3巻のラストから覚醒する濫花。
濫花「うう…」
スラヴィ「気がついたかい?」←2巻の口調で
濫花「おばちゃん、誰?」
スラヴィ「!!」
思わず拳を握るスラ子。傍らでたしなめるマイダード。
マイダード「落ち着け。その喋り方じゃ無理ないだろ」
スラヴィ「そ、そうね。…気がついた『かしら』?」
ぼんやりしたまま目をこする濫花。
濫花「おれ、確かトーン兄ちゃんの部屋に行って…それで…」
マイダード「手当てはしたから安心しろ」
スラヴィ「自己紹介がまだだったわね。わたしたちは、浮城の…」
濫花「知ってるよ、ラスに意地悪しに来た人たちだろ!ラスはどうしたんだよ!」
やれやれ、と溜め息をつくスラ子。
スラヴィ「あの娘…人間とはうまくやれないくせに、半妖や魔性を手なずけるのは早いのね」
濫花「何だよその言い方!ラスのこと何にも知らないくせに…!」
スラヴィ「いいえ、よく知ってるわよ。あなたにこんな事を言っても仕方ないかも知れないけど…あの娘のおかげで、周囲の人間がどれほど傷ついたか判ってるの?」
濫花「あんたたちがラスを苛めるからだろ!」
マイダード「自分に優しくしてくれない人間は、死んでもいいのか?」
濫花「……」
困惑している濫花。
スラヴィ「……ちょっと大人気なかったわね、ごめんなさい」
濫花「ラ、ラスは?」
スラヴィ「会いたいなら会わせてあげるわ。その前にわたしたちの質問に答えてくれる?」
濫花「喉渇いた…」
スラヴィ「じゃあ、お水をあげるわね」
甲斐甲斐しく濫花の世話を焼くスラ子。
マイダード(子供が出来たらあんな感じなのか…)←気早すぎ
スラヴィ「どうしたの、マイダード?」
マイダード「あ…いや。ラエスリールを呼んだ方がいいか?」
スラヴィ「この子が少し落ち着いてからにしましょう」
スラ子の判断は賢明。
その頃ラスは首絞めの真っ最中。マイダードが行ったら巻き添えで殺される。(多分)