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今日ご紹介する動画は、<知る - 肺がんの概要と治療戦略|後編>肺がんと言われたら真っ先にすること5選/肺がんの正しい知識はここで得る/がんと診断がついた患者さんへの説明/生き抜くために「肺がんとは何かを「知る」こと」(再アップ)
<知る - 肺がんの概要と治療戦略 |後編> テーマは肺がんとは何かを「知る」こと
武田真幸 先生
奈良県立医科大学がんゲノム・腫瘍内科学講座教授
※2022年10月8日YouTube LIVE配信 その時点の情報に基づいています。
肺がんをですね、大きく大別すると、小細胞肺がんと非小細胞肺がんっていう形になります。非小細胞肺がんの中には、肺の扁平上皮がんとか、こういう大細胞がん、腺がんというような分類分けにされるかなとは思います。今日はどっちかというと、この非小細胞肺がんについてお話しします。
これは医者向けおよび患者さん向けの、こういうステージ別の治療選択について、これもがん情報サービスから見れる資料になってます。
やはりまずですね、やはり手術ができるかどうかっていうのが肺がんの第一歩目の考え方になります。手術ができるステージなのか、手術ができないステージなのかっていう形で治療のやり方が変わってくると。手術ができない場合ですね。我々のところに来るのはどっちかと言うと手術ができない患者さんが内科に来られる場合が多いんですけど、手術ができない場合、次の選択肢として考えるのは、手術ができないけれども放射線と抗がん剤で焼ききるような治療ができるかどうかっていうのを考えます。それが難しい場合は、抗がん剤のみの治療っていうような考え方になってくるのかなと思います。
実際我々のところで実施しているのは、放射線化学療法とかこの化学療法ですね。薬物治療っていうのが主たる治療になっています。
よくですね、ある本とかで抗がん剤はしない方がいいんじゃないかとか、こういうような書籍とかも多数あるのを私自身も存じ上げておりますけども、やはり我々内科医としてですね、進行がんの患者さんをみた場合、調子がいいような患者さんにおいては抗がん剤というのはやはりすすめます
その一番根拠になるデータがですね、このデータになるんですけれども、約25年前のデータになるんですけども。Ⅳ期の非小細胞肺がんの患者さんに対してですね、このBSCっていうのはベストサポーティブケア、いわゆる緩和的な治療のみを実施する患者さんと、いわゆるこの赤で書いたような化学療法ですね抗がん剤をやる患者さんを比べると、やはり抗がん剤をした患者さんのほうが長生きにつながってると。こういうようなデータに基づいて、抗がん剤を元気な患者さんにおいてはおすすめすると。こういうのが一応科学的な根拠が、こういうデータからあるっていう形で説明をしています。
僕ら医者においては、こういうパフォーマンス・ステータス、PSっていうのを指標にします。PS0っていうのは無症状の人ですね。PS1っていうのは、肺がんによってちょっと症状があると。咳とか息切れとか痛みがある。でも日常生活は問題ない方がPS1。PS2になると、少しやはり症状があると。それで一日の半分未満は寝てるというような。だからちょっと状態悪いような患者さんになります。PS3になると、さらに全身状態が悪いという判断になる。診断がついたときには一日の半分以上はもうベッドで横になってないと辛いと。こういうような患者さんがPS3。PS4になると、もう殆ど一日中横になってないと体がしんどいというような患者さんになります。
こういうようなPSを見てですね、抗がん剤を選択する、提供するかという形になるんですけども、基本的にやはり全身状態がいい患者さんですよね。少なくともPS0〜2ぐらいまでの患者さんにおいて、抗がん剤をしたらどうかっていう形で話をする場合が多いです。
全身状態が悪い指標である、PS3〜4になると、やはり全身状態が悪くて副作用の方が全面的に出てくる可能性が強いという形なので、全身状態が悪い患者さんには、あまり抗がん剤はですね、おすすめしないというような形になっています。
実際非小細胞肺がんのⅣ期になるとですね、このような形で、まず後で言いますドライバーと言われるような遺伝子があるかどうか、あればそれに対する薬を投与すると。それ以外に関しては、このPD-L1というのが高いか、それか50%未満かで、一応選択を考えるというような形にはなっています。
ドライバーとは何ぞやという形なんですけども、ドライバー遺伝子というのはですね、本当に一つないしは数個以内の遺伝子の異常によって、肺がんが起こってしまった、そういうような遺伝子の異常に関して、ドライバー遺伝子異常という形で定義付けがされています。
肺がんにおいてはですね、こういうEGFRとか、ALK、ROS1とか、BRAFとか。あとはRETとか。こういうような遺伝子異常があるとされています。ですので非小細胞肺がんの半分よりやや超えるぐらいの患者さんというのは、何らかのドライバー遺伝子を持っている可能性は十分あり得るのかなとは思います。
実際これは医者がですね、使う肺がん診療ガイドラインを見るとですね、まずドライバー遺伝子っていうのを調べましょうと。Ⅳ期の非小細胞肺がんであれば、ドライバー遺伝子あるかっていうのを調べます。その中には先ほど言ったEGFR、ALK、ROS1、BRAF、MET、RETっていうのを調べると。それが陽性であれば、それぞれに対して分子標的薬がありますよっていうような流れになっています。
以前はですね、こういうEGFRとかALKっていうのは一個ずつ検査をしていくっていうような流れでありました。EGFRっていうのが変異がない場合は、次、頻度が高いALKを調べましょうとか、その次ROS1を調べましょうと。こういうような流れだったんですけど、非常にま時間がかかってしまうということと、これは気管支鏡の組織っていうのは非常にちっちゃいですね、米粒より小さいような腫瘍組織で、こういうような遺伝子変異を一個ずつ調べていったら、残った組織が殆どなくなるという形になるので、非常に臨床的には問題になりました。
ただ現時点でですね、こういう次世代シーケンサーっていうのが、がんにおいてですね、保険でも使えるようになったっていう形で、こういうような機器によって複数の遺伝子が一気に読める時代に入ったと。以前は、先ほど言ったように一個ずつ遺伝子調べるんですけども、こういうような機器が出てきたことによって、一気に調べられるようになりました。
今現在ですね、先程も示したこのドライバー遺伝子って六つあるんですけども、それ以外にはですね、今現時点ではKRASっていう、これは特定の遺伝子部位ですね。G12Cっていうのに関しては、お薬が使えるようになってますし、これは殆ど頻度としては少ない非小細胞肺がんにおいては1%未満になるんですけど、周りにこういうNTRK陽性の肺がん患者さんっていうのは報告がありますので、そういう遺伝子異常があったら、NTRKの阻害剤がもう2種類使えるようになっています。
だからやはり肺がんと診断ついて、病理検査した後にですね、主治医に、こういうような遺伝子異常が、私自身が持ってるかどうかっていうのを、是非聞いていただいたらなと思います。ドライバー遺伝子があるとですね、まずそれに対する分子標的薬を投与するっていう形になるんですけども。
ドライバー遺伝子がない患者さんもですね、今現時点では、従来は化学療法単独であったんですけども、今はですね、免疫チェックポイント阻害剤を上乗せした方が生存がいいっていうようなデータも出てきたので、ドライバー遺伝子を持っていなくても、新しい免疫チェックポイント阻害剤をうまく使うことで、長生きに繋がってくるっていうデータ、従来よりもですね、長生きに繋がってくるっていうデータが出てくるようになりました。
まとめなんですけども、私の方から知るというテーマでお話させていただいたんですけども、まずやはり肺がんと診断された場合に、正しい情報ですね、まずはやはり主治医から正しい情報を得るっていう形になると思うんですけども、それ以外にですね、えー国立がんセンターのホームページとか、先ほど言った肺がん学会ですね。日本肺がん学会のホームページ等においても患者さん向けの情報提供というのはしてますので、そこから適切な情報を集めましょうという形になります。
次に大事なのがやはり肺がんと診断がついた場合に、それぞれの患者さんがドライバーと言われるような遺伝子があるかどうか、そういう検査をしていただいているかどうか、っていうのを主治医に確認していただいたらと思います。ドライバー遺伝子があればそれに対する分子標的薬を使えるっていう形になるんですけども、そういうドライバーですね、複数のドライバー検査したけども、ない場合もですね、今免疫チェックポイント阻害剤というのが出てきてますので、それと化学療法を組み合わせることで、従来の抗がん剤よりもま長生きできるというデータが示されていますので、気を落とさずにですね、ドライバー遺伝子ない場合も前向きに治療に向かっていただいたらなと思います。
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