イ・ジョンソク第1幕
最近のイ・ジョンソクは、イ・ジョンソクらしくなかった。

 

 

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このインタビューは失敗でした。インタビューを始める前に、心を持っていかれたから。

じゃ、また最初から始めましょう。

 

 

若手俳優なら、雑誌2月号の表紙には、かなり欲が出るでしょう。ところがイ・ジョンソクさんは、何年にもわたって多くの雑誌の表紙モデルをしましたよね?
特に考えたことはありませんが、意味があるとしたら特別ですよね。今回は本当にそうです。ドラマ開始と重なったし、2019年には軍隊に行くので。撮影が終わる度に自然と「今までありがとうございました」が出てきたが、今回は本当にそんな気持ちになりました。最後の日かもしれないから。

 

 

「ありがとうございました」の後の「……」がずいぶん長いが、カッコの中に入る言葉は「戻って来るまでじっと待っていて」ですか?
ファンミーティングツアーの最後にも「(僕を) 待たずに良い人ができたら行ってください」と言いました。待ってほしいとは思わなかったんですよ。申し訳ないし。もちろんファンを愛しているし感謝の気持ちもあるが、僕がファンにしてもらった事とは比べようもないですから。軍隊は期間が決まっているが、待つだけで送ってほしくはないので。その言葉でいくらか伝えられたかなと思っています。

 

 

イ・ジョンソク1幕の集大成ですか?
ある意味、そう言えるかもしれませんね。2018年ファンミーティングのタイトルも「クランクアップ」でした。俳優として、人間として、自分を引き締める時間を持ってみようと思います。

 

 

2018年だから30歳ですか?
26歳の時からそうだったと思います。

 

 

26歳ならキャリアの頂点を描いて行く時ですね。ドラマ <ピノキオ> で最優秀演技賞を受賞し、27歳の時に <W> でMBC演技大賞を受賞したので。ところが20代には「劣等感」と何度も言っていましたよ。
どの分野でもそうだが、基本的には生まれ持った才能のようなものだと思います。ところが演技をしていると僕にはそんな才能やセンスがないと思い知らされる。自分でも不足していると感じるから劣等感と何度も言ったのだと思います。

 

 

劣等感と言うが、自信があるからそう言うのだと思いました。
言葉を吐き出して無理にでも作り出したんですよ。約束の意味であって、僕には守らなければならないプレッシャーでしょう。でも実際はずっと大変でした。

 

 

それでもいつも上手くやってきたでしょう。だからこうやってまた「Esquire」の顔になったしね。
いつも上手くやって来た……ここまではね (笑)。

 

 

「ここまで」と言う人で、本当に終わるはいません僕はこの仕事が本当に好きで、上手くやりたいです素直な気持ちそうでしょう
上手くやりたい本当に……(ため息)。これが本当に基準が違うし、演技というものはその人の好感度よって見え方が違うと思います。だからこそ難しい。

 

 

今日のモードはなんだか……
新年を前にしているからかな

 

 

今までのインタビュー見ると、30歳を前にした時に深く悩んでいるようでしたよイ・ジョンソクよくは知らないが、イ・ジョンソクらしくないと思いました。
僕もそう思いますだから2018年は、それまでにした事のない事をしようと、旅行もけっこう行きました今、眠る時間がないほど撮影しても遊びたいと思いません1年間しっかり休んだから

 

 

 

 

作品活動ではなく、個人として起こしたものがあるでしょう。イ・ジョンソクのカフェやイ・ジョンソクの会社が。
熱心な友人がいて、良い環境で演技ができるようにと会社を作ったが、最近は仲間が増えて責任感も増えましたよ。

 

 

主 (あるじ) になった気分ですか?
社長のようです。僕にとってカフェは趣味のようなものだが、彼ら (社員) にとっては生活がかかっているじゃないですか。するとシステムを整えなくてはならないし、収益が発生しなくてはならないし、そうやってきましたよ。最初は「僕らで楽しく遊びながらやろう」だったが、それは僕の思い違いだったよ。彼らにとっては現実だから。簡単に考えちゃいけないんだ、僕は一生懸命仕事をしなければならないな、彼らを安心させなくては、僕が儲けていれば倒れないんだと、こんなことを考えてしまうが、これがインタビューに適した答えかどうかは (笑)。

 

 

最近はインタビューにも慎重です。懐かしいですね、今までのイ・ジョンソクの覇気が。

ファンも最近、僕のインタビューがつまらないと。会社を作ってからだと思います。僕がうっかり失言でもしたらマーケティング担当者が大変でしょう。仲間なのに、僕がミスをすると収拾しなければならないから。以前は僕の一言でどんな影響があるかなんてわかっていなかった。ただ僕は率直に打ち明けるだけで、それが正しいと思っていたが、今はその一言が尾を引くと考えるようになったよ。慎重になりました。

 

 

用心深くなりますか?
本当に大変です。僕は人を意のままにするより折れて生きていく人間で……。それでも今はだいぶ慣れました。そうです。食べていくのはホントに簡単ではないと思います。

 

 

最近「僕は世の中の事をわかっていないな」と思ったことはありますか?
常に思っています。僕が世の中を本当にわかっていたなら、芸能人としての態度をわきまえて生きるよ。そういう職業だから。ところが、いまだにわかっていないという事は……できないからしないのではなく、こういうふうに生まれましたよ。うわべだけを飾ったりできないよ。だって、そんな自分が恥ずかしいから。顔や耳が赤くなって汗が出る。そうしたくなくてもどうしようもないです。ああ、どうしてこんな人間に生まれたんだろう? (遠い目)

 

 

それなら記者たちの間にイ・ジョンソク怪談は伝わらなかったでしょう。「イ・ジョンソクはインタビューしにくい俳優」だと。

そう言っている方がいるのは知っています。ですが、そこはかえって楽な部分もあります。会って話せば、そうではないとわかってくれるでしょう。

 

 

イ・ジョンソクに接した人は「人間らしい芸能人」と言います。表現が下手なだけだと。しかし、すべての責任イ・ジョンソクが負い耐えなければならないこと。知名度のあるの悩みでしょう。
知り合いは「気に入らないことあっても黙っていなければならない。特に知名度のある芸能人なおさら気に入らなければマネジャーを通せと言います。ところが、それがうまくいかない

 

 

そういえばイ・ジョンソクデビューして9年間、一貫していますね

そうです。僕は本当に一貫してきました。

 

 

 

 

 

<ロマンスは別冊付録> の撮影はおもしろい?
大変だがおもしろい。このドラマを選んだのはチョン・ヒョンジョン作家が個人的に好きだからです。<恋愛の発見> や <ロマンスが必要> を見ながら、作家の作品は単に愛の物語だが、とてもリアルに描くんだなと思いました。一般的なドラマで愛の物語だと、8話を超えるとネタはなくなるが、作家の作品は違いますね。人と人の関係と感情で16話を繰り広げます。それで一度はやってみたいと思っていました。

 

 

ラブコメジャンルは初めてだったが。
本当に難しい。そこで僕は思い知ったんです。僕は本当に演技の才能がない人なんだと。今回の作品で特に難しいのが、感情の大きな動きがない事です。これまでの役は、常に過去から描かれ、過去の大きな事件から得た感情を引きずっていたんですよ。「こんな過去だったから」を繰り返し言って演技したが、今回は前置きがないんです。どうも慣れなかったです。

 

 

このインタビューに向けて最初に見たのが <観相師> でした。イ・ジョンソクをとても苦しめた作品のようで。あれからイ・ジョンソクのフィルモグラフィーに史劇がないのを見て、後遺症がかなり長かったんだなと思いました。<観相師> の撮影は <学校2013> を終えた後だったが、デビュー初期にあれくらいを演じられたなら、まずまずの出来だったのではないですか?
自分で何か認めたものがあると長続きするが、足りない部分の多さを実感しました。その時の僕の力量では、もう史劇をしてはいけないと思いました。そうやって自分に罰を与えています。

 

 

<観相師>2013に公開されてから5経ったでしょうにしても長いです。
最近やっともう史をやってもいだろうもういいんじゃないかと思うようになりました。もう成長し経験年数を経た感じるようです魅力のある作品が多く入ってきたが、史だと台本の隅から隅まで目を通すこともなかった。<ロマンスは別冊付録> 撮影するまで

 

 

 

 

そうではなく、ドラマ <死の賛美> を見た時にイ・ジョンソクが史劇に足を踏み入れたので、もう史劇を見る日も近いんだなと思いました。次に <ノーブレッシング> (邦題 君に泳げ) を見ました。今日、身に着けている時計がダイバーウオッチということで、水中にいるイ・ジョンソクの姿を想像しましたよ。イ・ジョンソクを水に落としても大丈夫だろうかと。天才スイマー、チョン・ウサンが誰にも気付かれずに一人で夜遅くまで練習する姿を見て、実際のイ・ジョンソクもこうなのではないかと思いました。遊んでいるように演技しているようでも、裏ではとても努力するタイプ。これまでのインタビューを見て、自分を追い込む練習の虫だと強く感じたんですよ。
そうです。熱心にする方です。

 

 

イ・ジョンソクはキリギリスのように演技すると思いました。難なく。
そう感じるかもしれません。演技というのは形のないものだから。すべて自分のためです。

 

 

いつも博学で、計画的で、緻密に演技すると言うが、見る人がそう感じなければ、それは本能で演技するという事ではないでしょうか?

(きっぱりと) 僕は本能で演技したことはありません。それは仕事への責任感から始まったものだが、いつも結果を見ては自分を責めています。それで毎日現場でビデオカメラで撮って確認しては反省する。フルショットなら立っている姿から見て。相手役が演技する時、自分は後頭部だけのシーンがあるが、その時も自分はどんな動きをするかまで見ています。

 

 

今でもビデオカメラで撮ってモニタリングしていますか? 映画 <V.I.P> 撮影の時からはしていないようですね。パク・フンジョン監督から指示されたでしょう。撮影現場でビデオカメラの撮影禁止、モニター禁止。
不安ですから。カメラの前で演技していて楽な時なんてあるのかと思います。カメラがフルショットで腰、胸、脇へと流れ、カメラアングルが狭まるたびに息が詰まった。アングルが広範囲だと楽に演技できるが、狭くなるとどうしても圧迫感があります。きっちりアングルを捕えるという事は、シナリオ通りに指紋や顔の表情、微細な筋肉の動きに見せなければならず、その表現が十分にできないかと思うと不安になります。

 

 

これからはそれをやめて不安になると思います。三番目に見たのが <V.I.P> でした。サイコパスを演じた自分にやっと高い点数が与えられました。

役も魅力的だったが、先輩たちから学ぶことが多かったです。<観相師> を撮った時の記憶があります。光り輝く先輩たちなので視線を向ける度に学ぶことばかりでした。<V.I.P> も同じですよ。先輩たちとの作業が好きです。確かに先輩たちとすれば気は楽です。ドラマは男性主人公の役がとてもかっこいいものを、映画は僕がやったことのない役を摸索する方です。

 

 

イ・ジョンソクが出るドラマは信じて見るので、アマガエル (あまのじゃく) のように、イ・ジョンソクが出演した映画だけを見てきました。
何が一番良かったですか?

 

 

四番目は <血沸く青春> (邦題 僕らの青春白書)。周りの人はみんな止めたのに、自分がやると言い張った作品だと言っていましたよね? タイトルだけ見ると「なぜこんな作品を……」と思ったが「これでだったんだ」と。「ドラマオタク」イ・ジョンソクの肥えた目は映画でも通用しましたね?
あの時、本当に懸命だった。ところで、なぜ良かったの?

 

 

その時代を演じたイ・ジョンソクが羨ましくなるくらい楽しそうだったんですよ。やりたいようにやるところが水を得た魚のようで。
カメラの前で恐れなかった作品は <血沸く青春> だけでした。<君の声が聞こえる> が終わった直後だったが、ドラマが上手くいったからではないでしょうか。

 

 

気分が良かった?

とても怖くなりました。耐えられなくなるほど、世間の関心が僕にあふれたようで。それで壊れようと思って飛び込んだ作品です。

 

 

関心が負担になって壊れようとしたのですか?
<血沸く青春> は、演技面で挑戦できる要素が多かったんですよ背景もだし、方言あって。吐くようなセリフまわしなどががやってきたものは全然違っていただから、その作品を通してこの子は、スターではなく、演技出す」というところを見せたかったんです。

 

http://esquirekorea.co.kr/people/%EC%9D%B4%EC%A2%85%EC%84%9D%EC%9D%98-1%EB%A7%89/

 

 

②へ続く