今日はサンタモニカピアまで走り戻ってきました。ロスアンゼルスもすっかりクリスマスのイリュミネーションで町がきれいです。でも派手に椰子の木にライティングしているので、私が子供のころ福島の山の中で過ごしたホワイトクリスマスとは違いますね。そんなライティングされた椰子の木の間を走りながら、萩原通信に何を書こうか考えるのが定番になってきました。ところで、萩原通信に関するフィードバックも欲しいので皆さん宜しくお願いします。

今日は教会でのクリスマス。教会にとって、クリスマスの礼拝は一年で最も盛り上がる重要なイベントです。色々とありましたが、今年はうまくいき、今はようやくくつろげる気分です。何を持って良しかと言うと、今年は牧師の選出等でアメリカの選挙のように分裂してしまったメンバーにユニティーが戻り、あるべきカルチャーを形成しつつあるように見えたからです。教会では成功をついつい沢山の人が来たかどうかと言うことに集中してしまいますが、私は「質」の方が重要だと思います。私が信じるのは、環境ができれば植物は自然に育つので、その環境をつくることが組織運営の第一歩だということです。教会は、今は内部の環境を良くする事が重要です。今日はポトラックの時に人種が異なるグループがそれぞれ良く交流してプレゼントなどを交換していたのでとても安心しました。

ビジネスにおいても企業内のモラル、カルチャーはとても重要です。良くERPの導入に失敗したという話を聞きますが、私の経験だとその多くが、「人」に起因することが良くあります。ビジョンを共有しない場合、特定の「人」やグループが何かにつけ足を引っ張ります。そのような状況下ではアメリカの会社では、「トップダウン式」の改革による強制実行というモデルを取ります。つまりカリスマティックな CEOが現れ、トップダウンでどんどん会社の変革を進め、それに沿わない人は切られ、従う人はどんどん昇進します。アメリカの場合は子供のころからリーダーシップトレーニングをやっており、カリスマティックなキャラクターの人間を見つけることができますが、それはなかなか日本の風土には合わない点があります。その点、日本を代表する企業のトヨタなどは、お互いを切磋琢磨する社風を持ち、特定の人に頼らないプロセス・ボトムアップの変革、人材育成を重視しています。その点、今の私の教会の状態ではトヨタ式を目指していると言えます。特に複雑な人種構成をしていて、ちょっとしたことで分裂してしまうような状況ではそのやり方をしないと組織を崩壊させてしまうと思います。但し、どこかのポイントでトップダウンに切り替えようと思います。なぜなら、トップダウンの場合は急速に組織を変革すことができます。ボトムアップの場合、「ボトム」が育っていないとビジョンの共有がおきにくく、同時に「ボトム」をまとめるのに時間がかかりすぎるからです。短期的に大きな方向転換をしなければならないような状況下ではトップダウンが必要なのです。HBSに参加される皆さんにもその辺を良く見て、ケーススタディーとして、教会の変革について考えて欲しいと思います。

さて、前置きが長くなりましたが、HBSの申込みに関し、全体的なフィードバックを送ります。
履歴書:履歴書はあなたの(商品とした場合)カタログです。特定のフォーマットはありますが、一枚のページでどれだけ自分の良さを相手にわかってもらい、興味を持ってもらうかが切り札になります。読む側は物凄い数の履歴書を見るのです。その中から目立つためにはそれなりのメッセージを出す必要があります。就職の場合は、相手がどういう人材を探しているかを想定し、それに合う形で自分の強さを印象付けていきます。今回は特に就職と言うわけでもないのでもうちょっと冒険して欲しかったと思います。どうやったら覚えてもらえるか、写真を入れた人はそれだけで得をします。特に女性はデザインにもこってとても読みやすく良い履歴書が多くありました。今回、特に印象に残ったのは自分が生まれた時から始まる履歴書でした。最初は「何だこれは?」と思いましたが、読んでいく内とても親近感が沸いてきてとても会いたくなりました。中には推薦状を付けてくれた人もいました。とにかく受かるためにはあらゆる手段を使うのが重要で、プラスになると判断したらどんどん試すべきです。15校の大学から、4年及び大学院が44%、3年が14%、2年が24%、1年が18%という内訳でした。

エッセイ1:これはビジネススクールの受験にもよく使われるタイトルです。エッセイを書くときは最初に文章の構造を作ってから肉付けをします。日本語の場合、フィーリングで伝わることが多いのですが、英語の場合は明確にしないと分けが分からなくなり、あまり良い評価がもらえなくなります。全体的にもう少し練習が必要だと思うので、HBSで英語のエッセイの書き方もトレーニングします。

エッセイ2:これは、マーケティングのセンスを見るものです。例えガレージセールとはいえ、写真をつけたりして、もう少し売り込みをして欲しかったと思います。合格した人は実際に持ってきて、売ってみてください。ポイントになるのでいらない物は少し多めに持ってくると良いと思います。

日本語エッセイ1:何を目指し、キャリアに関し何を考えているのかを知るための出題です。皆さん将来のライフスタイルに関しては良く考えているようですが、キャリアに関しては漠然としている人が多かったですね。それ自体はぜんぜん問題がありません。約30%が起業家で一番多く、それに続いてコンサルタントとMBAを取ることがありました。 HBSに参加している間に何かビジョンが見つかれば良いと思います。明確な目標をもてば、実現する可能性がアップします。

日本語エッセイ2:与えられた環境から何をビジョンとして持ち、どのように具体化するかを見るのが目的でした。ちょっとアイディアとしてズレていても情熱を持って、説得してくるようなものは高い評価を得ました。リラクセーション関連の施設、外食、そしてレンタルスペースが一番多くそれぞれ約20%づつありました。できればHBSでイニシアチブを取れるような、自分が実現したいと思うような夢のあるアイディアがあったら良かったと思います。

アピールとボーナスポイント:自分をアピールすることは重要です。どれだけ来たいのか強調してくれた人はその分のボーナスポイントがつきました。
電話面接:皆さんかなり苦労してましたね!多分日本ではあまり無いと思うので無理もないでしょう。ただ、困難の中、どう対応するかが重要です。黙ってしまう人、理解しようとして“PARDON”?を繰り返す人。やはり留学経験のある人達は有利になってしまいました。一番良いと思ったのは(その人は留学経験が無いのですが)私の質問が分からなくても、どんどん話す人がいました。しかも興味深いのでついつい聞いてしまい、完全にその人のペースにはまってしまいました(ちなみに1年生です)。多分彼女は別に計画していなかったのだと思いますが、それが重要なストラテジーです。萩原通信に載っていた質問の答えのマル暗記は良く無かったですね。突っ込むとすぐスタックしてしまいます。会話というのはスポンテイニアスです。ただ、自分が相手にどう思って欲しいか、伝えたいキーメッセージは何かをメモし、それだけはメッセージとして伝えることを目標とすることが重要です。電話でもジョークとかスマイルを忘れないように!

総合得点(100点満点)の最高は82点で平均は60点でした。明日の夜12時まで敗者復活戦があります。「最後まであきらめるな!」ヒントとしては「ビジュアルに訴えかけること」です。

この後も萩原通信を見ていてください。何かサプライズがあるかも…!