広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二です。
当時60歳だったその方には、乳房温存手術と腋窩郭清が行われました。リンパ節には転移していない、ステージⅡAのルミナールタイプの乳がんでした。
術後にはCMF療法、放射線治療、そしてホルモン療法がおこなわれました。術後5年経過したとき、CT検査で肺に結節が認められました。
その時は原発性肺がんが疑われたため、肺の部分切除とリンパ節郭清が行われました。すると肺の結節もリンパ節転移も、いずれも乳がんからの転移だとわかりました。
それから、アナストロゾールの内服が開始されました。以後、その方は几帳面にホルモン剤を飲まれています。
乳がんの手術から21年、肺転移の手術から16年経過し、その方も80歳を超えられました。今でも年に1回、広島市民病院乳腺外科でCT検査を受けられていますが、再々発は認められていません。
このようなオリゴ転移に対する治療には、教科書がありません。もし、この方が最初から肺とリンパ節は乳がんからの転移だとわかっていれば、手術をせず化学療法をしていただろうと思います。
その方が3カ月ごとに薬をとりに来られるたびに、私は「いつ薬をやめようか」と考えています。
広島で乳がんの治療をしているひがき乳腺クリニック院長・檜垣健二でした。