ども続きです。濡れたアンドレ、濡れドレです。
前段から行きましょう。3部会警備ですね。雨です。
オスカルさま、黒髪の男装の女性を見かけて、アンドレに声をかける。
「女だ、男装した女がいるぞ。すごい美人だ。」
まあ、サン・ジュストなわけですが、ここではまだわからない。
オスカルさまは男装した女は自分以外知らないのかなあぁ。ジャンヌの本では宮廷にもいたみたいだけど。
オスカルさま、男、オジサン、格闘、武闘系には真っ向から向かって、喧嘩、決闘、いざ勝負なんだけど、魔性系、妖(あやかし)系、ダメなのよね。
モンテクレール伯爵夫人も、ナポレオンの眼も、このシーンのサン・ジュストも、外伝では麻薬のエベールとかね。
ついでにゆうと、酒もねー。たくさん飲めるかもしれないけどさ、好きなんだろうけどさ、本当に強い人は酔い潰れたりしないのよ。
オスカルさまは、酒、麻薬、たぶん幽霊、妖怪系、苦手だと思います。後、痛みにも弱いね、きっと。
そんなオスカルさまに
「あはん、おまえのほうがずっと美人だ。」
とアンドレが言っています。アンドレの方はオカルト系強いね、きっと。
だけど、このセリフはなんなんですかね?
「あはん」って何。ずっと後でサン・ジュストくんも言ってるけど。
でもって、おまえのほうがずっと美人って、、さー、これって夫婦か恋人のセリフだよね。
「俺にはお前の方がずっと美人だよ。」って意味だもんね。
オスカルさまって肖像画嫌いだし、他の人がどんなに賞賛してくれても自分を美人だとは思っていなかったと思うんだよね。たぶん、男装の自分(男性性の自分)をどこかで受け入れられていない。で、女性性が目覚めていく過程で「男装の美人」に出会った。
で、まあ、オスカルさまはそのままサン・ジュストに魅入られてこのページ終わり。
で、次がダグー大佐と一緒に濡れねずみだと言って、廊下を走り、司令官室へ来るのですが、
「あとでわたしの部屋へ」とか言ってるけど、扉を開けます。そして。
なーーんで、アンドレ、先に司令官室に入って勝ってに脱いで拭いているんですかねえーー?
いやーー、オスカルと一緒に読者少女もアンドレの濡れた黒髪、上半身ヌードに目が眩んで、忘れ果ててしまってますが、アンドレは従僕であり1兵士。お嬢さまであり上官より先に部屋に入って着替えてるのヤバくない?
オスカルさまの許可も受けてないんだよね。
まったくもって、不届なヤツ。従僕の風下にもおけん。なぜに濡れたお嬢さまの着替えを先にせん?ここはなーーんか事情があったんでしょうね。(今のところそういうことにしておきます。でもやっぱりアンドレは不遜な従僕。だからこそ、お嬢さまと結ばれることができたんです。)
さて、濡れドレを見て、オスカルさまの反応です。
ガーンと来て、扉をバターンと閉め、「無礼者、司令官室をなんと心得ておるかー」ですね。
ドキドキ、オスカルさま。
中学生みたい。
そうなんですよ。ここでオスカルの女性性はまさに目覚め。思春期の性の目覚めを迎えているのです。いいですよね。初めて迎える身体性の性の芽吹き。幼い恋でなく女として異性の身体に惹かれて胸の鼓動が鳴る。
33歳なんだけどね、もちろん。いいんです!彼女の肉体はようやく女として開くんです。
それもよく知った信頼した愛情深い彼と!最高ですよね。
愛が死ぬのは「馴れ」なんですよ。
幼馴染、兄妹、知りきった馴染みの関係、もっというなら倦怠期のカップル、夫婦、そういうものには新鮮なトキメキなんかない。恋愛の炎を燃やすのはとても難しい。
オスカルとアンドレの愛は、奇跡的なんです。幼馴染で性自認が混乱していて、身分差がある。この3つが3つあるから上手く知恵の輪を解くように鎖が外れた。
オスカルのずっと縛られていた女性性がここへきてようやく眠りから覚め、アンドレに恋していくのです。
兄妹のようにずっと一緒にいた幼馴染を相手に、初恋ができるなんてほんと素敵。
ドキン、ドキン、ドキンの鼓動の音が止まらない。
「わたしはいままであの胸に平気で顔をうずめてきたのか。」
頬を染めるオスカルさま。
オスカルは、アンドレの愛に気づかなかったんじゃないんです。無視していたわけでもない。(だからアニメの解釈は違う)彼女を縛っている鎖が3つあって、気づきたくても気づけない、そもそも愛は気づこうと思ってもそれで動くものではないから。98%の人が幼馴染の親愛はわかっていてもそこから先に進めないわけですしね。残り2%も遠く離れて大人になって再会したとか、そういう中身だと思うし。
「わたしはあの胸にこそこの顔をうずめたい。」
となったであろうオスカルさま。アンドレと抱き合いたい、抱かれたいオスカルさま。
そして最後に彼らの身分の鎖が外れる父上との対決がやってきます。