■ こころと身体と 治癒
日常診療の中で、生活リズムの乱れやストレスにより、心身の疲労をきたし、私共の所へ受診される方が年々多くなってきています。
ここ25年程の間に、欧米諸国において、西洋医学の中で「心身医療」が注目されてきていますが、古来、中国では、2000年程前から、心の働きが人間の健康に影響を及ぼす事に気がついていました。
例えば、「悲しみ」「怒り」「恐れ」「憂い」、が長く続くと、五臓「肺」肝」「腎」「脾」「心」の内蔵を傷め、ひいては「気血」の運行を阻害し全身症状を悪化させると考えてきたのです。
近年、「喜び」「笑い」「感謝」等の前向きな感情を持つ事で、人間の免疫系や脳波を良い状態に導く事が科学的に実証されつつあります。
これからの医学会において「こころと治癒力」との関係は、今後更に重要視されていく事でしょう。
■ 鍼(はり)灸治療で 心とからだ ゆったりと
日頃から、慢性的な疲労感を感じる人は、心とからだの両方が疲れているからです。
しかし、からだのあちこちにつらい症状があるのに、「心を良い状態にしましょう。」と言われても、中々難しいものです。
鍼灸治療は、心とからだの緊張をとり、疲れた脳をリラックスさせて、精神状態を安定化し全身反応を高めることができます。
また、イライラを呼ぶ最大の原因はストレスであり、過度のストレスは、からだの機能や免疫力を低下させますが、鍼灸治療により、イライラを解消し、ストレスによるからだの過剰反応を心身をリラックスモードにかえることで、防止することができます。
この時の脳波は、アルファ波の状態にあります。
「朝、きっちりと目覚められない。」「やる気が起きない。」「集中力や根気がない。」等の症状は自律神経の働きの低下と、脳やからだの各部の血流が、滞っているのが原因です。
鍼灸治療により、身体全体の反応を目覚めさせ、自律神経の切り替えをスムーズに、しましょう。
現代の日本に於いて、ガンに脳血管・心疾患、慢性病、生活習慣病の蔓延と「心の病」の増加は、医療費の増大の点からも大きな社会問題となっており、21世紀の医療は、「予防医学」「未病医学」への取組が最重要課題とされています。
当院ナチュラリー針灸院でも、鍼灸受療者の中に疲労回復・リラックスを目的に継続して治療を受けている方も多く、治療後「効果があり、心地良い」「心身がスッキリした」「これで元気に仕事ができる」との声を良く耳にします。
鍼灸治療に関する国民意識調査の結果から気分の高揚感とアメニティーの向上が実証されています。
また、ストレス性疾患・うつ病・自律神経失調症・神経症・不眠症・心身症などに伴う、心身全体に起こる不定愁訴の緩和と、ストレスリダクションにも有効であり、これらの疾患や症状でお悩みの方に鍼灸治療をお勧めします。