「昔を思い出します」 | 広島で乳がん治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二のブログ

広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二です。

 

 70代後半のその方は14年前、広島市民病院乳腺外科に在籍していた私により乳がん手術をうけられました。浸潤径は1.8㌢でしたが、腋窩には6個のリンパ節転移を認めました。

 術後はECT療法後に、放射線治療とアナストロゾールの内服が行われました。「のど元を過ぎた」その方は、術後5年を過ぎると自主的にアナストロゾールの内服を中止されました。

 術後8年のPET-CT検査で胸骨旁リンパ節に再発が認められたので、アナストロゾールの内服を再開しました。それから2年後病状が悪化し肺転移が認められたので、フルベストラントに切り替えて今に至ります。

 もし、再発が今認められたならば迷うことなくCDK4/6阻害剤が始まるでしょう。経験的にはこの方のように、フルベストラントやアロマターゼ阻害単独で長期間病状が悪化していない方もおられます。

 再発時にCDK4/6阻害剤の適応がより明確になれば、患者さんも楽だし経済的にもいいと思います。先日、広島市民病院乳腺外科でCT検査をうけられたその方は、結果が良かったのでほっとされていました。

 そして、「伊藤先生に診てもらうのに3時間待ったんですよ。まるで、昔の広島市民病院時代の先生のように・・・」と言い残されて帰宅されました。

 

広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二でした。