MEN OF THE YEAR 2018 - ピョン・ヨハン

撮影と撮影の間は、しっかりと休む。人と人の間では、純粋で真実だ。昨日の <ミスターサンシャイン> のヒソンと、今日の「GENESISマン」の間にいるピョン・ヨハンに会った。










 

写真を撮っていて印象的なシーンが一つありました。説明を聞いて一度うなずき、つかつかと進んですぐにポーズを取る姿です。ためらいもなく颯爽と。

まずは本能的に動いてみるのが……いいと思いました。

 


演技もそうですか?

はい。そうです。性格がそうなんだと思います。ためらいなく動くのは、何か避けるのは嫌で何でもぶつかってみたい気持ちが多いからだと思います。まだそうする時だと思います。本当に逃げたくなる時もあるでしょう。いつかは。そんな時もためらわず逃げるでしょう。

 


そんな瞬間はまだないということですね?

今のところはね。ただ、いつも停滞期だとは思っています。自分に対して疑問に思う事が多いです。自分が出演していない作品で、本当に素晴らしいものを見ると自分がとても小さく思えます。自分の作品に対する愛情もとても大きいが、自分の演技を細かく見るより他の人の感情や演技を見て客観的に見る目を失わないように、いつも他の作品を見ます。そのたびに自分は本当にまだ器が小さいな……と。

 

 

あなたも、ちょっと見ない間に成長したでしょう。良い方向に。

それはないと思います。時の流れと共にここまで自然に流れてきただけで、私はまだ変わっていません。それに、どんな方向にも変わりたくありません。人はこう言うでしょう。あの人は大きくなったと思ったらちょっと変わった、と。自分はそうならないよう努力します。もし僕が一瞬で変わったら失望すると思います。その時が離れる時ということでしょう。

 


よく「離れる」という言葉を口にしますね。何故、そう警戒するのですか?

俳優という肩書きで演技をする時は、以前ならピョン・ヨハンという自分の名前がかなり重要だったが、今はずいぶん変わりました、考え方も。自分の名前より作品のタイトルのほうが重要で、その中の人物がもっと重要です。だからと言って自分を愛していないわけではないが、幸いにも自分を愛する方法を少しは分かってきて……。それでも冷たいごはんは私が食べて、温かいごはんは人に与えたいです。

 


どうやって自分を愛する方法を知ったのですか?

「今日の仕事はとてもおもしろかった」と繰り返し言います。いつもおもしろいと思って生きます。この頃は本当に「おもしろい」話を一番します。「おもしろかった」という言葉を一番よく聞いて。

 

 

俳優にとって「謙遜」は重要な徳目です。ところが一方では「野心」ほど俳優に合う言葉もないようです。ヒットする良い作品に出会いたい欲も出ますか? 大ヒットする……。

一度に大きく成功しなくてはという概念は私にはありません。そのようなマニュアルが頭の中にはありません。じっくりいきますよ。もし私が大ヒットしたら? そうなっても人生は解決しませんよ。それでもまだ物足りなさを感じると思います。人生に「OK」がみんなに振ってきたら、それじゃつまらないでしょう。

 


穏やかですね。あせらない。性格の致命的な短所を一つだけ挙げるなら?

絶対に完壁でないとわかっているが、完壁主義の傾向があるようです。完壁にしようと何が何でも努力します。けっこう粘り強いと思います。直面する問題、作品、対人関係もそうです。

 


へこまないでと言いたいです。

へこんだし、ずいぶん傷つきました。つまずいた事もあったが、最後まで信じられるのは自分の本質ひとつです。自分の本質を変えようとしてはいけないと悟りました。傷ついてへこんだからと言って、自分の持つこの完壁主義な傾向をなくしてしまえば、自分そのものが最初から無くなるとわかりました。自分は自分で守ろう。最後まで。

 

 

今年はピョン・ヨハンにとってどんな年でしたか? <ミスターサンシャイン> だけではないだろうし。

奇跡的な一年だったと思います。作品をひとつひとつするのが奇跡だと思っています。

 


<ミスターサンシャイン> でのピョン・ヨハンをひとつ褒めるなら?

何事もなく終わったという点で自分を褒めたいです。他の俳優の方々も怪我もなく本当に良かったと思います。危険なシーンも多かったし長時間の撮影だったが怪我をした人が一人もいないのも奇跡ですね。



自分には何を買いましたか?

高くはないがパディング (ダウンコート) を一つ買いました。ハハ。今着ているのではないよ。とてもシンプルなのを一つ。

 

 

周りの人に小さなプレゼントをよくあげると聞きました。

私の事をよく見てほしくてあげる賄賂のようなプレゼントではありません。そう大きな物でもないよ。たとえばその人が野球のグローブが普段から好きだったら見つけたら買って、でなければサッカーシューズ等をプレゼントして。お互いをよく分かっているから何が必要かわかるでしょう。コンビニに行ったときにふと思い出して、いびき防止の耳栓みたいのを買って。(その人と) 一緒に住む人が、いびきをよくかくと言っていたので。

 


いい兄になりたいですか、いい弟になりたいですか?

いい弟です。今は、いい弟になりますよ。いい兄はそのうちなるから。前は、兄たちの話をよく聞けば良い弟だと思っていたが、この頃は兄が真剣にコミュニケーションをとりたい時に必要な弟が良い弟だと思うんです。

 


友達もとても多くて、私たちがよく知る知人とも堅い関係を維持していて、なんだかピョン・ヨハンとファンミーティングという単語を一緒に見ると何だかぎこちない感じがします。「私的な領域」が強い人と言うか? 初めてファンミーティングをしたんですって?

ずっとぎこちなかったです。ファンもぎこちなかったです。ハハ。殻を全部脱ぐ感じでファンミーティングを準備しました。ピョン・ヨハンという人間が全部ばれるくらいにね。このファンミーティングをしながら自分を改めなければという考えでね。おもしろかったです。ホントに。

 

 

俳優ピョン・ヨハンと人間ピョン・ヨハンを区分する一番大きな基準は何ですか?

全般的に同じだが、自分を少し困らせるか困らせないかの違いです。

 


俳優ピョン・ヨハンのほうが自分を困らせる側でしょう?

はい。すごく。そして人間ピョン・ヨハンは……何もしないし、自分がしたいようにするピョン・ヨハンです。自分がしたいこと、好きなこと、幸せなことをいろいろ見つけようと努力します。

 


いきなり白い歯スマイルを……。表情が明るくなりました。

何もしない自分の姿を一瞬想像したら気分がパァっと良くなりました。

 


雑念の中で一番好きなのは何ですか?

今日は何をしようか? 明日は何をしようか? 今日は何食べる? とか、どんな運動をしようか? どこでしようか? 誰と会おうか? そんな事ずっと考えて。

 

 

趣味の運動が多そうです。

人とちょっと交わりたい時はグループで運動します。誰かが一緒に「運動しよう」と言えば心が揺れ動くんです。でも体力的にも精神的にもテストしてみたい日もあります。そんな時は泳ぎます。時には本当に殴られたい日もあります。変態のような快感ではなく、うぬぼれは止めようと思う時、ボクシングをします。苦しくてちょっと殴られたい時があります。

 


自分に厳しいですね。

今は成長期です。訓練して勉強することが多いです。

 


中2のような?

高2でしょう。いや、高3? 少なくともこの職業を続けるなら常にこう思っていなければならないと演技の先生に習いました。一緒に作品をする先輩方も皆こう考えておられます。

 


酒を飲むのは好きですか?

好きと言うより、飲めばよく飲む方です。日を選んで飲みます。ただみんなで笑うのが良いです。バカになれるのが楽しいです。友達どうしで集まって小さな事でバカ笑いするのではなく、本当に笑える話だけします。

 

 

今、長距離ドライブに行く時間があったらどこへ行きたいですか?

釜山です。5時間、5時間半もずっと走ることができそうです。あ、サービスエリアに立ち寄る時間も含めてです。釜山に行けばスカーっとする気がします。いつもクールで新しい感じもあって。ソウルから行ける一番遠い大都市でしょう。長く運転をしているとお尻も痛いし腰も痛いけれど……。そうしたらサービスエリアにちょっと寄って、また乗れば集中力がまた、こんなに出て……。そんなプロセスが楽しい。目的地に着いたら幸せだよ。

 


歌も歌いまくって?

ものすごく。この頃 <스타 이즈 본(アリー/スター誕生)> にハマって、そのOSTを無限リピしています。ここに来るまでずっと歌っていました。

 


運転席に座るのがいいですか、助手席に座るのがいいですか?

どっちもです。でも、そばに必ず誰かいなければなりません。一緒に話をして、車に乗る前に見た映画やドキュメンタリーの話をして……。コーヒーショップがあればコーヒーを飲んで! ジャンケンして買って! そんなひと時が良いです。おもしろいです。今日はおもしろい話をけっこうしたでしょう?

 

http://www.gqkorea.co.kr/2018/11/26/men-of-the-year-2018-%EB%B3%80%EC%9A%94%ED%95%9C/