重心を知ることが、なぜ重要なのか
スポーツに限らず、あらゆるジャンルで登場する「重心」という言葉。
あるレベルに達すると、どこにあってもこの言葉は現れてきます。
モノの動きを観察するときに必須の対象となるからです。
例えば人が動作の練習をする時、目的動作の他に「重心と支点を揃える行い」をしています。
それはあまりにも当たり前のことすぎて、意識する事がありません。
しかし実際は、動作は、姿勢は、引力に体を揃えた結果でしかありません。
目的動作が表面にあり、そして重心を支える動作が裏面にあります。一つの動作や姿勢には、この2つの側面を持っています。
「重心」とは何か?
『モノの質量の中心点』です。
コレは、やはり意味の分かりかねる言い回しですね。
せめて「重さの中心点」という言い回しにできないかと言えば、それではちょっとあまくて、例えば無重力空間においても全方位に対して「回転しない中心点」までの説明を含むための『質量の中心点』なんだと思います。
素人が説明するのは、この辺がもう限界です。
「自分を動かす事と重心の関係」について知れば、動作を根本的に理解できて、要は何かを習得する時に有意義であるという事に至ってきたので、素人でも少し物理をかじる必要があるんです。
重心とは何なのか
四角形があり、図形ではあるがこれがモノだとして、
👆×で示した四角の中央が「重心」となります。
ただし、このように真ん中でOKなのは、この四角全体が均等に同じ重さの場合に限ります。
例えば左半分が重い物質、右半分が軽い物質で形成されていたら、重さの中心は左半分に偏ります。
重心と地球の中心には赤い線(鉛直線)が引かれていて、それは目には見えませんが、その間に指を置くと👇絵のように四角のバランスを取る事ができます。
もしも指先が重心の鉛直下から外れていれば、
👆四角は指の上から落ちてしまいます。
指先(支点)が、重心と地球の中心の間に揃ってしまえば、モノがどんな位置であろうとカタチであろうとバランスが取れてしまいます👇。
宇宙へ行って無重力ならば、「重心」はどんな特性をみせるでしょう。
👆モノに力を加えた時、その向きが重心を通過するなら、四角は回転することなく進み去ります。
力のベクトルが重心を外れると、
四角形の動きは回転を伴います。
ビリヤードの玉を突く時の仕組みと同じです。
関係ありませんが、無重力下で狙撃に弓を使ったゴルゴ13のエピソードは、印象的でした。
重さを量るハカリの上にも、特性が表れます。
👆重心鉛直下のハカリに、全ての重量が乗ってきます。もう一つのハカリの目盛りが、動く事はありません。重心直下の支点に、全ての体重が掛かるのです。
2つのハカリ両方とも重心鉛直下から離れていれば、その距離の比率に応じて重量は分配されます。
体重計に、2本足で乗っている状態と同じです。
片足で立っても両足で立っても、体重計の数字は変わりません。
だけど重心が外れれば、体重の数字は少なくなります。ただし、倒れますが。
重力とは何か
解明されていません。
重力の仕組みは、未だに分かっていないのだそうです。
これだけ科学が発達して、何でも作り出している現代にあって、我々に最も影響力の強い現象である“重力の仕組み”は分かっておらず、もちろんそれを作り出すこともできていません。
僕はこの事をとっても面白いと思いました。
ちなみに宇宙の居住空間で重力を作り出そうとする仕組みは、バケツを振り回して水がこぼれない時のアレを、代用するだけなのだそうです。
大きな円を回転させての、遠心力で疑似引力ということですので、ガンダムのスペースコロニー規模で具現化するのは技術的にも大変そうです。
「重力」は、遠心力、内向力とは異なります。
重力は引き寄せる力です。
何か不思議な力を持った一点が我々を引っ張ってきます。日本の地面の向こう側にはブラジルの人達が立っています。
力の仕組みが、全く想像できません。
強大すぎる重力ならば、自らの星までを引き込み、大きさの無い一点に形の全てを凝縮してしまいます。
コレはいわゆるブラックホールです。
動作の解説に際して、「重心」を知る事までがこの記事です。
過去記事を、このように順次リニューアルしていこうと思っています。
次の記事👉人の重心位置
※順に読み進むと、話が構築されてゆくようにしています。