ブルーベリー一本立ち台木への2品種接ぎ(2月18日) | はやて号の栽培雑記

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賃貸テラスハウス庭先で楽しんでいる、ブルーベリーやパイナップルなどの栽培雑記です。

ブルーベリーには魅力的な品種がたくさんあります。ブルーベリー栽培に嵌まるほどに数多の品種を栽培したくなるのは、ブルーベラーな皆さんなら誰しも通る道ですよね。

自分も例外ではないのですが、我が家は賃貸住宅の庭先で栽培スペースがとても少ないのが悩みです。そこで、今年のブルーベリー栽培の抱負のひとつに、「多品種接ぎを行って一株で複数品種を持てるようにする」というのを挙げています。

 

多品種接ぎをする上で重要になるのは、台木の確保です。通常の接ぎ木のように台木1本に穂木1本を接ぐのであれば、台木の挿し穂の頭に接げば良いので問題無いのですが、多品種接ぎの台木の場合は接げる太さの枝が複数必要になるので、その分台木の確保が難しくなります。

多品種接ぎには、こんな感じで株立ち状に枝が複数出て、かつ各枝に接げるだけの太さがある台木(写真の株では枝の太さがまだ足りないです)が必要になります。なので、挿し木から台木を育苗するとなるとどうしても数年かかってしまいます。

 

一方、こんな感じの株元が一本立ちの台木なら、太い枝で挿し木して発根すれば翌年には台木として使えるので、確保は容易です。

そこで、確保が比較的容易な一本立ちの台木に、どうにかして2品種以上を接げないか、といろいろ考えていました。

 

 

なるべく穂木や台木の調整が簡単で、かつ形成層の合わせが多く取れる方法がないか、とあれこれ考えていて、ふと思い付いたのがこんな接ぎ方です。図にしてみました。

 

(1)穂木・台木の準備

穂木A・Bと台木と用意します。穂木と台木は太さが揃っていると理想的だと思います(図の緑部分は形成層です)。

 

(2)穂木の調整

穂木A・Bとも芽が良い位置に残るように半分にカットし、カット面を平滑に仕上げます。穂木の下部は図のように斜めにカットします。その後、穂木A・Bを形成層が合うように合わせて、結束バンド等で固定します。合わせた穂木の下部は逆V字型に調整された状態になります。

 

(3)台木の調整

台木はクサビ型にカットします。角度は穂木の逆V字型の角度に合うように調整します。

 

(4)台木に穂木を接ぐ

穂木を台木にはめ込んで、接合部分を結束バンド等で固定します。最後に接合箇所に接木テープを巻いて完成です。

 

この接ぎ方なら一本立ちの台木に2品種が接げます。そのうえ、切り口の複雑な調整はあまり必要無いですし、台木と穂木・穂木同士で形成層が合わさる部分が多く取れるので、接ぎ木の成功率も上がりそうな気がします。

 

この接ぎ方、なんかいけそうな気がしませんか?

 

 

と言う訳で、早速やってみました。2月18日の作業です。

 

穂木はノーザンハイブッシュ系のブルーレイとチャンドラーの枝を使います。この2株はいずれも自根の不調株ですので、救済を兼ねて2品種接ぎにします。

台木はラビットアイ系不明品種(8号鉢)です。以前メンデイトとして購入したものの品種違いだった株です。

穂木と台木の太さの関係はこんな感じです。台木の方が太めとなっています。

 

穂木を調整します。今回は台木の方が太めなので、穂木は半分より少な目にカットして、合わせた時の直径が台木の直径と合うように調整しました。

結束バンドで固定した後に微調整して、穂木同士の形成層を合わせておきました。

 

台木をクサビ型に調整します。クサビの角度は穂木の逆V字に合わせて微調整しました。

 

台木に穂木を接ぎます。今回は台木と穂木の太さが合っていないので、台木と穂木の片側の形成層がぴったり合うようにしました。

形成層を合わせた反対側は結束バンドを掛けやすくするために、台木のクサビの頂部を穂木の直径の部分まで削って平らにしました。

最後に接木テープを接合部に巻いて固定します。

 

ブルーレイとチャンドラーの2品種接ぎ、完成です。

ビニール袋を掛けて保湿しつつ、屋内の温室棚で半促成栽培して様子を見ます。この後の経過は適宜記録していこうと思います。