個人輸入



 今まではモノについての記事しかアップしてなかったが、今回は行為についてネタにしてみた。

 

 個人輸入は英語分かってる人しかできないコトという勝手な先入観で今まで敬遠していたが、いい大人がこのまま食わず嫌いも良くないなと思い、物は試しにと知識ゼロの底辺高卒40代の中年男性がやってみた。

 英語は今も昔も不得手なので仮にハズレを掴まされたとしても泣き寝入りの博打スタイルでなんとか上手く出来たので備忘録兼ブログネタとして残しておく。

 先にざっとおおまかな流れを箇条書きすると3つのプロセスになる。
  1. 購入サイト及び転送サービス会社のアカウント作成、支払方法の設定
  2. 販売者〜転送サービス会社まで
  3. 転送サービス会社〜国内は(手元)まで
 この流れに沿って主の実例を下記に紹介していく。

 ​1.アカウント、支払い方法の設定

 まず、購入サイトだが、毎度お馴染み知名度ダントツのAmazon(USA版)をはじめ、オークションならeBay。他にもカメラ・電子機器関係だとB&HやAdoramaだったり、楽器類はReverbやSweetwaterがメジャーなようだ。➡︎Amazon(USA)はクレカ必須だったので主は使えない。無念...

 今回は目的のブツが安く買えそうなeBayの世話になることに。


 先ずはeBayのアカウント作成。出品者側の都合でアジア圏域が商品発送対象外地域になっている場合が多々あるため、以前転送サービス会社(Spear-net)から提供されていた配送先住所(アメリカの転送センター住所)をメインアドレスとして登録。これで日本への直接配送不可という問題は解決。


 次に支払方法だが、上記でも述べたとおり、主は我が家の財務省からクレカ所持を一切認められていないため、永遠に現金主義を貫くしかないのだが、流石に海外の相手に現金払いは不可能なので他の手段を用いる必要がある。

 よって今回はクレカが使えない哀れな主にお誂え向きなPaypal(口座振替)を初めて使ってみた。


 落札!想定より安価で落とせたのは僥倖だった。


 落札後、決済の場面でどうしてもPaypal選択後決済の画面に遷移せず、英語でなんか本人確認が済んでねーぞテメーという旨のメッセージが。Paypalアプリ上でのウォレットのステータスでは口座登録は「確認済み」となっているのでこれで全部終わったと思っていたが、それだけでは不十分だったようだ。アクティブにするため、取り敢えず早急に免許証と顔写真の登録を完了。翌日届いた結果が上図のとおり。

 一時は肝を冷やしたものの、どうにか指定された支払期日には間に合った。



 eBay上でのステータスはPaid(支払済み)。

 間をおかずしてeBayからも決済が完了した旨のメールが来たため、漸く一安心。この日の夜にはステータスがShipping(発送済)となった。

 因みにeBay、Spear-net両者とも決済日の6日後に登録口座からの決済額引き去りだった。


 ​2.販売者〜転送サービス会社まで

 転送サービス会社(Spear-net)のHP。荷物の追跡番号が発行されたため、転送サービス会社に日本への配送(転送)依頼を行う。


 転送サービス会社からの商品到着メール受領。

配達完了から4時間半ぐらいでこのメール。

 その後3時間余りで請求額確定の通知メールを受信したので、配達受領から延べ8時間程でチェック〜発送準備まで終わったようだ。


 ​3.転送サービス会社〜国内(手元)まで

 Paypalで決済後は決済確認の翌日の便で発送(クロネコヤマト)。リチウムイオンバッテリー内蔵の製品は申告のうえ適切な処置を施せば飛行機に搭載できるらしい。海路じゃなくてよかった...


 手元に届くまでに要した日数

 ※落札日からの起算

  • 出品者から転送サービス会社まで    →4日間
  • 転送サービス会社内における諸手続き・発送まで →3日間
  • 転送サービス会社(米国・オレゴン州)から主の手元(日本・九州)まで →7日間     合計14日間

  今回の購入にかかった費用

⚪︎eBayで商品購入時に払う金額

  • 商品価格$79.99 + 米国内送料$8.95     = $88.94...A             
 円換算 A ÷ 0.0066(※1) ≒ ¥13,578-

⚪︎転送サービス会社に支払う手数料及び配

 送料

  • 転送手数料(書類作成、梱包等) = $9
  • 日本の住所までの配送料(通関手数料含む)  = $34.5

 $9 + $34.5 = $43.5...B

 円換算 B ÷ 0.0066(※1) ≒ ¥6,634-


※1 決済時にPaypalが提示してきた円換算レート。Paypalの定めでは、商品+送料に通貨換算手数料が4%かかるとのこと。

決済時にPaypalが示した円換算レート

 0.0066 = ¥152.664718-/$1...D

同日の日銀の中心レートは$1=145.60だったので、Dは中心レートの約4.85%増。
 仮に上の数値が正しいと仮定した場合、Paypalの円換算手数料加算前のレートは$1 = 約¥146.79-を基礎レートとしていたと推察される。もしこの説明が間違ってても責任は一切負わないので悪しからず。

 このことから、恐らく決済時のPaypal円換算レートに通貨換算手数料が加算されて請求額になっていると思料(だいぶググったが中々ここの詳しい説明が発見できなかった...)。

 結局算出時のレートはわからんままだし、説明としては色々と不足しているが、自分が得心したので問題なし!更に詳しく知りたいのであれば後は個々で納得いくまで追求されるとよろしいかと(丸投げ)。


⚪︎商品受領時に配達業者へ支払う輸入にかか

 る関税・消費税 = ¥0-

  • 関 税:機械類及び電気機器、楽器類は無税(品目によって異なるため、事前に税関のHP等で確認しておくと安心かと。)
  • 消費税:個人輸入の場合、「商品代金×60% >≡ ¥10,000-」の場合に消費税がかかる。要は商品代金が¥16,666-以内なら非課税


 よって、今回の総額は¥20,212-となった。


 まとめ

 今回の買い物は国内でリファービッシュ品を購入した場合、約26,400円(※2)。

※2 算出根拠:

 BOSE(日本)公式HPのリファービッシュ品の価格は新品の7〜8割程度(主調べ)であったため、20%引きで算出。BOSE Frames Soprano メーカー希望小売価格¥33,000- × 0.8 = ¥26,400-


 よって今回の買い物は¥6,188-(概算)の得と言えよう。しかし、買うモノによっては国内購入が安い場合もあるので必ずしも個人輸入が得とは一概に言えない。

 たったこれだけの差額?と感じたら個人輸入は絶対お薦めしない。国内での買い物とは異なり、手順が煩雑であるし、なにより言語の壁が大きく立ちはだかる。人によっては大きなストレスを抱えるだろうし、購入トラブル遭遇率も国内購入より高いと思っておくと良い。


 個人的には今回の買い物の成否が今後の個人輸入を継続するか否かの判断基準と捉えていたため、今回の成功という結果は継続に値すると判断した。

 世界には日本国内ではディスコンとなって久しいモノや、元々海外からでしか入手できないモノがごまんとある。些か大袈裟で陳腐な表現になるが、見識が深まったことで自分の世界が広がった感覚すら覚える。

 eBayもSpear-netもやってみると簡単だったし、個人輸入にハマる気持ちが良く理解できた。

 自制心を強く持ち、ワールドワイドなショッピングを心ゆく迄堪能したいと思う。


 そしてトラブル遭遇...

 初めての個人輸入が大成功だったため、調子に乗って間を置かず2度目のeBay利用で早速トラブル発生。支払い完了後、いつまで経ってもPaid(支払い済)から購入商品のステータスが更新されない。おや、これはちょっと雲行きが怪しいなと思ったら案の定、eBay上での配達予定日を過ぎても発送にならない。

 さすがアメリカの人は鷹揚ですなぁ〜とかは思わない。俺の金返せや!ということでeBayのマイページから販売者に「配達予定日過ぎてるのに発送されないので返金を希望」とGoogle翻訳様の英訳メッセージを送信(この状況をeBayではケースオープンというらしい)。

 eBayから6日経っても相手から返答なかったり、解決しなければeBayが介入します(eBay Money Back Guaranteeの適用)とのメールが。まずは6日後まで黙って様子見。

 そして待望の6日間が経過しても、予想通り相手方からのレスポンスはなかったので、eBayに対して返金の要望を提出(エスカレーション)。これからeBayが介入し、判決(主への返金)に向けて事態は進むのだが、エスカレーション後、即時返金処理されていた。



 もっと時間がかかると踏んでいたがまさか即時とは思わなんだ。

 正規の手順通りに進めればこんな感じで返金処理が行われる。

 翌日口座振込額を見るに、Paypal手数料相当額(決済額の4%、今回は¥1,175-)は含まれていないようだったのでその分は損したようだ。まぁ勉強代だと思い割り切ることにした。

 決済方法がPaypalというのもスムーズな返金に繋がるようだ。今回は有事の際の返金要領が知れたことで、今後も安心して利用できると感じた。


 今回の教訓

 出品者の評価が0(新規)は手を出さない。


 詐欺の類かと疑ったりもしたが、結局バイヤーには返金される訳だし、セラーにとってはペナルティが課されるためデメリットしかない。一体セラーは何をしたかったのか、主にはセラーの意図が分からない。

 よくよく考えたら個人情報が欲しかったのかもしれんが、主は転送サービス会社が住所なので問題にしてなかった。アメリカでもフィッシング詐欺や振り込め詐欺って流行ってるんかいな?


 ​注意事項

 個人輸入で購入する際に、一つ注意をば。

 電波を発する機器(※Bluetoothイヤホン等も含む)で技適マークがないもの(主に国内正規未発売品)を国内で使用すると電波法違反となる(1年以下の懲役または100万円の罰金)。


技適マーク


 中々普段目にしないマークだが、この技適マークは厳密な審査を経て国内で機器の使用を認められた物に与えられるもので、認められていないものを使用したら即ち違法となる(近年特例も設けられたが、それでも最長で180日間しか認められない)。

 いちいちそんなんバレる訳ないやろと思うだろうが、主は日々後ろ暗い気持ちを抱きながら過ごしたくないタイプなので違法とされる行為は避けたい派だ。まぁ訪日外国人が短期間国内で違法とされるモノを使用するのは認められていたり、色々と思うところもない訳ではないが、法改正がなされない限り状況が変わることは無いので、嘆いても仕方ないと精神衛生上割り切るのが良い。


 因みに実はコレ、販売者には罰則がなく、購入者が使用したらアウト。故に令和最新の見るからにアヤシイBluetoothイヤホンやらバカみたいに安いスマートウォッチがネット市場に蔓延っているのだ。電波法の詳細については総務省HPや識者の記事等を参照してほしい。


 因みに主が幾度か個人輸入したモノは全て日本で正規販売されているモノであるため、合法という認識。だが、「本国仕様」みたいに同じ商品でも販売地で仕様が異なるモノは注意を要する。

 君子危うきに近寄らず。


 諸兄姉にはこういった知識も活用しつつ楽しい散財ライフを送ってもらいたいと切に願う。