さて、それで星空キスから始めたいと思うんですが、
これはまず前段がありますよね。
オスカルさまがコツコツと神経質そうに部屋の中を歩き回っている。
ロザリーがそれを見ながら刺しゅうをしています。
そう、フェルゼンが帰ってこない。戦死の連絡はなかった。
だが無事ならもう帰ってきてもいいはずだ。
フェルゼンがフランスに帰ってくるのに熱病を患って遅れたことは
史実なんでしょうか?調べきれませんでした。
そもそもフェルゼンが独立戦争に5年行ったのか7年行ったのか、私の調べが甘いのか、わかりませんでした。
どなたかわかる方、教えてください。
それはともかくとして、イライラしたオスカルさまは、テーブルの上のランプにあたって壊してしまいます。
ガラスが散って、左手の指か手のひらから血。本人は見向きもしませんが、
ロザリーが「きゃあああ」と叫び、近寄ります。
モノローグ?で「何があった、フェルゼン」
血が出ている左手を握り締めるところまで。
ここで、場面はありませんが、
当然、状況を聞きつけて、あいつが飛び込んできますよね。
そう、あいつですよ。オスカルになにかあれば、どこにいても呼び寄せられる黒髪のあいつ、従僕くん。
ここでも当然、部屋のどこかに置いてあるオスカル怪我治療セットの箱を持って
「ああ、まったく」とか言いながら治療に入るはず。
G線切りの時のように。
オスカルさま、幼少のみぎりより、生傷が絶えないと推測します。
私ね、後悔していることがあるのです。
それはこのブログで、消毒について書いたこと。下記参照。
消毒とルイ・ジョセフ王子のこととか、ベルばらと死のこととか | やすくんのブログ
いやいやこんな世界の果ての小さなブログが目に付くはずもないと思うのですが、劇場版映画でG線切りの消毒シーンがなかった。いやいやいや、この小さな四角のガーゼの消毒手当、私が大好きなシーンなのに。もしかして削られた?
いやいやいやいや、アンドレに治療してもらってくださいよ。「いたいぞ、」「あったりまえだ!」のところ大好きなんですよ。
消毒がダメなら、小さな瓶に入れた軟膏を綺麗な匙ですくって塗りこめて包帯を巻くとかして欲しい。ぜひしてぇえええええ。
それはさておき、でもってねー、
イライラしているオスカルに対して、アンドレは手当を終えた後、言ったと思うのです。
「どっか、気晴らしに行くか?」
オスカルさまがそれを聞いて、にやっと不敵に笑う。
「おまえが最近、出かけている下町の酒場とやらへ連れて行け!!」
おリボンアンドレは「しまった」と思っただろうけど、言い出しちゃったから連れて行かざるをえない。
そんなシーンがここには入ると思います。
でもって、しかたなく行きつけの酒場にオスカルをつれていく平民の従僕。
無茶苦茶、呑むお嬢さま。
たぶんリキュール系の安酒です。テーブルの上には乾きもの?みたいな皿しかない。ツマミなし。悪酔い、泥酔するよーー。
「同じ人間なんだ。身分なんかくそくらえだ」と言われて、クスっと笑うアンドレ。
「何がおかしい!」「は、はい」っとオスカルさま、からみ酒ですね。酒癖悪い。
そこへ、やってくる黒髪のもみあげのおっちゃん。アランに先駆けてもみあげ登場。
「ゼウスもよだれをたらしそうな白皙(はくせき)の美青年」
とか、「ナルシスでもこうはきれいな顔してなかっただろうぜ」
とか言ってます。
ここ、場末の酒場でなくてそこそこ中級の酒場なんでしょうね。ゼウスとかナルシスとかギリシャ神話知ってんだもんね。このもみあげのおっちゃん、白皙とか言ってるし、結構インテリなのではないでしょうか?まあ、ロビスピエールとベルナールがやってきますんで、安い店だけどそこそこ集まる層は知識層でレベルは高いと思われます。
からまれる相手なんですが、数えると4人ですね。2対4。まあ、ものすごい人数を相手にしたわけじゃない。後の衛兵隊の時、兵舎でサボタージュしている衛兵らを相手にしている時の方が多いです。
オスカルさま、泥酔して殴り合いだと思う。
早めに倒れましたね。
あとはたぶんアンドレが1対3で殴られまくり。
ここで注目はオスカルさまの近衛服ですよ。なんて、丈夫な軍服なんでしょう。房とかボタンとか十字章とかも取れてない、どこも破れてない。鋼鉄の軍服!!なんでできてるんだこの軍服。
対するアンドレの従僕服はズタズタボロボロです。クラバットも裾もボロボロ。袖には大きな穴が空いています。平民の服だからやわいとかそういうんじゃないんでしょうね。これは。
たぶんね、オスカルさま。
しこたま酔って殴り合って、
「フェルゼンのばかやろう、地獄へいっちまえ」と怒鳴って
割と早くに沈没。
倒れたのを胸ぐら掴んで起こして殴るような連中でなくてよかったです。
ここで、からんだ連中が「かかあと喧嘩して」とか、店の主人が「おかあちゃん、店がこわれるよー」とか言ってます。お若い方にはわからないでしょうが、ここで「かかあ」とか「おかあちゃん」とか言っているのは彼らの母のことではなく、奥さん(妻)のことです。え、そんなのあたりまえでしょうと思うのは昭和世代。令和の若者は、自分の奥さんのことを「かかあ」だの「おかあちゃん」だのって呼ばないもんね。いい時代になったものです。
ともあれ、倒れた2人は店の外に放り出されたのでしょうか?
アンドレがオスカルの頬をペチペチと叩く。
アンドレ偉いよね。ここではオスカルさまがあまりに酷いお振舞いなので、お姫様抱っこして一晩中歩くアンドレが偉大すぎる。むかーし、パリーベルサイユ間が19キロと計算した時、力持ちアンドレを絶賛しましたが、もしかしたらこの酒場、ベルサイユの街のどこかの可能性もあります。ベルサイユ自体も結構ちゃんとした街になっていたそうなので。
でも、「このまま朝までおまえを抱いて歩くぞ」っと言っているしなーー。朝まで歩くならやっぱりパリの下町でしょう。
とてもロマンチックなシーン。
幻に終わった東映動画の劇場版予告シーンで、このおリボンアンドレがオスカルをお姫様抱っこしているシーンが巡っていて、すごい期待したものだった。
しかし、よっく考えると意識がほぼない人間にキッス(しかもジェローデルとのキス後の回想ではディープキスだったらしい)って、結構わるいです。不同意。今でいうコンプライアンス違反です。アンドレはオスカルがフェルゼンを愛していることを知っているのにキスしてるんだもんね。とても悪いです。
でも、オスカルがあまりに無謀で滅茶滅茶なので、読者はもう無条件に許してしまう。この辺にAOの最初の精神構造が表れていると思います。
ここではオスカルさまの鉄壁の軍服が効いているんですよね。着衣の乱れがない。(そんなバカな・・だけど)
次の不同意キス事件であるブラびりは、もう絶対違反です。それはブラウスがビリビリと破られているから。
ああ、明日、とても早く出ないといけないので、今日はここまで。
なかなかブラびりまで行きつかなーい。