派閥 | 広島で乳がん治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二のブログ

広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二です。

 

 私が医師になって1年が過ぎたとき、麻酔科に在籍していた私は外科にかわることを延期しました。その年は、外科の教授選が行われたからです。

 蓋を開けてみると、講師の先生が助教授の先生を追いこして教授になるという、下剋上が起こりました。当日予定されていた助教授の教授就任祝賀会は中止となり、それから半年の間に、助教授も自分を支えてこられた先生方の人事が決まるのを待って、去って行かれました。

 私が「派閥」を意識した、初めての出来事でした。それから1年後、外科にかわった私も派閥に属しました。

 それから大学を出て、広島市民病院に就職するまでは、私は「派閥」の一員でした。今から思えば、派閥の長になるにはいくつか条件があったように思います。

 まず実力があること。なぜならば派閥に属する医師たちに研究のテーマなどを与えなくてはならないからです。

 そして、人望があること。故松下幸之助氏はリーダーとしての条件は、「愛嬌」、「運が強そうなこと」そして「後姿」と言われたとか・・・。   

 優秀な派閥の長の元には、優秀な医局員も集まり、いい研究テーマのもとでいい仕事をします。その結果、科研などの研究費をたくさん集めることができます。

 そして、最後には教授へと・・・。残念ながら、私の上司は教授にはなれませんでした。

 今思えば、派閥はメリットも大きかったように思います。各派閥が切磋琢磨して上を目指すためには、いい意味で競い合っていました。

 私は、政治のことはよくわかりません。しかし、今のように疑惑を持たれるようなお金集めがなければ、存在価値はあるのではないかと思います。

 それにしても、歴史のある派閥があっさりと解散されるとは、逆に派閥とはそれだけのものかと思います。私は、お金にクリーンな新しい形で再生されたらいいのに、とも思います。

 

広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二でした。