がんリハビリ(リハビリで日常生活のQOLを高める!)その3 | NPO法人 肺がん患者の会 ワンステップ

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2024年4月、10年目突入。肺がん患者・家族の「いきる勇気」につながればいいなと思っています。

がんリハビリ特集の折り返しです。今回は、ステージ4の患者に役に立つ情報だと思いますので、是非、ご覧になってください。

 

 

(3)放射線、化学療法中・後の運動療法、悪液質対策、筋力と生存期間の関係

 

 

この時期は、がんそのものや、治療の副作用です。痛み、吐き気とか、全身倦怠感が出やすかったり、あと消化器系の症状で食べられない。口内炎が出て、食欲が落ちたりとか、栄養状態が悪くなる。寝られなかったり、特に骨髄抑制、白血球が非常に落ちてる方だと、感染を恐れてあまり外に出られない状況になってしまう。どうしても心理的にも低下してしまう。そして、安静臥床になりやすい。

 

そうすると筋力が落ちる、関節も固まる。動かなくなると、活動性が落ちてまたさらに筋力が落ちて、悪循環に陥ってしまいます。実際いろんな報告でも、手術とか放射線科の療法中の患者さんの7割ぐらいは、全身の倦怠感や疲労感、運動能力の低下を経験したり、がん治療終了後何年も体力や持久力の低下を経験したという報告がありますので、少し意識して体を動かすことはとても大事です。

 

先ほどのがんリハビリのガイドラインでも、化学療法中、放射線療法中そして後の患者さんに対して、運動療法を行うと行わない場合に比べて、筋力とか体力がつき、生活の質や倦怠感、症状も改善するなどと推奨されております。

 

運動して体力や筋力が上がったりすることは理解しやすいですが、なぜ症状がよくなるのか、倦怠感がよくなるのかということですが、動かないと体の機能が落ちてしまいます。そうすると同じ動作をしても、疲れやすいですね。例えば1週間風邪で寝込んだあと、よくなって動こうとしても、普段できてたことをやっても、すぐ疲れてしまいますね。そういう状況に陥ってしまいますので、治療中から運動の習慣づけをしておけば、あまり体の機能が落ちなくて済むので、倦怠感に陥りにくいのです。また、運動すると気分転換が図れ、生活の質も上がってきます。

 

 

奨励される運動としては、有酸素運動といったウォーキングとか、あるいは自転車エルゴメーター、自転車こぎですね。あと筋トレを行っていきます。ただし、治療中は副作用もありますので、やれないときがありますので、まずは運動の習慣づけをしていくことです。低いレベルの強度から始めて、やれるときにやれるだけのことを習慣としてやっていきましょう。

 

肺がんの場合の報告はないのですが、乳がん、大腸がん、前立腺がん、脳腫瘍では、運動している方としてない方を比べると、運動の習慣のある方、身体活動の習慣のある方のほうが、生命力がよかったという報告が、何千例規模の研究データとしてあります。がん種はまだ限られていますが、恐らく他のがんでも、同じようなこと言えると思います。

 

動物実験では、運動させたラットと運動させないラットで、担がん状態の場合に、運動させた方ががんの縮小効果があったというような研究報告がありました。

 

アメリカのキャンサーソサエティのガイドラインでも、日常生活上の目標として、健全な体重の維持、健康的な食生活とともに、活動的な生活習慣(運動)が設定されています。

 

・定期的な運動を実施する。

・不活動を避け、可能な限り早期に通常の日常生活に戻る。

・少なくとも週150分の運動を行う。

・少なくとも週2回は筋力トレーニングを行う。

 
 

ただ歩くだけではなくて、ちょっと早めに背筋伸ばして意識をして歩くのがよいとされています。また、会話はできるけど歌が歌えないぐらい、それぐらいの負荷をかけて、有酸素運動をしていくのがいいと言われています。

 

ただ、運動にはいろんなリスクもあるので注意が必要です。担当の先生に、どの程度のことをしていいかと確認を取ってからやることが大事と思います。

 

次は悪液質についてです。

 

体の中にがんがある状態では、がん自体から悪液質というサイトカインといういろんな物質が放出されます。そうすると、それ自体が筋肉を分解して、筋力低下、筋肉の萎縮を生じさせます。また、脳に作用すると、不快な症状が出て、食べられなくなります。また、悪液質は炎症性なので、安静にしていてもどんどんエネルギーが消費されてしまうわけです。そのため、食欲不振もあるし、カロリーが消費されて体重が落ちます。

 

栄養障がいになると、結果的に筋力も落ちます。そして、疲れます。あまりだるくなると、動かなくなります。動かないと、どんどん筋萎縮を起こしてしまいます。この3通りの要素からどんどんサルコペニアという、筋力低下、筋萎縮状態になり、とても問題になっており、その対応策が、最近になっていろいろ行われるようになってきています。

 

 

対応策の基本になるのは、運動療法と栄養管理です。体重を測る習慣づけをして、増えすぎ、やせすぎもいけない。やせてきているなということがあれば、少し食べ方を考えなくてはいけない。なかなか難しい場合には、補助栄養食品(メイバランス、MA-8、インナーパワー、プロシュアなど)を利用するというのもいいと思います。

 

実際、筋力と生存期間の相関関係はどうかということですが、非小細胞がんと消化器がんの進行がんの方々で、握力の低いグループと握力の高いグループを比べてみると、握力が高い方々のほうが、有意に生存期間長いです。あと6分間歩行距離、これは体力の指標になりますが、これも距離が長い方々のほうが生存期間が延びていると報告もあります。因果関係わからないのですが、筋力、体力が生存期間と密接に関連しているということはいえると思います。

 

 

次回は、骨への転移についてです。

 
 
 
 
 
 
 

 

 

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