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セミリタイアを目指すサラリーマン大家 マンション管理のお勉強

ワンルームマンション7部屋所有するサラリーマン大家。セミリタイアを見ざし、管理組合理事としてのマンション管理の勉強、賃貸の自主管理に向けての勉強を行っています。

社会資本整備審議会住宅宅地分科会において、新たな住生活基本計画の策定に向けて議論が行われています。
 検討状況の資料を参照し、気になった点をメモ書きしましています。今回は第60回(2025年1月28日)の検討内容についてです。

第60回(2025年1月28日)

(1)SUUMOリサーチセンター長:50年を見据えた住宅政策の論点

1)整える:住まう場所

①居住誘導の推進の是非

A)居住誘導地域
例)駅前・郊外幹線道路旧市街地
・余剰建物が少ない場合は、容積率緩和など建て替え・増床策・再開発の促進策を検討(既に実施)
・余剰建物はあるが、住居でない場合、用途変更の柔軟性の検討

B)居住維持地域
例)郊外の戸建て専用地域
・一定のメッシュあたり人口、昨今の人口動態(居住実態)から予測を立て、C地域に移行する目安を定めるかの検討
・テレワークの再進展の有無の探求

C)農地・里山に戻す地域
例)インフラコストが負担になる過疎地域
・該当地域の固定資産税は建物除去で軽減される形の検討
・撤退計画を自治体が作りきれるか?国が撤退基準のガイドラインを提示すべき?最後残った人の強制執行を認めるかの検討も

2)整える:住まう家

①マンション高騰化抑止の是非

●マンションを含む住宅価格の高騰化
・課題としては、投資層が今、増えている。短期の転売と呼ばれるものがこの2年3年で倍以上に広がっている。あるいは、セカンドハウス利用が多いので、結局再開発をした自治体に住民税が入ってこない。

②『既存住宅の品質と価値』をどのように上げていくか?

●性能向上リフォームが、売買/賃貸市場価格、金融評価に反映しきれていない
・目に見えるところをきれいにするのは価格反映されやすいが、目に見えない性能向上が、価格や家賃への反映がなかなか難しい。だからそこに手をなかなか下せない。
・鳥取県がかなり先導的な取組をしている。
 例えば耐震改修とか断熱改修をした場合、目標使用年数、実質耐用年数と言ってもいいようなものだと思うが、これを引き上げることによって、市場価格を上げ、金融評価もつけていこうという形を県主導で取りまとめをし、既に、実行フェーズに入っている。
 ただ課題になるのが、一金融機関では耐用年数見直しはできず、これは金融庁を含めた基準の見直しが必要ということで、地元の鳥取の金融機関の一存ではこういう見直しはできないという話がある。
  ↓
(提言)
・性能、内外装設備交換などの価値を売買 / 賃貸市場で評価するため査定評価法を確立し確実に稼働させる。
・財務省・金融庁とともに、リフォーム等による耐用年数(目標使用年数)増加などの基準見直しの検討。

●ローンの貸し出し根拠の見直しの検討
・現在は人の返済能力に対してローンを出す、つまり、建物の良質性を評価してローンの金利であるとか額を決めるということになっていない。
 欧米とかは割とノンリコースで、それに基づいて融資を出すという形になっているので、こちらの移行ができるかできないかということについても検討していく時期ではないか。
 ただ、ノンリコースをやると、一番の問題は、本当にもう人が住まなくなるというところに関しては、金融機関は価値がないとみなすから、融資が出ないという仕組みになる。これをよしとするのか。でも、これはある意味誘導していくという観点からすると必要な施策かもしれないので、大きな論点かと思いますが、検討していくべきと思う。

③『賃貸住宅の品質と価値』をどのようにあげていくか?

●背景
・2000年、住宅性能評価制度ができたが、賃貸分野は広がらず。長期優良住宅も同様。理由は家賃転嫁が困難なため。
・低コスト×狭い間取りほど利回りがよく、高品質とはいえない賃貸が生まれやすい状況が続いている
・相続税対策、老後の余剰資産活用系のオーナーは、サブリース型も相まって、賃貸の知識、管理・改修意欲が高くない傾向
・単身世帯が増加と災害リスク顕在化の中での共用部の充実や、交流促進ソフト関連は、利回り主義の中では、生み出しにくい

●提言
・性能向上 (耐震 / 省エネ / バリアフリー/長期優良住宅等) 補助は持ち家と同様の要件・額とする方向性の検討。特に改修時の補助を充実させる

・賃貸の品質を家賃に反映させる仕組みを作る
 ・物件の広告の目立つ位置に賃貸品質(省エネ・耐震・バリアフリー・防犯・防災等)に記載することを規定化する
 ・民間金融機関の融資額、金利、返済期間(=耐用年数見直し含む)にそれらを反映させる仕組みの検討
 ・重要事項説明において、品質項目の説明を義務化することの検討

・相続税の貸家にすると相続評価額が下がるルールの再検討
 国が求める「貸家の誘導基準(品質)」を定め、基準に達した貸家のみ、評価額を下げる等の新たな仕組みの検討

●4号特例の縮小・廃止
・既存住宅でも過半の耐震性とかをいじる場合は建築確認申請を取り直すと。ここは結構大きなハードルがある。その部分に関しては、新築以上の手厚い補助をするぐらいの考え方を持って取り組んでいくべきではないか。

④脱炭素社会(省エネ分野)の実現に向けて

●背景
・24年4月~省エネ性能ラベルの罰則付き努力義務化。広告表示は進んでいるが、まだ道半ば
・既存住宅の省エネ化については、明確な目標やマイルストンは描けていない
・既存の断熱・省エネは財産権への介入という課題と、国民意識が高まりきっていないか課題がある
・省エネ性能の高さが、売買/賃貸市場、融資に十分に反映される形とはなっていない

●提言
・省エネ性能ラベルの義務化に向けたマイルストンを示す検討(公取規約の位置づけ時期、罰則の実行、重要事項説明等)
・既存住宅は(新築補助を多少削ってでも)より多くの補助金を提示する検討(欧州では新築への補助はほぼない)

●省エネ性能表示の普及に向けて
・省エネ系の補助金を活用する際には、必取得、必掲載とする
・売主/貸主/サブリース事業者に、努力義務→義務のマイルストンを提示、実行する
・仲介会社、管理会社にも表示を(努力)義務化するマイルストンを提示、実行する
・重要事項説明に省エネに関する説明事項を追加する
・「目安光熱費」の普及と毎月の家賃と目安光熱費を合算する表示ルール等 を検討する


(2)人口減少下の住宅政策:日本大学経済学部 中川雅之

1)質疑

●市場による立地誘導
・例えば市街化調整区域であれば都市計画税がかからないから地価が安いとか、あるいは危険なエリア、氾濫だとか災害の危険があるようなところも地価が安くなるので、結局そこに低所得の方々が引き寄せられてしまい、なかなかうまく立地コントロールが機能しない状況になっている。
 立地適正化計画でも、居住誘導区域からハザードエリアを外す努力をしているにもかかわらず、現状では居住誘導区域への立地誘導には十分な実効性がない。
 このため、中川先生のおっしゃるとおり市場による誘導というのはとても重要だと思っいるが、災害保険も危険なエリアに対して極端に高くすることができないのが実状。

※アメリカの事例
・Zillowというウェブサイト、ポータルサイトがあり、Zillowは、売ろうとも思ってない住宅に全部値段をつけている。
 つまり、SUUMOとかは売られている物件に値段をつけて広告を打つという形態だが、Zillowは市場にある全ての物件に、今の値段は幾らです、20年間でこの地域は幾らぐらい上がってきました、この地域はこの先こうなるでしょうということとか、いろいろなものを入れている。