すごい暑い中、都知事選に行って、頭沸いたので、一気にアップします。

これでおしまいです。色々不学習者なのでここは違うと言うところは教えてください。

フランス語の接続法は会話で用いられ、英語の条件法とは違います。条件法は別にあります。曖昧な表現のできる、なかなか優れもの。

 

フランス語の接続法 

2007年3月11日 (日)

このページの更新は本当に久しぶりです。

季節労働者なのでまた3月までさぼってしまいました。

さて、先週1週間、仕事でフランスに行ってきました。まあ、話はいろいろあるんですが、

フランス語版ベルサイユのばらを訳していらっしゃるMisatoさんが吾妻ひでお氏の「失踪日誌」を訳していたので、早速!購入しました。カルチェラタンの普通の本屋、フランス語に訳された日本のマンガでいっぱいです。すごいなー。「失踪日誌」の訳も傑作ですよ。これを読んで日本で放浪生活をしようと試みるフランス人学生が増えたら困るなーと思うくらいに・・。

http://www.amazon.fr/Journal-dune-disparition-Hideo-Azuma/dp/2505000301/ref=sr_1_1/402-7071803-1038523?ie=UTF8&s=books&qid=1173615313&sr=8-1

最近、フランス語のマンガを読むようになって、ようやくわかったー!!と思えることがあるんです。それは・・フランス語の接続法・・。

フランス語の初級・中級学習者なら知っていらっしゃると思いますが、フランス語には英語にない接続法 subjonctif というのがございます。おそらく、これが好きだというフランス語初級・中級学習者はまず、、いないっと断言してもいいです。

だいたい初級の文法の最後になって出てきますし(NHKのラジオ講座だと3月の今くらいにおまけでちょこっと出てくる。)

それまでにもう死ぬほど時制の動詞活用を覚えさせられていますから、「まだあるのかよー?うんざりっ」というのが相当熱心な勉強家の方々でも本音でしょう。

私ははっきり言って、フランス語の接続法の活用をしっかり覚えようなどと思ったことは一度もありません(っていばるなヨ、中級レベル学習者が・・)むかーし、かなり真面目にアテネフランセに行っていた頃は、なんとなーく、フランス語の接続法はうまく使えば、日本語の敬語謙遜表現のようなことができるなーっと感じたことはあったのですが、めんどくさいので喋る時にも一切使わず現在形で代用してきました。

でも、今回、フランス語を知って20年以上もかかって(さぼりっぱなしですが)、ようやく!(おおげさ)フランス語の接続法は日本語の強い味方だ、これを使えばかゆいところに手が届くような細かい心情の告白ができるぞと思う次第です。

というわけで長い前置き、終わり。実例を。

1:Il semble que la chose soit difficille.

soitが接続法、これは現在形でも書けます。

2:Il semble que la chose est difficille.

でも意味のニュアンスが違います。

1:は「それは難しいかもしれないよ?」という意味

2:は「それは難しいと思う」という意味

Il ne me semble pas que vous puissez réussir.

これは「うまくいくとは思えないんだけどねー。(でも工夫すればなんとかなるかもよ)」という励ましあるいは揶揄する意味を含んでいる。

Il ne me semble pas que vous pouvez réussir.

という現在形で書いてしまうと

「うまくできると思えない」という断定表現になってしまいます。

要するに、「***かもねー」とか「**なんだと思うんだけど・・」

という日本語独特の曖昧推量表現がいとも簡単に表現できるのです!

 

ベルばらの接続法

ベルばら仏語版にもたくさん出てきます。接続法。

Est-il possible qu'il existe un parfum si doux qui me fasse battre le coeur.

これはあのオスカルさまの有名な

「こんなにも胸さわぎたつなつかしい香りがあろうとは」のセリフ

Que je puisse être capable d'aimer à ce point?

「こんなにも思いのたけをこめて人を恋する日がこようとは」のセリフです。

Mais, Où veux-tu que j'aille? Ma place est isi.

「どこへ?おれのいくところがほかにあると思うのか?」

これもそうか。ちょっと意訳だけど。

**であったとはー!とか、私が***できるなんて! みたいな文を言うためにあるモードです。

Il est nécessaire que je fasse les courses. 買い物しとかないとね。

Je ne crois pas qu'elle vienne ici.  彼女が来てくれるとは思えないんだけど・・・。

 

 

Je suis contente qu'tu sois venu.  あなたが来てくれたなんて嬉しいわ。(接続法過去の例 来るかどうかわからない人が来てくれた時に使う。)

文法的には

>接続法
>実際に起こりうるかどうかは別にして、今のところ話者の頭の中にしか存在しない出来事を表すのに用い
られ、原則的にqueで導かれる従属節のなかに出てきます。接続法を用いるかどうかは、主節の形で決まり
ます。

http://www4.ocn.ne.jp/~ysato/gramm5.htm から引用しました。

ということなんですが、これって感覚的につかみづらい。要するにフランス語の現在形で喋ってしまうと普遍の状況、断定を表してしまうのに対し、接続法は”まだ推量の余地あり”,”願望ではこうなんだけど”と か”こういう希望があるんですけど”みたいな文を言うのにいいのです。日本語の現在形のもつ曖昧なニュアンスを伝えやすいのでした。

すごーく大胆な意見なのですが、フランス語を教えていらっしゃる方、学習しようとしていらっしゃる方、いっそ、現在形をやった後、いきなり接続法をやってみたらどうでしょうか?

いや、フランス文学専攻でもフランス語言語専攻でもない私が言うことではないんですけれども。