お孫さんのお手柄 | 広島で乳がん治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二のブログ

広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二です。

 

 60代半ばのその方は、10年前に乳がん検診を受けられた後は、放置されていました。この度、5歳になるお孫さんが、お風呂場でその方の乳房の異常を指摘されました。

  ひがき乳腺クリニックに来られたので視触診をすると、左側の皮膚にひきつれが認められました。マンモグラフィやエコー検査でも、そのひきつれの下に腫瘤を確認できたので、針生検をすると浸潤がんでした。

  術前のPETーCT検査では、乳がんの他に大腸がんが見つかりました。両者の進行度を比べると、乳がんのほうが軽かったので、大腸がんの手術を先行させることになりました。

  その方がひがき乳腺クリニックに来られて2か月後、進行大腸がんのため広島市民病院外科でロボット支援高位前方切除術が行われました。そして、その2か月後、乳腺外科で乳房全切除とセンチネルリンパ節生検手術が行われました。

  乳がんは浸潤径が20㍉のルミナールタイプであり、リンパ節にも転移を認めませんでした。今後は、レトロゾールの内服のみで経過をみる予定です。

  もし今回、お孫さんが指摘していなければ、乳がんと診断されるのは先になっていたでしょう。そうなれば、大腸がんがpT3(SS)とすでに進行していただけに、こちらが心配です。

 私は、その方に申し上げました。

「お手柄のお孫さんは、将来乳腺外科医になっていただきたい」と。

 

広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二でした。