ノボの生き活きトーク 68号: レコード音楽 | 生き活きノボのブログ

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 天高く馬肥える秋、まさに、今、食欲の秋ですね。皆さん、よく食べていますか? ノボは一向に食欲が衰えません。どうしても食べ過ぎますので、その過ぎた分を運動で燃やさねばなりませんで、ついつい散歩がハードになります。秋はまた、芸術の秋であり、クラシック音楽を聴くことの好きなノボにとっては、都合がいいですね。ノボの生き活きトークのご愛読者の中には、音楽の話題が苦手とおっしゃる方もおられるようですが、今回も少しだけ我慢して付き合ってください。

 66号で『レコード再生』のトークをしましたが、今日は、レコード音楽について、お喋りします。ノボの耳は、今ではもう、すっかりCD音楽に慣らされています。レコードが盤面の凹凸を針がなぞる動きを電気信号に換えるというアナログ音楽であり、レコードの汚れや埃、キズの影響をもろに受け、接触音、ワウフラッターなどの問題もあり、周波数帯域、ダイナミックレンジ等も含め、音質的に劣ると言われます。確かに、音をデジタル信号に換え、非接触で読み取るCDはより優れ者でしょう。

 しかし、ここ数日、丹念にレコード音楽を聴いて、CD音楽に慣らされたノボの耳が軽いショックを受けています。まず、オイストラフのヴァイオリン、クリュイタンス指揮フランス国立管弦楽団でベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を聴くと、幽玄を漂わせるオケの響きに、独奏ヴァイオリンが弱音ではあるが浮かび上がってくる。この響きをノボの耳は忘れていた。ブレンデルとクリーブランド弦楽四重奏団によるシューベルトのピアノ五重奏『ます』を聴くと、何と艶やかで、新鮮なことか。若いメンバーの溌剌とした息吹が伝わってくる。ヨッフム指揮ロンドン交響楽団によるベートーヴェンの『田園』を聴けば、第1楽章のテンポの遅さが気になったが、第2楽章になるとニュアンスに富んだ牧歌的な雰囲気に包まれる。そしてイ・ムジチによるロッシーニの『弦楽ソナタ』を聴くと、輝かしく、繊細で流麗に流れ出る音楽に心躍る。

まだまだあるが、最後にリヒター指揮、ミュンヘン・バッハ管弦楽団によるバッハの『マタイ受難曲』に触れる。レコードは1958年録音のアルヒーフ盤であるが、幸い同じ演奏のCD(ドイツ・グラマフォン:1959)を持っていたので聞き比べることが出来ました。レコードは、ノボが独身時代、よく聴いたものです。当然のこと、CDの方が音質、音楽のニュアンスなどに優れていると予想したのですが、明らかにレコードに軍配を上げました。静粛性、低音の響き、木管パートの際立ち、各パートの細かな動きとニュアンス、合唱の分離が、レコードの方が素晴らしい。CDは、レコードを聴いた後では大雑把に聞こえる。何ということだ、CDを沢山持っているというのに。

 今回、感じたことは、音楽の内容にのめり込むにはレコード、音楽情報を受け取るにはCDということでしょうか。音楽を知識として知るにはCDでもいいが、秋の夜長に聴くには、やはりレコードでしょうか? (平成2610月2日)