湧水湿地、ため池、水田、湧き水と生物多様性 | ジョギングしながら自然、街散策

ジョギングしながら自然、街散策

四季折々の首都圏のちょっとした自然散策、街散策スポットをめぐりながらゆっくり、のんびりジョギングを楽しんでいます。

湧水湿地、ため池、水田、湧き水と生物多様性の関わりについてメモ書きしました。

●湧水湿地

・花崗岩や流紋岩などからなる、やせた山や洪積層と呼ばれる砂礫堆積する丘陵が分布する地域(東海地方以西の本州、四国、九州)では、地層中に地下水を通さない不透水層があると、地下水がしみ出して湿地ができる。

・里山の谷底や崩壊した斜面に見られる。

・湧き出す水は酸性で低栄養。

・生息する動植物は、低栄養の水質を反映して特徴的。

●ため池

・主に農業(灌漑)用水を確保するために水を貯え、取水設備を備えた人工の池のことである。その目的のために新設したり、天然の池沼を改築した池を指す。

・ため池の多くが江戸時代に作られたということから200年から300年あまりの歴史をもち、中には1,000年を超えるものもある。

・長い歴史を経てきた池の中や堤の周囲には、人工水域ながら絶滅危惧種も含めた様々な動植物が生育するようになっているところがある。

かつては河川周辺の氾濫原には大小多数の池沼があって多様な生物層を支えていたが、人間の居住地の拡大や新田開発によってそのような水域が消滅していくと、ため池が貴重な生息場所となっていった。

●水田

・人がつくった水域ではあるが、生物多様性を支える空間でもあった。

・化学肥料と農薬の多用で、水田の生物層が貧弱になった。

・休耕田や放棄田が湛水をやめて放置すると遷移の進行によって植物相は単純になる。

●湧き水

・山地の雪解け水や地下水が伏流水となって流れ下り、湧き水となって地上に現れる。

・湧き水は清く澄んだ水温の低い水で、特有の生物層を支えている。