なんか続きます。

シャルロットはやっぱり不憫だわ。アニメ版はもう発狂入っているから本当に救いがないけど。

原作でシャルロットがオスカルさまの怪我した左の手にさわらせてもらうシーンがあるでしょう。ロザリーが嫉妬しているけど。オスカルが完全な男だったら、シャルロットの王子様になったかもしれない。というか、逆か。シャルロットが男に恋していたら、こんな怪我した腕に触れて涙を流す幼く可愛らしい少女をほっとく男はいないかも。プロポーズしてくれたり、さらってくれたりして、救ってくれたかも。少なくとも彼女の追い詰められた状態を救うためになんらかのリアクションをとったかもしれないです。

 

あと、飛び降りしてしまうシーンで、オスカルが、「この左手がいうことをきかなかった。天罰だ。」って言うけど誰の何に対する天罰なの?

シャルロットは何も悪くないから、ポリニャック伯爵夫人に対する天罰だよね。ポリニャック伯爵夫人一味に傷つけられた腕がきかなかったんだもんね。

この「親の因果が子に報い」みたいな精神構造がとてもいやぁぁぁぁ。

悪いのはポリニャック伯夫人なのに、子どものシャルロットが死ぬ構造が完全毒親構造です。

 

しかしうちの母だったらここで、「皆さんが見ていたように、ジャルジェ大佐がうちのシャルロットを突き落としたのです。」くらいのことを言ったなー。

 

本題に戻ると、オスカルは女の子の王子様ではないんだよね。この後、ポリニャック伯夫人は泣いてますが、次のページで即、ロザリー引き取りに入ります。でもってロザリー、泣きながら拒否、オスカルに泣きつきます。

「ロザリーをどうかどこにもやらないで、一生オスカルさまにお仕えします」と。

これはもう相手が男だったら、一種の「一生愛人とか妾でいいですからお仕えします」宣言ですな。養母ニコラの精神構造に近い。でも、オスカルは冷たーーーい。

「わたしは女だ」の一言です。

 

オスカルってさあ、百合世界の住人じゃないし、バイセクシャルでもないんだよね。女が王子様になれるか?女が女を救えるかは少女革命ウテナのテーマなんですが、ベルばらはそういうテーマは扱っていないです。

この辺、オスカルは、王妃さまに「女の心がわからない」とか言われちゃって、フェルゼンの婚約破棄に「こんなに愛していながら」とか、心を揺らしている最中なのです。彼女は彼女なりに性自認に悩んでいるんだよね。