカでも、道路の陥没やビルの下深くに眠ってしまった、水道、下水、など様々な過去の遺産は老朽化し、修繕するのには今まで想定していなかったほどのコストがかかるということが想定できます。そしてそれらを維持するには都市生活に対する継続的な需要があるという前提が必要になります。私はそのこと自体に疑問を感じています。

 

ビルや都市集中型の生活モデルには以下の問題があります。

1)                    テロ、戦争などの標的になる問題:第二次世界大戦中、人々は都市を離れ田舎に逃れました。それは都市が攻撃の対象になるからです。ウクライナの戦争でもドローンやミサイルが次々と飛来してビルを直撃しているのを見ます。更に現代戦争におけるデフォルトは相手のインフラ攻撃です、高層ビルは電気、水道、ガスなどのインフラが破壊されてしまえば非常に不便です。

 

2)                    需要減退と管理費を支える経済の破綻:現代のビル開発は、それを支える継続的な経済成長と需要があることを前提としています。日本は人口が不足しています。更に、海外から日本に移り住むといった新たな需要はどこまで続くかは分かりません。不動産は高価である分、経済活動に組み込まれており、価値高騰がなくなれば投資家は一気に手放そうとします。更に、マンションなどは管理組合が維持費の積立をしており、それは全員が維持費を払うという約束に成り立っていますが、投資家にとってはその維持費は価値の下がった物件を維持するだけに払い続ける無駄なコストにしかならないのです。オウナーが海外にいる場合は法的に何かすることもできないのです。維持ができない状況は放置となり、加速度的に廃墟となります。地方で民家が放置され廃墟となるような現象が都市部で起きないという確証はありません。

 

3)                    犯罪の増加と都市の治安悪化:犯罪は取り締まる治安維持の人数が悪いことをする悪人の数を上回らない限り管理することはできません。アメリカで大量の人間が全員で万引きをする犯罪が横行していますが、仮にAIの進化が業務の効率化を生み出して、失業者を増大させた場合、都市部は犯罪者が隠れ、住む格好のシェルターを作ります。都市経済の生産性が低くなる中、犯罪者を取り締まるのは膨大なコストがかかるので、アメリカの大都市のスラムのような場所があちこちにできる可能性があります。

 

4)                    自然災害とパニックによる二次災害のリスク:世界の各地には歴史的な大地震や大洪水などの記録があります。東京にも大地震、津波、富士山の爆発といった自然災害があるといった人がいます。そのようなことが起きた時に人々はパニックになったりしないでしょうか?災害の特徴も被災者の数<救援者の数といった図式が成り立たないほど被災者が増えた場合、生き残りを賭けたパニックが起きると言われています。私の親は東京大空襲を経験していますが、皆パニック状態だったと言います。つまり自分が助かることの方が他人を助けることより優先するのです。都市生活はそういった二次災害の危険もあるのです。

 

5)                    産業構造の変化、ライフスタイルの変化:都市集中型経済は産業革命に始まり、製造業からサービス業といった変遷を経て巨大化していきました。ただテクノロジーの成長はテクノロジーを媒体として人が集中する構造を可能にしているので、実際に近くにいる必要性も無くなっていくのです。特にAIにより、仕事の中心がプロセスから意思決定に移行してくることになるので、決定能力を高める学習環境がより重要になっていくのです。雑音が多い都市ではなく、静かに平穏な場所の方が主要な決定をするのには良い環境ではないでしょうか?更に人々は巨大企業による巨大なサプライチェーンの脆弱性を知ることとなり、むしろ小さい規模で自分のコントロールできる範囲でのサプライチェーンを食材やエネルギー、自然環境に求めるようになると思います。そのような時代になると都市部よりむしろ田舎に同じような思想や、考えを持った人達が自分たちのコミュニティーを形成していくほうに価値を感じるようになるでしょう。

 

インフラはそれを支えるのに、継続的な拡大、成長という過去のシナリオがありました。但し、人口上昇が止まり継続的に成長する需要はいつまでもそこにないのです。そんな中、維持費の負担だけを私たちの子供達の世代に残していくのでしょうか?橋やトンネル、鉄道、高速道路、日本各地にできたインフラは全て維持修繕、立て直しが必要になります。それができなければただの廃墟が残されるだけです。

 

会社の経営同様にリーダーシップは長期的なVISIONを国民にしめす必要があります。ビジョンがない中では無駄なものと借金だけが残っていくのです。今の日本には明るい将来を描く事ができる政治家やリーダーがいません。過去日本がやっておくべきことだったのは、首都移転などによるインフラ構造や政府投資が具体的な需要を生むようなプロジェクトの実施、少子化対策と移民の同化による人口バランスの均衡といったような政府のみができるアクションです。更には多くの不動産開発業が一斉にビルを建てるような状況を避け、新な生活環境、都市のあり方を示すようなリーダーシップが必要であったのではないかと思います。意味もなく乱立する新築高層ビル、生産性が伸びていない中での労働規制、利益率が上がらない中で無理やり民間の給与を上げようとする政治家の意味不明の議論。これらを聞いていると日本の将来に関してますます悲観的になってしまいます。

DEIに対する反発と民族主義の再来

多様化、多民族主義を売りにするアメリカに30年以上住んでいますが、民族の融合は困難であり、人種差別の根はかなり深いということを実感します。過去、民主党やアカデミアなどを中心に推し進められていたDEI(Diversity:多様性、Equality:平等性、Inclusion:包括性)制度が撤廃されつつあります。これに関しては過去数年続いてきたAffirmative Action(黒人など過去差別を受けていた人の職業などにおけるチャンスを優先的に補助する制度)への見直しなどからくるPush Back(反抗)の動きがあり、逆に人種差別を助長するような流れを生んでいます。このような流れは欧州でも反移民政党の台頭などからも民族主義的な流れがあり、おそらく外国人が増える中、日本でも民族主義的な動きが出てくる可能性もあります。トランプ政権は公にDEIの撤廃、更にはワシントンDCの飛行機事故やカリフォルニアの火事までDEIのせいにするといったこじつけが横行しています。トランプは前回の大統領時代に白人至上主義のグループがシャーロッツビルにてリベラル派と衝突をした際に、白人至上主義派をむしろサポートするようなことを言って物議を醸し出しました。歴史的に奴隷制度や黒人差別が横行していた南部が共和党の支持母体となっていることからもトランプ政権の中、DEIは逆戻りさせられるでしょう。

 

第三次世界大戦と世の終わりについて

第二次世界大戦の特徴としてその背後には民族主義や人種差別をいったものがありました。結果的によりDEI的な国家が勝利し、ファシスト・イタリア、ナチス・ドイツ、日本は駆逐されます。その後世界的にDEI的なMovementが広がり、アメリカでは公民権、そして南アフリカのSegregation制度の撤廃など、2000年に入るまで世界はDEIの方向に動いていたと思います。その土台のもとに進んだグローバル化と経済の進化がありましたが、今、あたかもサタンの誘惑のようにその潮流が変わりつつあります。聖書のマルコ伝13章にはキリストが世界終焉の徴について述べていますが、「国と国の対立と戦争」が起き、それに続いて、自然災害などが起き、「生みの苦しみ」がくると書かれています。そして8節には「民族と民族の対立」が国と国の対立の前兆として描かれています。そしてその民族と民族の対立は根が深く、文化や思想、宗教といった要素もあり、私は将来的にこれらがアメリカの崩壊を生むと考えており、そのような世界を小説に書いています。

 

中国人、韓国人と日本人は同じにされる

日本に住んでいると韓国人、中国人を外国人としていますが、アメリカに住んでいると中国人、韓国人、東南アジア民族は基本”Asian” (アジア人)として同じ民族として扱われます。コロナ禍の中、何度か差別を受けましたが、「中国にかえれ!」とか目を上に吊り上げてF You Chinoとか言われるのに慣れてくると、自分が日本人だと反論することに対する無駄を感じます。ハワイは日系人の歴史や日本人の多さから日本人にとってはいやすい場所ではありましたが、アメリカ本土は別です。中学生時代に黒人とヒスパニックの中、唯一のアジア人であった息子は小学校、中学校と苦労しましたが、高校に行くとアジア人が増え中国系、韓国系の仲間ができ喜んでいます。そういう環境だと中国人も日本人も共通性を見始めるので人種グループとしての共通認識が生まれてきます。歴史的にも我々日本人のルーツは中国に深く関係しており、なんといっても見かけが同じです。人種というのは「見かけ」が大きく影響しており、見かけからくるステレオタイプ(偏見的な発想)を人々のマインドから無くすのは困難です。旧約聖書には世界崩壊の大洪水を生き残ったセム(中近東人種)、ハム(黒人、アフリカ系)、ヤベツ(アジア・ヨーロッパその他)から民族ができていくとなっていますが、民族の外面的特徴を構成するには何万年もの歴史があり、簡単に変えれるものではありません。私の甥と姪は白人とのハーフなので都合よく人種の乗り換えができるので得していると思いますが、見かけは人種とそれに属する民族主義的な価値観に大きな影響があります。

 

中国が台湾や日本を手中に収める最も効果的な方法

そんな中、世界的に数で圧倒的なのは中国であり、華僑の歴史からも中国人は世界中に存在します。この日本にも中国人は莫大な数おり、同化している人も少なくありません。韓国人も同様です。以前はファッションや振る舞いで区別することができましたが、近年日本でベトナム人、中国人、韓国人などは完全に同化しており、言葉の違いがなければ差を感じません。中国は少数民族もいますが、人口が14億人もいます。今回ロシアはソビエト時代にロシア人を大量に送り込んだドンバス地域を同じ民族を保護するという目的でウクライナ侵攻を図り、それを実現しつつあります。仮に休戦状態になり、ロシアが継続的にそれらの地域を支配するとなると、民族主義的地域拡大が戦略として成り立つことになります。そんな中、日本は少子化対策に失敗し、労働力不足を補うには移民を入れる以外方法は無くなります。若者の失業率が高い中国にとって、外国に労働者を送り込み、彼らをその国に同化させると同時に、中国共産主義の基盤を作ることに成功すれば武力を使うことなく、中国共産党の勢力拡大をすることができます。つまり、共産主義対民主主義というイデオロギー的な対立から民族的な対立に持っていけば勢力拡大をするということも可能ではないかということです。私が趣味で書いているSF小説では日本が半分になり、親中勢力とその他で戦っているという世界ですが、そのような状況が起きうる可能性はあリえるのです。日本は民族主義的なカルチャーがあり、「日本文化」や「おもてなし」「気配り」といった価値観を主張していますが、その一方で以前から言われている少子化問題に対する解決はされていません。過去30年政権政党が少子化問題に対してアクションを取れなかったことが日本の成長を阻害する最も大きな失敗であったと言えます。そして人口のアンバランスは更に広がりつつあります。若者の失業率が高い中国と労働力不足の日本の組み合わせは計画しなくても自然に実現していくでしょう。中国は若者に対する愛国心の植え付けと、外国語の訓練、海外の中国人に対する支援とネットワーク化に力を入れればそのような民族主義的な勢力拡大を実現する戦略を効果的に実施できるでしょう。但し、私が海外で会う中国人の殆どは共産党主義を本音では嫌っています。国民の支持を得ない政治体制は崩壊する運命を辿るので、中国にしてもロシアにしてもそれが最も大きな脅威となるでしょう。

ドナルド・トランプのゼレンスキーとのやりとりを見た日本人はどのように感じているでしょうか?以前ブログで話しましたが、昔からいじめっ子のトランプはまさにいじめのプロとしてアメリカ大国のリーダーになり、それが公の場で明らかにされました。同調している副大統領のバンスはまさにいじめっ子の仲間のようなことを言っていました。あの記者会見の自体セットアップされていたのは良くわかります。スーツを着てこいとか、記者の質問やゼレンスキーがマウントを取らないように工夫されていました。戦時下の大統領として高い評価を受けていたゼレンスキーをいじめっ子のトランプがいじめの対象としていたかのようなセットアップでした。


昔から「いじめっ子」は武力や多数のフォロワーといったパワーで相手を思い通りにする手段を取ります。RESPECTという名の上下関係を押し付けることがその特徴であり、そのような議論を世界のメディアの目の前でやっている低俗さにはアメリカ住民として恥ずかしさを感じました。ただし、今回の事件はゼレンスキーにとっては逆に有利になる可能性もあります。逆にここでの議論、いじめっ子への反抗が「カード」になり、今後優位に交渉に活用できる可能性もあります。以前ハリスがトランプにDebateで勝つ方法を書いた際にも述べましたが、「いじめっ子」には決して屈してはならないのです。

いじめられた事実を「カード」にする
アメリカのビジネスの席ではあのような激しい論争、更には力によるプレッシャーを用いることはよくあります。一つ明確なのは、トランプは力で自分の考えを押し通し、彼の考え方の中にはアメリカにとってウクライナを支援し続けることにはあまりメリットを感じていないということです。更にはこのような席にまでバイデンやオバマの名前を出し、アメリカの中の分断を世界の外交レベルにまで持ち上げてしまっています。ゼレンスキーの姿は私がデロイト時代にNYのNational部門から私が立ち上げたコンサル部門を潰しにきたパートナーとのやり取りを思い出しました。トランプは抑圧的に「ウクライナにはカードがない」ということを主張していましたが、このカードというのが交渉の前段階におけるLeverage(てこ)とりうる力関係になります。トランプは力による外交が好きであり、独裁者のような力で国を牛耳っている相手にはそれなりの尊重を持っています。ゼレンスキーは「カードでプレイしているわけではない」と反論してこれをかわそうとしていました。FOXのようなアメリカのメディアを含め、このいじめによる「ゼレンスキー批判」を盛り上げるのはまさに、十字架につけられるキリストの受難の時のイジメっこたるユダヤ人司祭達と群衆の状況と似ています。ゼレンスキーは言うべきことは言ったし、まともな人であれば彼の正論は理解できるので、この珍しい論争の事実自体はゼレンスキーの立場的には不利にはならないと思います。

トランプ外交におけるカード
ゼレンスキーが出直すには、二つの「カード」が必要になります。私がコンサル部門を生き残らせることができたのも、この二つの「カード」があったからでした。まずは、土俵を変えること。トランプは自分でDEALを仕掛け、バイラテラル(二国間での交渉)を得意としています。なので、欧州からのサポーターを集めた上で交渉に再度臨むべきでしょう。自分に限られたカードしかなかったとしても、EUの力が仲介的に入ればその力をカードとして利用できます。ミネラルの権利をEUに対して与えることを示唆することもありかもしれません。次に、カードとしてあるのが、トランプは弱く映るのでロシアのプーチンの力や、中国、ロシアの脅威に屈しているのではないかといったようなカードを交渉に持ってくることです。この二番目のコメントに対して相手は怒るでしょうが、私の経験の場合は最終的に相手がそれで動き、Nationalパートナーが私のコンサル部門の支援を勝ち取ることができたので、表向きは相手の力に屈したとしても、最終的には自分の得たい結果を導くことができます。力に対してはある程度計算されたPush Back(やり返し)が効果あります。イジメっことやりあうには相手のセットアップに乗ってはいけません。以前書いた通り、こちらから仕掛けなければならないのです。

トランプ外交による新帝国主義への突入
大国はリソースが豊かであり、それが「カード」になります。なのでトランプ式に言えば、リソース豊かな国がより多くの「カード」をもち、モノポリーゲームのようにそれらのカードを使ってDEALをしていくことが外交のゴールにあります。つまり、カードが大きい国がより多くのカードを得るために小さな国々を取り込んでいき、それは19世紀の帝国主義と同じ世界を生むのです。NATOのように小さな国はまとまることで力を出していかないと力を持つことはできません。アメリカはあまりNATOにも興味を持っていないので、EUの国々はアメリカ抜きでウクライナ支援を考えるようになると思います。そしていじめっ子のトランプ(アメリカ)はその被害にあう国々が結束する可能性もあるので、メキシコ、カナダなどもEUと一体になる可能性もあります。これらは最終的に国際社会におけるアメリカの地位の低下を招くことになります。

日本の脆弱性
トランプのAMERICA FIRSTの立場は東アジアにおけるアメリカの関与にも不安を感じさせられます。第二次大戦敗北以来、日本の政治がアメリカの政治に組み込まれているのは自民党の成立の背景からもわかります。日本にとって唯一の同盟国はアメリカであり、日本の「カードのなさ」をトランプは知っています。アメリカは日本に対して以下の「いじめ外交」(トランプ砲)を投げてくるでしょう。そしてそれが日米関係の大きな見直しになりうる可能性もあります。と言うのも、アメリカが投げかけてくるであろう以下の課題は、トランプがいなくなった後にも影響を与えうる課題となるからです。


1)    東アジアにおけるより多くの軍事負担:ロシアは北朝鮮の部隊を用いてクルスク奪還を図っています。ベトナム戦争やアフガニスタンでもあったようにアメリカ国内世論 アメリカは戦争で人を失うことを最も恐れているので、長期的な紛争に加入することは非常に困難です。America Firstの考えは19世紀のモンロー主義と似ています。仮に中国が台湾を攻めた場合にはアメリカ軍は空軍やミサイルなどの支援をすると思いますが、その応酬として中国軍による沖縄への基地攻撃となり、本土攻撃を理由に日本の自衛隊が紛争に全面的に送られるのです。トランプ政権はそれらを想定して、日本の軍備強化を主張してくるでしょう。武器輸出はアメリカ貿易にとっては大きなプラスだし、ウクライナのような無償援助を避けることができます。平和国家であると信じる日本人にとってこのような状況で日本がまた戦争に巻き込まれることは何としても防ぐ必要があるでしょう。

2)    関税と自動車産業への影響、そして貿易赤字の問題:日本にとって財政赤字は当たり前の世界になっています。国の生産性が下がる一方で高齢化を支える社会保障費は増大し、更には防衛費のより大きな負担が要求されます。増税や社会保障削減を唱えれば政治家は選挙で落とされます。この状況は貿易収支の黒字がある限りは借金を回転させる生き残り作戦である程度持ち堪えることができます。そしてその貿易収支を支えるのが日本の自動車輸出です。自動車産業は日本の基幹産業ですが、それがトランプの関税のターゲットになっています。同時に自動車産業内でも電気自動車の普及などで、産業のシフトも起きてきています。貿易収支が赤字になり、アメリカの関税と移民政策に後押しされた継続的なインフレとそれに伴う高金利は、日銀にプレッシャーを与え金利を上げざるを得なくなります。すると国庫における金利負担が増大します。円はさらにスライドし、日本国内のインフレは加速しますが、所得を増やすための民間企業の経営状況は良くなる方向性が見えません。これも大きな不安要因です。

上記のこういった状況はおそらく日本の政府も把握しているはずです。仮に日本が何らかの金融危機が起き、政治的に不安定になればアメリカの「いじめ」も回避できる可能性はあります。つまり、金融危機自体が日本のパラダイムシフトを生み、生き残る術になるかもしれないのです。
日本の歴史を見ると国民が常に犠牲になり、戦争や金融危機の犠牲になっています。但し、日本がすごいことはそのような危機状態になっても協力し、乗り越える底力があります。上記のような状況になりうることを想定して危機を脱することも可能なので、今からそのようなアクションをとっておくことが賢い選択だと思います。

3月30日にまた浅草北部教会にてメッセージをします。お金とアメリカ型キリスト教教会の退廃の話をします。日本人の多くは神は信じませんがお金に対する信仰はアメリカ人同様だと思います。そのような状況を聖書はどのように語っているのか、ヤコブ2章1〜7、そしてルカの福音書の金持ちと貧乏人ラザロのたとえの解説をします。
 

1Br 538SQFT+Lanai space

 

遂にハワイを去ることにしました。良い思い出がある大好きなハワイではありましたが、今回家族がEaton Fireの被害に遭いそうになり、家族と一緒にいることの大切さを学びました。そして、家族、特に子供の教育にとってカリフォルニアにいることの重要性を認識しました。ただ、ハワイのコンドは私が手間暇かけ、気に入ったコンドなので、簡単に売ってしまいたくないとも思います。更に、ハワイからメインランドへの引越し送料は高いので、新しい仕事で日本を往復する途中で立ち寄って少しずつ持ち帰ろうかと考えています。

 

なので、誰か信頼できる人と出会えたら、ワイキキ(プリンスホテルの近く)のコンドを貸そうと思います。でも私の‘資産が残っているので、「ルームメイト」或いは「ゲスト」としての位置付けです(私は滅多におりませんが…)。Fully Furnished で全て揃っています。OCEAN VIEW で正⾯に花⽕が上がります(イリカイ Hotel の陰になってしまいますが)。Cable TV、WIFI、電気、⽔道、下水、ごみ処理、全て込みの料⾦です。プール、BBQ、ランドリーなどが共有スペースにあります。近所の⼈は皆親切で良い⽅々ばかりです。24時間 Security 常駐でアクセスキーがないとゲートもエレベーターも動かない安全なコンドです。⻑期で借りてくれる⼈が希望ですが、夏に売却するか、継続的にレンタルにするか決定しますので、借りてくれる⼈次第だと考えています。ワンベッドルームですが、6⼈分のベッド(ソファーベッド込み)で休暇中は家族4⼈で滞在していました。家賃というよりは、管理費用などのコストの負担という 価格にします。私の荷物が徐々に減り、私が完全にいなくなったら、契約を結びレントにするのが希望です。 私の利用日数と負担いただく希望費用は以下のとおりです。

 

Apartment.com によるとこの地区の 1Br のレントは$1,785~$5,507 で平均は$3,377 とありますし、私の部屋より状況が悪い下の階や、風向きと景色が悪いA棟でも最低月2500は取っているのでかなりお得なプランだと思います。Trade Windはこの地区では良い方のコンドです。

 

2⽉:$750 (5日間来ます) この⽉のみ Main Bed Room は荷物があるので使⽤不可(リビングのベッドをお使い下さい), 3⽉:$1000(2日間のみ立ちよります) 、4⽉(2日間のみ立ち寄ります):$1,250 、5⽉:$1,500(立ちより予定なし) 、6⽉:$1,750(1晩のみ)、7からは⽉$2,000 になります(8月以降継続してもらえるのであれば$2250)。なお、上記の⾦額は最低 6 ヶ⽉の契約を前提にしております。短期の場合(6ヶ⽉未満)には上記の⾦額に各$250 ⾜してください。尚、内装、照明、カヤックと S UP、家電、⾃転⾞などにお⾦をかけていますので、$2,500 の refundable deposit をお願いします。利⽤者は使って結構です。私の大切なコンドになるので、面接と信用できるかのある程度の調査を実施してからになるので、興味がある人は連絡をしてください。チェックインとチェックアウトは私が指定する管理⼈にやってもらいます。管理⼈がチェックインの際に案内をします。メンテナンスや⾮常時のコンタクトも現地管理⼈にやってもらいます。

 

部屋のアプライアンスのリスト等:これらは⾃由に使⽤可能です。

リビングルーム:Digital TV (38ʼ) Cable Box, TV Station with 5 drawers, 2 Light stands with iPhone magnetic charger, 2 Sofa/Day Bed with Trundle X 2 sets, Coffee Table, Dining Table X 4 Chairs, Closet (inside sheets etc) , Coffee Maker, Toaster Oven, Griddle all in one. Study desk with chair, small table for toaster.

キッチン:Fridge, Microwave, Air Fryer, Electric stove, Dish washer, wifi のルーターとモデムはパントリーの中にあります。

Bathroom: Washlet style bidet toilet sheet, rain dual shower head, hear dryer

Main Bed Room: Queen & Single bunk bed with mattresses, TV (33ʼ) with cable box, study desk, study light, extension and usb charger, tennis rackets (X4) and balls, night stand, moveable drawer unit, table top light, USB, electric combo code

Lanai: SUP with kit and paddle, Inflatable Kayak (2 passenger capacity) with air bags, seats, paddles, and pump.  Foldable bicycle with air pump.

 

これを読んでいる人の中に信頼できる良い人がいてくれれば幸いです。このブログで私がどういう人間か散々書いているので、信頼できる人と出会うにはここで募集をするのがベストだと思い、書きました。興味がある人はhagichan@yahoo.comにメールをください。

MAGAに潜む帝国主義的要素

トランプ大統領のMAGA(Make America Great Again)のAgainというのはいつ頃に戻るということなのでしょうか?トランプ大統領の違法移民の排斥、輸入物資への関税による税収の依存などは第二次世界大戦以前の帝国主義の時代と同じです。当時は領土獲得、外国の植民地化により西洋の国々は富を得てきました。スペイン、ポルトガルに続き、イギリス、フランスなどがインド、アフリカ、南米などを独自の領土として拡張していきました。アメリカもハワイなどをほぼ無理やり自国領土にしています。それに対抗して日本は大東亜共栄圏なる、欧米からの独立を支援していたのですが、結局は領土拡大になっていきました。その結果として第二次世界大戦がやってきたのです。

 

三国同盟対連合国の構図

トランプ大統領はグリーンランド、パナマ、カナダまでアメリカの領土にするといったような発言をしてますが、この背後には中国が世界各地でお金をばら撒き、様々なプロジェクトをファイナンスして影響力を高めていることに対する警戒といったものがあります。アメリカにとって明らかに中国は敵国になっていて、その中国がロシアと組むことをかなり警戒しています。そして鍵を握るのが北朝鮮になります。北朝鮮にとってウクライナ戦争への関与はロシアとの同盟関係を示唆しています。北朝鮮は朝鮮戦争の際に中国の支援によりできたような国です。現在のアメリカ外交は中国に対してかなり強行な封じ込めを図っています。TikTokの禁止や、中国製品に対する60%の関税などがコロナ以降低迷する中国経済にさらに大きなダメージを与えるのは目に見えています。アメリカの同盟国は同様に中国に対する締め付けを実施することで中国も孤立し、ロシア、北朝鮮、中国の三国同盟がアメリカを中心とした民主主義キャピタリズムの連合国と対立するようになってきます。

 

2027年に始まる第三次世界大戦と日本の役割

ドイツは第一次世界大戦の賠償請求によるインフレにより経済が追い込まれ、日本はアメリカの石油禁輸によるエネルギー不足で追い込まれました。そんな中、独裁者は外国を批判し自国の愛国心を高めることで地位と権力を手にします。プーチンはウクライナの戦争に入ってから経済的な制裁にかかわらず人々の支持を集めています。2027年は習近平の第4期の国家元首となる重要な年、経済的に追い詰められている中、軍事的に強硬手段に出る可能性があります。それが武力による台湾併合です。米軍はグアムや沖縄から空から支援をし、中国はそれに対する先制攻撃をしてくるでしょう。日本本土への攻撃になり、自衛隊も動きます。紛争が大きくなっている中北朝鮮は韓国に攻め入る可能性があります。そしてロシアはウクライナの残りの領土を奪いに侵攻するでしょう。核戦争にはならないとは思いますが、かなりの規模の紛争になり、世界的に株価は暴落し、経済が停滞します。

 

日本の置かれた立場

帝国主義的アメリカにとって日本はどのような存在になるのでしょうか?ある意味属国的な立場になり、台湾有事で中国との紛争が勃発した際には日本の自衛隊はロシアに送られた北朝鮮の兵士のような存在になってしまわないでしょうか?America First (アメリカ第1)なのです。日本は第一ではないという認識はしっかり持つ必要があると思います。恐らく親米の自民党政権はアメリカに寄り添った政策を実行していきます。但し、日本がアメリカのインフレの波を回避できているのは中国からのサプライチェーンがまだあるからだということも理解しなければなりません。アメリカ同様の関税を課したら日本経済は急激なインフレで大きなダメージを受けることになります。以前ブログにも書きましたが、日本はアメリカが過去実施した中国に対する緩和政策に過度に依存し、莫大な投資や市場解放を実施しました。その結果として円安になりGEOPOLITICAL(アジアにおける地域政治と経済)の構造変化の中でもその対応がなかなかできなくなってしまっています。アメリカに住めばわかることですが、アメリカは内部にかなりの不安定要因があり、過度に依存することは危険であり、ある程度付かず離れずの関係でなければならないと思います。

 

状況を回避するために取るべき手段

恐らく、危機回避に関しては、2種類のDIVERSION(興味を他に向ける)が重要になって来ると思います。一つは新たなフロンティアの開発です。月や火星、北極などにおける新たなエリアでの帝国間の地理拡大競争に政治的な競争の矛先を向ければ、時間稼ぎをすることができます。もう一つはビジネスの独立したCommunity化です。トランプは政治的な力でビジネスを飲み込もうとしています。大統領就任式に現れた各企業のCEO達はまさにそこに「居なければならない」雰囲気を醸し出しています。現代は昔に比べ商業の規模は大きく、ビジネスは国の枠を超えています。企業のトップ達は国に依存するのではなく、むしろ独自の経済圏とCommunity育成を強化していく方向を模索すべきです。人々の関心が政治的抗争ではなく、ビジネス維持に重要度を上げていけば、政治的な動きに多少ブレーキをかけることができるのではないかと思います。仮に政治的理由で地域紛争が起き、国は紛争に巻き込まれたとしても、世界にネットワークを持つビジネスは社員とその家族に逃げ道や新たなビジネスチャンスを見出すことができます。そうなるとビジネスが社員などに対してより大きな保護を提供することになるので、企業のグローバル化は重要です。更に、これからの企業のトップには圧力をかけてくる政府に対応する外交力と政治的不安定な状況に対応できる戦略立案能力が重要になってくるでしょう。

今回のロサンゼルスの山火事はかなり悲惨です。同時に火事があちこちで起きてしまうと、消防署も対策ができません。昨日早朝に避難命令が出て家族は避難しました(私はハワイにいますので妻と子供達)。避難命令の困ったことは行く先が指定されておらず、更に行ってみても人でごった返していて混乱しているということです。結局朝ごはんをかねてPANERA BREADに行ったようです。

EATON CANYON FIREが私の家のすぐ近くまで来ました。恐ろしいことに、テレビで近くのスーパーが燃えているのを見て知りました。北東から南西に強いサンタアナの暴風が吹いていて、そのまま行けば私の家も燃えてしまう火の動きでした。ちょどその時に避難先から子供が忘れ物をしたのでどうしても戻りたいといって戻ってしまったので、覚悟をして保険用に家の写真やビデオ撮影をしてまた避難所に戻ってもらいました。知り合いから自分の家が燃えているなどの連絡があり、私もそれなりの覚悟をしていました。情報がない中で唯一良かったのはSecurity Cameraでした。電気は通っていて、カメラから煙の中でもまだ家に火がついていないのがわかり、とてもありがたい情報でした。将来的にはこのようなビデオを共有して火がどのように動いているのかなどをCOMMUNITYで共有できると良いのではないかと思います。テレビの映像で初めて燃えてしまったのを知るというのはあまり気分が良くないし、情報が不足することで不安な気持ちだけが増していきました。家族が心配なので私もLAに戻ろうとしましたが、航空券はなんと3000ドルと通常の10倍近くなっていました。更に行っても何もできないのではないかと思い、状況を見て来週戻ることにしました。その後、風向きが変わり火は北西の方に移動しLa CanadaやCVSでも訪問したNASAのJPL研究所の方に向かっていきました。知人などによると圧倒的な火力なので逃げること以外何もできなかったとのことです。消火がだいぶ進んでいるので本日家に戻ってみるとのことです。但し有毒ガスが出ているので滞在できるかどうかは微妙です。

もう一つのPalisades Fireも酷かったようです。私が以前住んでいたサンタモニカは北の端で反対がPacific Palisadesで知人もいたのですが、焼けてしまったようです。そこは高級住宅地であり、日本円で小さい家でも最低3億円はするような場所です。以前からマリブの方は山火事が多かったのですが、今回は住宅地を横断した火事だったので甚大な被害が出ています。幸い死傷者は現時点で最小であるので、警察も人々も避難に関してはよくできたのではないかと思います。


下の写真がEATON FIREのものですが、私の家はこの地図の一番下の方にあります。この写真で周りが燃えているのを見た際はもうだめかと思っていました。大災害が起きてしまうと自分ができることは限られてきます。これだけの規模での災害だと恐らくアメリカ政府、カリフォルニア政府などが大規模な復興の投資をすることになるでしょう。オリンピックもあるので今年はかなり大きなプロジェクトがあちこちでスタートすることになるかと思います。1992年のLA暴動、1994年の大地震の際にも迅速に大掛かりな復興があったので、恐らく今回もかなりのスピードでの復興がされるような気がします。マウイ島の復興はゆっくりしていますが、カリフォルニアは変革などを含め早く物事を動かすカルチャーがあるので、それに期待します。とりあえず私も自宅の状況を見に行ってきます。

たくさんの皆さんから心配のLINEやメッセージを頂きました。ありがとうございます。来週戻ってから被害にあった人達に対して何ができるか考えてみたいと思います。現時点では全ての人がショック状態であり、政府もまだ消火活動が中心なので復興などについては考えられていない状況です。CVSの卒業生でホームステイをした方は是非とも励ましのメールを送ってあげてください。全て失った人もいて深い失望の中にあると思います。

皆さんは自分の子供にお年玉をあげますか?私はあげません。同様にクリスマスのプレゼントもほとんどあげたことがありません。クリスマスと新年はおもちゃ業界のかき入れ時、東京の町中は毎年子供をターゲットしたビジネスで盛り上がっています。この季節はバレンタインデー同様にビジネスにうまく踊らされているような気がします。家の子供は高校生ですが、日本では全高校生の内90%がお年玉をもらい、平均額は2万円にもなるそうです。残りの10%の高校生は親の主義でお年玉をもらっていないのでしょうか?それとも別な理由でもらっていないのでしょうか?

簡単に手にしたお金は簡単に消費に回ります。犯罪者は盗んだ金をあっという間に使ってしまうと言われています。宝くじの当選者も同じ。簡単にお金を手にしてしまうとそのありがたさ(稼ぐことの大変さ)がわかりません。愛想よく人に接すればお金をもらうというのも良い習慣ではありません。水商売などでそのようなスキルで生きることも可能かもしれませんが、自分の貢献に対する結果としての報酬でないと、動物の訓練同様に間違ったメッセージを送ってしまうリスクもあります。親にとって最も重要な仕事は子供をしっかり育てることです。そして子供は親により育てられます。親は子供を育てるのに親の全ての行為が影響を生み、教育になっているということを忘れてはなりません。

英語のことわざに、Give a man a fish and you feed him for a day.  Teach a man to fish and you feed him for a lifetime.  「人に魚をあげたら、一日食べていけます。人に魚の釣り方を教えれば生涯食べていけます。」ということわざがあります。このことわざは中国からきたという人もいれば、Anne Isabella Ritchieが言ったともいわれます。ここには人を助けるということの最も重要な要素が書かれています。私は長年教会などを通じて貧困者の支援などをしてきましたが、簡単にお金を食事をあげることは一時的な支援にしかなっていないという問題に直面します。つまり、本当に貧困から人々を解放しようと思っているのであれば、それらの人たちが自立して自分で生活していく手法(この場合は「釣り」)を指導することが最も重要になります。ではその人生における「釣り」のスキルについて考えてみたいと思います。

1)    お金を稼ぐ方法を教える:学校教育にて一番不足しているのがこの部分ではないかと思います。社会に出ると何らかの競争環境に入り、貢献に応じて報酬を得ることができます。私の子供は小学生の頃、プロテニスプレイヤーになりたいと夢を語っていたので、その為のシステムを作りました。つまり、トーナメントや試合、そして練習成果に応じてポイントを出しました。具体的には練習試合の勝ち負けだけでなく、Winner対Unforced Errorの割合に応じてポイントを出し、それをお金に換算しました。学業も同じで、アメリカの大学に合格をするにはある程度の成績と試験の結果という二つの領域で評価をされるので、学業と試験の成績に応じてポイントを出しました。このポイントがお金に換算できるので、本人たちに好きに使って良いようにしました。スポーツでも勉強でもここでポイントを稼ぐためにはかなりの競争の中に入ります。資本主義、民主主義社会ではまさにその競争原理が世の中にあり、勝者と敗者の間が格差になります。つまり教育の原点は競争に勝つということであり、競争に勝たない限り「楽」はないという原則を体験させることが重要になります。

2)    お金の使い方を教える:私が徹底したのはお金の使い方も本人が決めるということです。テニスの場合は強くなるためにコーチやテニスクラブに属することが必要になります。プロのテニスプレイヤーが自分の稼ぎからコーチを雇うのと同様にテニスのレッスン費用は1)の稼ぎの中から工面することをルールとしました。すると、無料のレッスンを活用したり、強い選手と知り合いになり自分から打ち合いを申し込んだり、トーナメントで優勝してクラブから奨学金をもらうなどの工面をしました。学業ではテストの点数などをあげるのにはアメリカでも塾などに行きます。でも塾に行く前に無料のオンラインのクラスや模擬試験などを受けることで、無駄に使うことはありませんでした。旅行や自分の買い物もの1)で稼いだポイントで買わせることにしたら、ゲーム機などは買わずに好きなアニメなども中古品を購入するようになりました。

3)    独自の経済観念を身に着けさせる:私は息子と娘がいますが、息子はスポーツにしても学業にしても娘程はありません。しかも結構買い物が好きで使ってしまいます。なので格差は2万ドルほどにも開いてしまいました。ただ、息子は将来稼ぐようになるから自分に投資をすると言って、「取っておいても無駄」というもっともな経済学を持っています。一方娘は、大学に医学部に行くと忙しく、更には大学生活も長くなるので、ある程度貯金がないとやっていけないというこれもある種の経済学を持っています。親が簡単にお金を出してしまうとこのような経済観念を作る学習機会を奪ってしまうことになります。

但し、お年玉に関すると、それは歴史的、文化的な行為であり、無視するのは難しいものです。親せきや友人でそちらも子供がいればお互いさまになるので、事前に話しておけばお年玉の交換のような状況は避けます。但し、おじいちゃん、おばあちゃんからのお年玉を避けるのは困難です。私は意図的に新年に日本に行かなかったこともあります。でも親せきとの人間関係を維持したり、おいしい御節料理を逃すのはなんとも味気ないものです。おじいちゃん、おばあちゃんにとってはめったに会えない孫との関係を保ちたいという気持ちも強くお年玉をあげないように言うのもはばかります。あげる側にはあげる楽しみと意義があります。「金の切れ目が縁の切れ目」という考えがあるせいか、日本では親せきや親子間で複雑なお金の出し入れがあるように思えます。私は会計士なのでお金の流れは明確にしておいた方が良いと感じています。更に、簡単に親せきなどからお金をもらってしまうと、お金に困ったら親戚に頼る、おじいちゃん、おばあちゃんに頼るという、「オレオレ詐欺」にもある安易なお金のサプライチェーンになってしまわないか不安になります。中国では上司が部下にお年玉をあげます。つまり、それは弱い人を守ってあげているという信頼の印でもあります。私の母は長年祖母の生活補助をしていて、祖母にもお年玉を出していました。年金が充実した現代の年寄りの中には経済的に恵まれた人も多く、ついついお年玉を孫に上げる習慣になってしまっています。但し、親が子供にお年玉をあげることはどうでしょうか?親にとって子供を育てるということが最も重要な仕事であり、立派な大人になれるように育てなければなりません。今までのように全体的な経済成長に依存してなんとかなるということはないでしょう。これからの少子化社会での経済全体の縮小、更にはAIなどの進出による、労働に対する代替の脅威の中、子供に正しい経済観念を持たせることは重要な教育だと思います。
 

アラモアナショッピングセンターからWAIKIKIにアラモアナ通りで橋を渡ると右にプリンスホテルがありますスクランブル交差点の所にABCストアがありますが、その裏に立つのが私のコンドのある建物です。建物を南北に突き抜ける形で部屋があります。部屋の入り口からはアラワイ運河と山が一望できます。リビングルーム、キッチンに続いてマスターベッドルームとラナイがあります。ラナイはオーシャンビューで下にはプールが見えます。コンドはアメリカでの生活が体験でき、家族でハワイに来られる方にはホテルより向いていると思います。CVSの卒業生などお子様をお持ちの方も多いのでご利用ください。月の半分はおりませんが、私も一緒でOKであれば長期滞在してもOKです(私のいない期間はFACEBOOKに書いてありますが、年末年始、春休み、日本のゴールデンWeek、お盆などほとんど空いてます)。近くでCVSの卒業生が親子留学制度の語学学校(ハワイで最も古い)も経営してますのでそちらも紹介します。そこで知り合いになった方の高校生のお子さまにハワイでのインターンを斡旋してあげたり、アメリカの大学受験や奨学金獲得の手伝いもしています。

 

プリンスホテルとイリカイホテルが正面の左右に広がります。毎週金曜日夜7時45分には花火が上がりますのでラナイから部分的にはみえます。イリカイホテルの影になってしまい隠れてしまうので、トップフロアにあるランドリールームか下に降りて交差点を渡ってホテルの反対側に行けば花火も正面に大きく見れます。キッチンには大体の調理器具、電気レンジ、冷蔵庫、炊飯器、コーヒーメイカー、トースター、エアフライアー、Dish Washerも揃っていますので、自由に使ってもらって結構です。写真のまな板の下に深い流しがあり、蛇口が折りたたみ式です。リビングルームとキッチンの写真を載せます。バスルーム、マスターベッドルーム、ラナイの写真もFacebookの方に載せようかと思います。近所はとても親切なお年寄りの方ばかりです。

 

静かなコンドで、24時間セキュリティーがおり、ゲートもエレベーターも特別な鍵がない限り動きません。一階の共有スペースにはプールとバーベキューエリアがあり大きなガスグリルが2台あり使えます。ホテルと違い利用者が少ないのでプールはいつでも独占状態です。私は毎日プールで泳いでいますが大抵私だけです(ちょっと寂しい)。交差点を渡ってヨットハーバーの脇にはヒルトンラグーンがあり、魚と一緒に小さい子供でも安心して遊べます。私の部屋にカヤックとS UPも買ってあるので使っていいです。使用方法とルールも記載します。

 

車はMazda CX9で7人乗りです。ほとんど使っていません。私の保険で運転はできますが、何かあったら困るので、事前に相談ください。

 

久しぶりの人であれば是非とも私に会いに来てください。12月29日に浅草北部教会でメッセージをするので来てくれたら幸いです。10時30分から12時までです。ちょっと早めに行くようにしますので、その際に挨拶ができれば幸いです。私が覚えている方であればメールかFacebookで連絡ください!

 

信頼できるCVSの卒業生と友人限定ですので、もし今後交友を深めたいと思っておられる方がおられましたら、浅草北部教会の牧師先生の大橋先生経由でコンタクトください。

 

これからまたハワイを出て日本に向かいます!久しぶりにみなさまとお会いできるのを楽しみにしております。

昨日日本でUCLAのビジネススクールの同窓会があり、昔の友人たちに会いました。多くの人は年収億を超える超富裕層にいるような人達です。私は過去10年教会で奉仕する身であり、給与を得ていますが恐らくメンバーの中では最下層だったのでしょう。色々な人から自分を犠牲にして立派な仕事をしていると言われましたが、教会の中ではトップクラスの給与をもらっているので、不思議な気持ちになりました。日本でも稼いでいる人はいて、かなりの水準で稼げているようです。一方、日本では貧困者も増えています(実に全人口の16%)。このような格差の拡大は日本だけではありません。1980年以降、世界では貧富の格差が拡大しており、今後AIの普及と共に中流所得者が二分化されより偏った社会になっていくのではないかと思います。

私はハワイに引っ越してからまた飛行機に乗ることが増え、マイルがたまったのでアップグレイドされることが増えてきました。コンサルタント時代はビジネスクラスやファーストクラスが多かったのですが、やめてからはまたエコノミーのみとなりました。私のデロイト時代の上司はやめる際に、「エコノミークラスの飛行機にのったことはあるかい?どんな感じ?僕は一度も乗ったことがないんだ」と言っていました。ミリオンマイラーで50年以上飛行機を使っていて一度もエコノミーに乗ったことがないというのは驚きでしたが、裕福な家庭で育ったので、プライベートでも常にファーストクラスだったのでしょう。最近私もファーストクラスに乗るとエコノミーに戻るのには苦痛を感じるようになってきました。ファーストクラスはどんどん良くなっていて、座席はフルリクライニングなだけでなく、扉を閉めれて、食事もかなり良い質のものが出てきます。CAはとても親切かつフレンドリーで、トイレまでエコノミーとは違います。逆にエコノミーはどんどん狭く、食事にもお金を取り、トイレは混みあい、荷物を入れるスペースもなく、フライトアテンダントは命令調で、乗客が喧嘩をしていても見て見ぬふりをするだけです。この雰囲気の差は大きく、将来の二分化された社会をみているかのようです。昔はここまで差はなかったような気がします。エアラインはこの「格差」を作ることで、より高い値段でファーストクラスを買うように仕向けているのでしょう。飛行機を降りる際にエコノミーの人にわざわざビジネスクラスを通らせるというのも(乗るときはいつも別々)、格差をみせつけるためでしょう。格差が大きければ大きいほど、価格以上に需要が高くなるのです。ホテルも同様に高級なホテルと安いホテルの格差が顕著にあり、アメリカでは完全に勝ち組と、「安す組」で世界が分かれてきているような気がします。

一方日本に行くと感じるのが、ホテルにしても、レストランにしても安いところでもそこまで悪くないということです。皆さんはZIPAIRという格安航空会社を使ったことがあるでしょうか?使った友人たちは皆、アメリカの航空会社のエコノミーより良いと言っています。日本は所得格差が低いのか、中産階級が多いせいか、経営者の誇りなのか、安くてもそこまで悪くないという特徴があります。アメリカでは全ての物の値段がどんどん上がり、数年前に比べて倍以上になっている物も少なくありません。一方日本はインフレと騒ぐほど価格は上がっていないし、値上げをすることを「申し訳ない」というレストランのオウナーさえいます。これは社会全体での「和」を追及する日本の美徳であり、私は素晴らしいと思っていたのですが、いつまでも続かないでしょう。昨日日本に行く飛行機の中で初めて日本を訪れるアメリカ人が隣でした。日本について色々と聞かれました。機内のWIFIでホテルの予約を始めたのですが、「安いところはやめた方がいいよね?」と言っていたので、「安いとろろでも良いホテルはたくさんありますよ。」というと驚いていました。アパホテルを教えたら旅先のホテルを全てアパホテルにしたのですが、場所によってはアパホテルでも一泊2万円近く取っていたので、もっと安いホテルを勧めました。でも、安い=悪いといった考えは消えず、むしろもっと高い温泉宿を取っていました。このように日本人とは異なる価格に関する感覚を持った外国人旅行者が増えると、日本でも観光業を中心にインフレが進み、日本人にとっても住みにくいような格差社会が訪れるかもしれません。

現在の円安は日本国民の貧困化のあらわれです。国の借金と、経済の停滞によるこの貧困化に皆さんは耐えられるでしょうか?日本ではミニマリストといって生活を切り詰めるといったことが流行っているようですが、子供の教育などをケチる親が増えると、国として将来的な経済成長を損なうリスクにもなりえます。そして金持ちが貧乏人になるというのは、貧乏人が金持ちになるよりはるかに適応するのが困難であり、精神的なインパクト大きいということを忘れてはなりません。ではどうしたら良いのでしょうか?アベノミクスでの円安誘導の背後には製造業を優位にして輸出で外貨を稼ぐというもくろみがありました。トランプはAmerica First のスローガンのもと、外国製品に関税を課してでもアメリカに産業を戻そうとしています。むしろそれは日本がすべきことです。ただ、それができないのは企業による過去実施してきた海外への工場移転、輸入に依存している国内の消費、そして日本国内における人材不足です。「卵が先か、鶏が先か」になりますが、輸出を拡大させるためにはまずは質の高い労働者の確保が必要になります。更には日本の教育で欠けているビジネススキルのトレーニングに徹底的に投資をすることが重要だと思います。日本政府は子供の助成金を増やすことに力をいれていますが、AIの普及により、「数」以上に「質」の方が重要な時代が来るということを忘れてはなりません。むしろ企業の社員教育に対する支出に対しTax Creditなどを出し、企業が社員教育により力を入れ、競争力を高めることに注力すべきです。

さて、皆さんはファーストクラスで旅をしたいですか?最初からビジネスクラスや、ファーストクラスを購入することはお勧めしません。なぜなら、それらの売値はエコノミーの3~10倍もかかるからです。エコノミーを購入してマイルや、Frequent Flyer のクーポンなどでUpgradeするというのが最も投資効果が高いと思います。最近ではUPGRADEをBIDできるという制度もあり、それらの方が事前にファーストクラスを購入するより安くなります。国際線のファーストクラスはもっと価格格差が大きいのですが、その際にはビジネスを購入してビジネスからファーストクラスにアップグレイドするというのが効果的です。数席しかないので独特の雰囲気があり、他の乗客は半端な金持ちではないことが多くあります。もしあまり飛行機に乗ったことがないのであれば、エアラインのステイタスが高い人と一緒に予約をしてもらいましょう。一緒にUPGRADEされることがあります。エアラインもそうですが、ビジネスの世界も、成功している人と一緒にいれば自分を高めてくれる可能性が上がるので、そういう人と一緒にいるように心がけましょう。

 

12月29日に日本基督教団の浅草北部教会でメッセージをします。どなたでも気軽に参加できますので、お時間の都合がつく人は来てください。10時20分から11時30分ぐらいですが、私の話自体は恐らく10時45分nから11時15分程度だと思います。人生を通じて極めなけらならないスキルについてキルケゴールの実存主義哲学と兼ね合いをさせた話をします。新興宗教などとは関係のない、歴史ある正統なキリスト教の教会で自由参加ですので、安心して参加ください。
 

経営者の役割とは、組織における人、モノ、金、情報といったものを効果的に用いて生産性の高い組織を作ることです。ビジネススクールでも最初にやるコアコースが組織論だったと思います。ハーバードビジネスレビューでNielson, Pasternack, Van Nuysはコンサル会社Booze-Allenが30万人の世界のマネジメントを対象にとったアンケート調査から、様々な企業の組織におけるオペレーションを分析し、健康的な組織と健康でない組織に分類しています(Passive Aggressive Organization)。

健康的な組織としては
RESILIENT(忍耐力ある組織):全体の17%で、複雑な状況、変化にもしっかり対応できる柔軟性があり、個々の忍耐力の高い組織。
Just-In-Time (臨機応変に動く組織):全体の10%で、状況に応じて適切な人材がステップアップし、対応できる組織。
Military Precision(軍隊的に統率の取れた組織):全体の4%で小規模で異なるスキルセットを持つ統率の取れた組織
これら健康的な組織に共通するのが、高いモチベーションと指導力を持つ管理職の存在です。孫氏の兵法で戦争に勝つ為の5つの基本的な要素として「将」というものがあります。部下の信頼のある、忍耐力があり能力が高い将軍(管理職役員)は戦いに勝つのには不可欠だということです。上記の良い組織に共通するのが能力があり、忍耐力、決断力のある管理職の存在です。

逆に問題を抱えた組織としてあるのが、
Passive Aggressive(行動が伴わない組織):全体の27%もあり、戦略に同意はするものの、協力や行動が伴わない組織。
Overmanaged(管理がきつすぎる組織):全体の9%で上司が事細かく管理しすぎて下が育たない組織
Outgrown (大きく官僚化した組織):全体の10%で、組織が縦割りで全体として調和の無い大きくなりすぎた組織
Fits&Stars:全体の能力があるリーダーはいるが、向いている方向がまちまちで、全体として調和がとれていない組織。


ここでは社員のモチベーション、そして組織における信頼がうまくワークしていないことがわかります。こういった機能不全(DISFUNCTION)の状況は多くの場合は、トップマネジメント、そして管理職のリーダーシップと一致の不足であり、孫子の兵法で言う戦いに勝つ5条件の内の「将」に問題があります。過去30年アメリカで経営コンサルをする中で、日系企業がうまくいかなかった最も大きな理由もこの「将」の部分にあると思います。これらの問題に対する具体的解決方法は上記HBRの記事にありますが、やや抽象的であると感じたので、私は聖書の第1コリント人への手紙12章にある記述を元に組織が動く仕組みから「将」がどのように動かなければならないのかということを考えてみたいと思います。

1)会社の機能と社員の存在
パウロは組織を体に例えています。そして体はそれぞれが調和して助け合って機能していると書いてあります。サイロ型(縦割り)の組織の欠点はある部分の機能が縦割りになり、他の部分と独立して動いているということです。会計の世界では不正や間違いがあってはいけないので、意図的に独立させSegregation of Dutyという形で担当者を分けることが内部統制の基本であり、SOX法以降、Policy & Procedureを準備することが義務図けられています。但し、独立性があるからといって他の部門がやっていることに関して無知であってはならないのです。逆に知っているからこそ、独立して仕事をした際に不正や間違いを見つけることができるのです。つまり、独立していても依存しあっているという組織の原則(Inter-dependence)です。

 

私は実存主義の哲学者のキルケゴールが好きなのですが、彼は集団的に組織化された教会の否定をしつつも、コミュニティーの形成に関しては重要だとしています。「各個人はコミュニティーの為の機能ではないけれど、コミュニティーは各個人の為に存在しなければならない」と言っています。Interdependence を精神的な角度から表現しています。つまり組織は体と同様にそれぞれが調和を取りつつ動くと同時にそれぞれが健全に機能するように補わなければならないのです。

 

マイケル・ポーターのVALUE CHAINには管理部門と現場のプロセスがあり、管理部門が現場のプロセスを縦断する形で書かれています(図参照)。ここで重要なのは、VALUE CHAINの中で固定費となる管理部門は現場に能動的に情報を発信し、全体の流れに対して各プロセスがしっかり付加価値を出しているか認識させる必要性があるということです。私はある会社の拡張性を見るのに最初に管理部門を見たいと言いました。管理部門からはなぜ?とPUSH BACKされたのですが、それはその会社が組織として「情報」という経営資源をしっかり能動的に回す仕組みができているかということを見る為でした。それができていれば拡張性を持たせて、現場のVALUE CHAINを拡張させるだけで良いことになります。公認会計士の際に色々な会社の監査をしましたが、良い会社の管理部門は「コンプライアンスとして」受け身的に会計情報などを作るのではなく、現場を動かす経営資源として能動的に情報発信をしています。つまり会社全体の調和の為には管理部門が役割をしっかり果たしているかが重要になるのです。

2)各社員の重要性と存在価値の認識
組織の中で気を付けなければならないのは、権限や報酬のせいで、「重要な社員とそうでない社員と分けてしまう」という問題です。これが13章におけるパウロの最も重要なポイントです。組織には異なるタレントを持った人が必要であり、聖書ではそれを「GIFT」という言い方をしています。15節で「足が手ではないからといって体の一部ではないとは言えない」つまり足だけ勝手に動いてはいけない。逆に17節では「頭に目しかなかったら、音はどこで聞いて、においはどこでかぎ分ける」と言っています。それは各自がそれぞれの役割を果たすべきであり、機能に欠けてはならないということを諭しています。キルケゴールは自分の存在価値の認識の重要性について言っています。「自分自身の足がもたついても、自分自身を失ってしまってはならない」と言っています。つまり、会社においては従業員一人一人が重要で機能をはたしているという自己認識が重要なのです。その際に重要なのが、その組織の存在価値になっています。この聖書箇所ではキリストの体=教会ということで、教会(キリスト)の社会における役割を果たすということになりますが、通常の会社はその会社のMission Statementにあることを果たすということになるでしょう。つまり、組織の全ての人間が組織全体のミッションにどのように貢献しているのかということを意識しなければならないのです。経営者はそれを部門別に明確にし、部門長はそれを各担当者別に明確にしてあげることにより、自分が会社全体でどのように貢献しているのかが見えてきます。なので、良い経営者ほど、そして良い上司ほど、部下を精神的に支え、それぞれの存在意義を示してあげることで各社員がその会社にいる存在価値を感じることができるのです。

3)組織内のタレントは組織全体の成功にのみ使われるべき
組織の中で危険なのが、自分は誰かより優れているから、劣っている人はいらないという考え方です。特に営業などとは異なり、会社の管理部門、製造部門などではルーチンのタスクが多く、営業などと比べ貢献が見えにくいという点があります。過去ルーチン業務は単純労働とされ、そこで働く人は簡単に交換できるので会社の中で虐げられてきました。その反抗として労働組合などができ、同じ会社の中で分裂するという悪い経営状態になっていました。1970年代のアメリカの自動車産業などがそれです。比較的にフラットな組織形態を持つ日本の企業は、ルーチン業務に対しても徹底的な品質管理、勉強会などを通じての社員のモラルの強化などを図り、強大な力を持つアメリカの自動車メーカーを地元のアメリカで打ち破るまでに至ったのです。

 

7節にあるのは「全ての人にはタレントがあり、それは全体の益になるため」とあります。そのタレントのことはGIFTとも、CALLING(天から与えられた使命)であるとも言えます。雇用者の責任として、それぞれの社員にはどのようなタレントがあるかを見つけ、成長させ、組織の中でタレントが生かされるよう(組織全体の成功に使われるよう)に人を育てることが経営者、そして中間管理職の責任になります。ベンチャー系の会社などでは、組織が一気に大きくなり、部下を育成する能力やリーダーシップに欠ける人材が役員などになってしまうケースがあります。アメリカではそのような組織にVC(ベンチャーキャピタル)などがアドバイスをして経験値の高い人材を入れたり、入れ替えたりします。資本状況によってはCEOの入れ替えさえあります。実存主義哲学では自由意志の中での選択の限界というものが記載されています。ヤスパースは「実存的交わり」の中で限界を超越できると言っていますが、それは組織に属する中で自分のタレントを見出すことから存在意義を感じ、目的をもって生きていくことができるような環境を作り出すことの重要性です。それが組織を大きくする際の人材育成の重要性であり、そのサイクルを作り出すのが経営者の責任です。キルケゴールは「神に与えられた責任を果たす」「天命を全うする」ことで生きる意義をみいだすことができるとしています。会社で人を雇用する際には雇用者の責任として、会社全体の成功やミッションを意識させた上でその人と良く話し、キャリアパスを考え、全体の成功における貢献を明確にしてあげるカウンセリングが重要になります。

4)多様性の中の一致による飛躍的な成長
多様性は将来を支えるIDEAが出るカルチャーとして重要です。アメリカの大学は合格者を決める際に必ず多様性に集中します。というのも異なったタイプの人間が集まり、議論する中でより進化した考え方やIDEAが出てくるからです。初めて留学したジョージタウン大学で多様性からくる学習価値を体験しました。イスラム教や共産主義の考え方、実際に王家から来た学生との接点など一つの議題に関してかなり幅広い視点が持てます。ビジネススクールも同様で様々な国の異なる企業や軍隊の経験を持ち寄ってケース分析をするとかなり深い、複雑な視点を持つことができるようになりました。パウロが語る教会はまさに社会階層が異なり、男性も女性も、外国人と交じり合ったコミュニティーであり、当時ではまれなものでした。ゴールドマンサックスなどは面接を何度も繰り返し、ある程度型にはまった人を採用すると言われています。企業の採用だと「取りたいタイプ」といったものがあり、そういった人を探す傾向があります。大学の採用とは異なります。

 

HOMOGENEOUS (同類の)人間のグループであれば、同じ価値基準や文化で動くので管理は比較的楽ですし、ある程度想定したOUTPUTが出てきます。但し、想定外の幅広い発展の為には異なるタイプの人間が必要になります。そして多様性は組織の柔軟性を増すのでリスクヘッジにもなります。異なるタイプの人間が集まるとそれを一つにするのは困難です。アメリカはまさに多様性のある社会であり、結果として様々な問題があり、今回の選挙など見ていると分裂は避けられないのではないかと感じます。過去10年様々な教会で奉仕をしてきましたが、私がアメリカの教会で感じる一番の問題が多様性の否定です。同様の考え方を持った同様のタイプの人間の集いが教会になっています。管理が楽だからです。日本の多くの企業もそうです。でも、コリントの教会は前述した通り異なる人間の集団でした。25~27節でパウロは「体が分裂してはならない」とあります。一致をするには他の体に対する「平等な思いやり」が必要とあります。これがキリストの愛を形にしたものです。そして一致をするこというのは一つの目的(教会の場合はキリストの存在をこの世に示す)の為にそれぞれが組織の為に最大の貢献をする努力をするということです。まさにそれが各組織、会社の中で求められる従業員の在り方であり、そのためにはトップマネジメントはミッションを明確にし、「将」たる各部門長はそのミッション達成の為に各自の能力と役割を明確にして最大限の貢献ができるよう指導する必要があります。キルケゴールは「人間が他の人にしてあげることの中で最も意味あることはその人の可能性を最大限引き延ばせてあげること」だと言ってます。これが「将」の最も重要な能力です。自分の部下の能力を会社のゴール達成の為の努力と一致させ、その能力を最大限伸ばせるような指導をするというのが管理職に求められる役割なのです。

12月29日には浅草北部教会で13章にある「愛」とキルケゴールの哲学についてのメッセージをします。10:20~11:30ぐらいで終わった後に対談もできるかと思っています。気軽に来てください。