- 著者: 前田 珠子
- タイトル: 紫紺の糸〈後〉
お待ちかね、闇主とラスの××シーンがあります。
「なんだったんだ……あれは?」はラスの迷台詞としてあまりにも有名ですが、冷静に考えてみれば××のことだけでなく、闇主の行動そのものを指して言ったとも考えられます。
確かに彼の言動は傍から見れば理解不能で、ようやく和解したラスに対して、何一つまともな謝罪や説明をしていません。それでも許されると思っていたツケが今頃(鬱金のあたり)回ってきたのではないでしょうか。
もうひとつの見所はやはり、紫紺の妖主の首すぽーん場面。彼のギャグキャラとしての運命を決定付けた一コマです。
ちなみにこのシーンは漫画版破妖「深紫絃韻」でばっちり描かれていますのでチェックすべし。紫紺の君が必要以上に美形に描かれていて、間抜け振りとの落差に笑ってしまいます。
そして、ラスト。乱華乱入により事態は急展開を迎えます。
目玉を抉られたラスは別にいいんです。主人公は死んだりしませんし、赤男さんが魔法の力で何とかするでしょうから。
それより問題なのは、物語がこのまま「翡翠の夢」へなだれ込んでしまうことなのです。
1冊完結形式だったはずの破妖が、紫紺では前後編となり、そして「翡翠」ではナンバーつき───。
しかも仲直りしたはずの闇主が、再びラスを裏切ってしまうのでした。
これぞまさしく、
「なんだったんだ……あれは。」