なごり雪 | 広島で乳がん治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二のブログ

広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二です。

 

 私は18歳の時、3月2日の朝、一人で呉駅から快速電車に乗って岡山に向かいました。岡山駅に着くと、雪が舞っていました。

 駅前の旅館にチェックインした私は、まずバスで、そして徒歩で、試験会場の岡山大学教養部に足を運び、3月3日・4日・5日とある入試に備えました。試験当日は、昼の弁当と魔法瓶に入れたお茶をお願いして、何度もチェックした筆記用具とともに出陣しました。

 3月に降る雪を感じたのは、その時が初めてでした。大学時代に流行った「なごり雪」を作られた伊勢正三氏も、地元の進学校出身とのこと。

 意外な思い出があるのかもしれません。3月5日の試験は午前で終了しました。

 旅館の方にお礼を申し上げたのち、私は岡山には二度と来ないだろうと、雪の上がった市内を探索した後、夜の岡山発の呉線経由の快速に乗りました。すると、岡山駅で他の大学をうけて帰る途中の双子の弟と、ばったり顔を合わせました。

 それから呉までの3時間、二人とも終わった試験のことは何も話しませんでした。私たちの心は、3月23日、24日、25日とある国立大学の二期校の入試のことで頭がいっぱいでした。

 今年の3月2日の朝の雪を見て、私の心は18歳に戻りました。

 

 

  

広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二でした。