続いて、フランス語版の話です。古いログからとっているので変なところや間違っていたらごめんなさい。繰り返しますが、私はフランス語の専門家ではなく中級学習者なので、至らないところがありましたら教えてください。
セピア記念日 2006年12月18日 (月)
セピアといえば、ほら、もちろんあれですよ。
「見果てぬ夢よ 永遠にこおりつきセピア色の化石ともなれ」
ですよ。
ところがフランス語版にはセピア色の記述がありません。
Sepiaはもちろんフランス語なんですが。実は私、美大生だった分際でありながらかなり大きくなるまでセピア色がどんな色か知りませんでした。これは私だけでなく、美大の寮には大学に入って初めてセピア色を知ったという人が少なくなかった。私も含めて、セピア色を緑色の一種と誤解していた人のなんと多かったこと。セピア色は黒に近い濃い茶色です。
Réve infini... Fige-toi à jamais deviens fossile... 果てしない夢、お前に永遠に凝固して化石となれ
というのがここのフランス語訳です。
では何故、フランス語のSepiaが使われていないのでしょう?これはですね、たぶんSepiaのイメージが良くないから。Sepiaはイカの墨色なんですね。
「見果てぬ夢よ 永遠にこおりつきイカの墨色の化石ともなれ」
うわー、ダメだ。イカの墨、ロマンチックなシーンが台無しです。というわけでフランス語版では残念ながらセピア記念日と呼べないです。
もう一つ、色の話
「黒ぶどうの髪」 これもないんです。黒ぶどうは髪を形容する言葉としては不適切なのか?
Tes cheveux noirs de jais, ton seul oeil qui brille telle une obsidienne...
「お前の漆黒の髪、 お前の黒曜石のような輝くたった一つの瞳」
になっています。黒曜石はune obsidienne です。
フランス語のウィキペディアが読めることがわかって、セピアを引いてみました。
http://fr.wikipedia.org/wiki/Sepia
フランス語のSepiaはイカの墨色というより、イカそのものを指す言葉だった。この途端、私の脳裏にはあの感動的な愛の告白シーンの背景にイカが泳ぎまわる光景が!!昨日はオスカルさまのお誕生日だったというのになんてこと・・
http://en.wikipedia.org/wiki/Sepia_tone
英語では第一義の意味がイカではなくて、古い写真の色なんだけどねえ。
んーっと、このブログを移そうかと思っています。最近お絵かき掲示板なるものを発見しました。(遅いって・・)タブレットを買えば、こういう光景を落書きしながら書き込みできるんだな~っと。
セピア色を緑色と信じていた友達が多い理由ですが、これは1972-3年当時のマーガレットコミックス7巻の表紙のアンドレの髪が緑色だったことに起因していると思われます。全国の小学生に刷り込まれましたね。あと、フランス人の友人とオタク話をする際、”日本のアニメの登場人物には突拍子もない色が塗られているが何故だ?日本にはあういう髪の色の人間がいるのか?”とかよく聞かれます。
最近は、”うん、秋葉原やビックサイトに行けば会えるよ”と答えてますが、昔は”物語をわかりやすくするために可哀想な人物の髪は青とか緑に塗られている”っと平気で答えていました。本当のところはどうなんでしょう?どなたかわかる方、教えてください。
ついでに 黒ぶどうの髪の代わりに使われているJaisも引いてみました。
http://fr.wikipedia.org/wiki/Jais
こっちは炭化して化石状になった宝石のようで、青くメタリックに反射して黒く光るそうです。
セピア色の化石が使えなかった分をこちらで補っているようです。Misatoさん、えらいです。フランス語版 ベルサイユのばら 本当に名訳です。