2月18日おしゃべり会が開催されました<報告その2> | NPO法人 肺がん患者の会 ワンステップ

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2024年4月、10年目突入。肺がん患者・家族の「いきる勇気」につながればいいなと思っています。

みなさん、こんにちは。遅くなりましたが、2月18日(土)おしゃべり会の間野先生への感謝状企画を報告します。報告はこころ(ALK肺がん患者)です。

 

 
 
 
 

 

東京大学の教授であり、国立がん研究センター研究所所長でもある間野先生は、臨床ではなく研究に従事しています。そのため、普段、患者が出会える機会はありませんが、間野先生の方から、出向いてくださると言ってくれたおかげでできた企画です。本当にうれしいです。それから、間野先生にはALKや今後についての話をしてもらい、短い時間でしたが、テーブルを囲んでの患者のお話にも耳を傾けていただけました。

 

それでは、(1)感謝状の報告と、(2)間野先生のミニ講演内容の抜粋の報告です。

 

 

 
 
 

 

(1)     感謝状

昨年秋にワンステップのメーリングリストで、間野先生への感謝の言葉を募集した結果、48名からメッセージをいただきました。肺腺がんの4パーセント程度しかいないALKのみなさんから、こんなにもたくさんいただけたのは驚きでした。

 

せっかくなので、感謝状とともにメッセージを冊子にして先生にお渡しすることにしました。表紙はイラストレーターさんに描いてもらいました。先生は、似顔絵を気にいっていただけかしら。こんな感じです。

(なぜか横に、、、)

 

メッセージをくださったみなさん、しっかり先生にお渡しすることできましたよ!

 

 
 
 
贈呈であります
 
 

記念写真であります

 
 

 

 

 

(2)     間野先生のミニ講演

 

次は、間野先生の講演の一部抜粋です。医師として患者を救うことへの情熱、目標を完遂する強い意志が感じられました。間野先生のような方がいるからこそ、医学が進歩し、その恩恵が患者に届けられるのだなと痛感しました。私が元気なうちにノーベル賞をとってほしいなぁ。

 

 

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ALKが細胞増殖する酵素で、何かと融合して活性が数百倍に増強して肺がんを起こすのだったら、これを持つ患者さんたちには奇跡のお薬が届けられるに違いないと非常に強く思いました。周りはあんまり思ってくれなかったのですが、きっとこれは患者さんたちの生活を変えてしまう発見だろうと、私は非常に強く思いました。それから日本やアメリカのいろんな製薬会社にALK阻害剤を作ってくれって言って回ったのですが、なかなかあんまり興味持ってくれるところはそれほど多くなかったです。

 

 

(韓国でのクリゾチニブ(ザーコリ)の治験で、日本人最初の患者の劇的な回復ぶりを、韓国に行って直接見て)すごい。医者だから、人から聞いたら絶対信用しないようなほどの奇跡の効き方だったと思いました。大変に感動して、日本にいるいろんな人にソウルから電話かけまくったことをよく覚えています。やっと自分の本来求めていたことが実現したと思って、医者として始めた研究者としてこれ以上の幸せはないなと思いました。

 

 
 
 

 

しかし考えてみると、日本の研究者が日本の患者さんから日本の研究費で見つけたお薬なのに、日本人が治験にさえ入れないっていうのはあまりにアンフェアじゃないかということで、その日は1日、むしろその最初の感動が過ぎると、憤りとも違いますが、何とかしなくてはという気持ちばっかり強くなって、一睡もできなかったことよく覚えています。ALK融合という遺伝子なんかを知ることもないままザーコリを知ることもないまま、日本のどこかで誰かが今も亡くなっているかもしれないと思うと、やっぱり医者として、いてもたってもいられなかったですね。

 

 
 

 

(帰国して)日本中のメジャーな臨床施設のネットワークを組んで、ボランティアでALKの陽性を見つけるような広い活動を行えば、いろんなところで患者さんが見つけられる。その方々に陽性だったら海外の臨床試験の情報を教えてあげると、その患者さんが入りたいって言えば、それをサポートするような活動を始めようと思いました。ALK肺がん研究会と当時名づけて、今から思えばよくあんな危ないことやったなと思います。

 

 
 

 

やがて日本においてもALKの診断サービスがいろんなメーカーから行われるようになって、ザーコリの臨床試験が日本で行われるようになったときは本当にほっとして、やっとこれで僕らの役目は終わったと。それと同時にALK阻害剤、ザーコリに対して肺が耐性になるメカニズムもわれわれは見つけることができました。そしてALKのザーコリに対する耐性を突き止めたことによって、今度は変異が起きてもそれを乗り越えることができる第2世代のALK阻害剤の開発競争が始まっています。

 

 
 

 

がん研究によって、がんの本当の本当の原因を明らかにすることができれば、夢のようなお薬を実際に患者さんにもたらすことができると思っています。今も肺がんもやっているのですが、肺がん以外のがんに対しても広く研究をしています。

 

 

東大で研究は続けていますが、去年の4月から国立研究がんセンター研究所の所長にもなりまして、日本のこれからのがん医療のデザインに取り組んでいます。がんのゲノム医療、プレシジョンメディシンが日本のみならず世界で急速に広まっています。それをいかに日本で多くの方々が正しいかたちで導入するにはどういうデザインをすればいいのかを一生懸命、二日に1回は厚生労働省に行って議論してデザインしています。

 

 
 

 

これからは肺がんの腺がんだからというだけで、患者さんに最適な医療は選べなくて、それがEGFR変異の肺がんなのが、ALK融合の肺がんなのか、ROS1融合の肺がんなのか、あるいは他のがん遺伝子なのかということを、遺伝子を調べないとそれぞれの患者さんに最適なお薬が選べない時代に、もはやなっています。

 

 
 

 

がん患者さんみなさんが恩恵を受けられるような枠組みを皆保険の中で作っていくように国の施策をそっちに引っ張っていく、それもできるだけ早く引っ張っていくつもりで頑張っていきたいと思います。プレシジョンメディシンを患者さんに間違いなく正しく伝えて、それに対応するお薬をできれば保険収載をしていく。保険に入っていないものは、できるだけ小さな臨床試験で承認するというようなシステムを作っていかないと、製薬会社が日本で出願したいと思わないでしょう。

 

 
 

 

それから患者さんたちが遺伝子検査の恩恵を受けられるようにならないといけないと思いますから、そのためのシステムを日本で作ることを本当はもうちょっと研究したいです。日本でそういうシステムを作ることに残された自分の仕事人生をかけるのも自分の役割かなというふうに最近思っています。

 

 
 

 

こうして患者さんの会に呼んでいただいて、しかもこんな冊子をいただけるなんて思いもしなかったのですが、医者として研究を始めて本当によかったと思います。どうもありがとうございました。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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