「治験」ってなに?③-2 実際にどう進むの? | NPO法人 肺がん患者の会 ワンステップ

NPO法人 肺がん患者の会 ワンステップ

2024年4月、10年目突入。肺がん患者・家族の「いきる勇気」につながればいいなと思っています。

 

前回の続きです。

前回を読んでいない方は「治験」ってなに?③-1

★こちらをCLICK★

から見てくださいね

 

 

 

同意文書を読んでいました。続いて書かれていたのが・・・ 

 

 6.本試験への参加によってあなたが受ける利益

 

「治験薬は試験段階のものであるため、利益が保証されているわけではありません。治験の安全性と有効性は現在検討されているところです」

と書かれていました

 

 

 

―――患者さんからの質問で一番多いものは何ですか?

 

 

 

上山

「どれぐらい効きますか?」です。

 

 

 

―――それが一番気になります!

 

 

 

上山  

気になりますね(笑)。しかし、その効果を知るためにやっているものなので、どれぐらいっていうのはお答えできないですとお話しています。最近は免疫チェックポイント阻害剤が出てきていて、それを希望する患者さんがたくさんいます。今までの抗がん剤は副作用が大きいけれど、免疫のお薬だったら副作用がないと思う方とかもいるので、そこの部分は違いますよっていう話はしっかりしていますね。免疫のお薬でも免疫に関する副作用が出ているっていうことも全部お知らせしますし、今までの一般治療の抗がん剤っていうのが、あまりよくないものみたいな感じで、治験のほうがいいみたいなイメージがある方もいらっしゃるんですけど、今までの治療が決して悪くないものですよっていう話もします。

 

 

 

―――でも、患者の体験ブログなどで「この治験効いた!」と書かれていると、正直なところ、やはり気持ちがざわつくところがあります

 

 

 

中濱

情報は、当然一人歩きしてしまうところがあります。例えば私たちは、実はよく効きますよっていうふうには情報提供していないはずなんです。なんですけれども、よく効いた経験のある人は、よく効いているものとして情報が発信されていくので、実はそれで誤解をしてしまう方もいます。自分が同じ治験に入っているのに効いていないのはおかしいのではないかと思うことも。患者さん自身は自分の経験を語っているだけなのでしょうけど、ここにフィードバックされることが非常に多いので、そのときに軌道修正をするようにしています。

 

 

 

7.予測される不利益および副作用について

8.副作用が起こった時の治療について

 

「薬の治験では、すべてのリスクと副作用を予測することはできません。副作用があった場合には、必ず担当医師に知らせてください。」

と書かれていました。

 

 

 

上山

副作用もやっぱり気になるので、よく聞かれます。副作用情報はここに全部載ってるんですね、ここに書いてあるものがすべてになりますと言っています。書いてあるものが全部出るわけではありませんということもお話ししています。

 

 

 

―――副作用について、治験段階なので、どう説明されるのかいまいち想像つきませんでした。例えばフェーズ3だったら、フェーズ12のとき副作用としてでたものが

上がり、1だったら人間にはまだやっていませんとか、そのとき分かっていることが書かれているということですか?

 

 

 

上山

はい。

 

 

 

―――比較として、薬には添付文書(薬の説明書)があって、どの薬にも肝障害と書いてある。副作用がとにかくたくさん書いてある。通常の診察だと先生が「この薬の場合は、副作用はこれとこれにちょっと気をつけて」と言ってくださる。治験の場合はそういう説明っていうのはどうなりますか。わからないって前提なのですか?

 

 

 

上山

治験の場合もわかっている限り、パーセントの多い副作用が順番に出ています。なので、今までの自分たちがやってきた状況から、こんな感じの副作用が出やすいですねっていう話はします。この試験は口内炎とか出る方多いですねと話したり、でも出ない人もいますよという感じのことを話しています。

 

 

副作用が列記されています。読みたくなくなるほど多い(笑)上山さんがおっしゃっていた通り、注意するべき副作用に付箋がしてありました。

 

 

 

 

 

9.自由意思による治験への参加といつでも同意の撤回ができること

 

「本試験に参加するかどうかは、あなたに決めていただくことであり、強制ではありません。本試験に参加されない場合でも、そのことにより、不利益を被ることはありません。また本試験に参加いただいた後でも、理由に関係なく、中止を希望する場合や継続が難しい場合はいつでもやめることができます」

と書かれていました

 

 

 

上山

「副作用が強かったときにやめられるんですか?」という質問も多いです。でも、それも書いてある通り、副作用がもし強く出たとしたら、先生が診察していますので、先生がまずその副作用を見て、これは続けられないっていう時点で終わりになります。我慢して我慢して続けるというものではない、という話はしていますね。

 

 

 

 

10.治験に参加しない場合の治療

 

治験に参加しない場合は、通常の治療が受けられることが書かれています。

 

 

 

続いて・・・

 

11.治験の参加後の中止について

12.補償と治療について

13.新しい重要な情報が得られた場合

14.治験の実施および施設における審査について

15.個人情報の保護について

16.本試験に参加されている間のお願い

17.担当医師の連絡先

 

 

そして

 

 

 18.治験参加中の費用について

 

治験参加に伴う交通費の負担が出るようです。この試験では来院ごとに7,000円が支払われました。

 

 

 

最後に

治験参加の同意書がついています。そこにサインすれば、「同意」の終了です

 

 

 

 またまた続きます!

 ※この記事は公益財団法人正力厚生会の助成金によって作成されました