広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二です。
60代半ばのその方が、ひがき乳腺クリニックに来られたのは5年前でした。右胸に大きな嚢胞がありました。
その後半年ごとに検診に来られ、2年前には造影MRI検査を行い、嚢胞以外に所見はみられませんでした。その後も定期的に検診を続けていました。
図は腹臥位のため、乳房が下を向いています。
念のために行った2年ぶりの造影MRI検査の結果は、「嚢胞の深部に分枝状、結節状の早期濃染を認め乳管成分主体の乳がんが疑われる」とのことでした。私は、さっそくエコーでその病変を確認しようと思いました。
すると大きな嚢胞の深部には何もないように思われました。造影MRI検査は腹臥位で行いますので、嚢胞の深部のスペースが広がりますが、エコー検査は仰臥位のうえに探触子を上から押さえつけますから、嚢胞の深部のスペースはほとんどなくなります。
しばらく経過をみた私は、その方に仰臥位で造影MRI検査を行うことを提案しました。腹臥位でのエコー検査は困難だからです。
図は仰臥位ですので乳房は上を向いています。
仰臥位での造影MRI検査の所見をもとにしたエコー検査で病巣が確認できたので、針生検をすると非浸潤がんでした。その後、その方は広島市民病院乳腺外科で乳房全切除とセンチネルリンパ節生検をうけられました。
このように大きな嚢胞がある方は、視触診、マンモグラフィ、エコー検査では何もないと思われた場合でも造影MRI検査を行えば何かある可能性があるものだと思いました。
おそらく、造影MRI検査をしていなければ、乳がんと診断されるのはかなり先になっていたように思われます。
広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二でした。


