映画『福田村事件』を観た。
1923年9月1日11時58分、関東大地震が発生した。その5日後の9月6日、地震の直接の被害のない千葉県東葛飾郡福田村（今の野田市）でおきた虐殺事件。
実話に基づいた映画です。
香川から訪れた薬売りの行商団15人の内、幼児や妊婦を含む9人が殺された。
行商団は、讃岐弁で話していたことで朝鮮人と疑われ殺害された。
日本人であることを証明しろ、朝鮮人なら殺すと殺気立った群衆に、証明書を示し、誤解は解けると思っていた薬売りの長は、「朝鮮人なら殺されてもいいんか」と訴えた。 「朝鮮人なら殺されてもいいんか」のセリフが、頭に残った。
薬売りの行商団は、被差別部落の出身だった。 そのため、差別される朝鮮の人たちに同情的であることが描かれていた。 これは、映画用の脚色だと思っていたが、ウィキペディアで、本当に彼らは、被差別部落の出身であることを知った。
いたたまれない。
「朝鮮人が集団で襲ってくる」「朝鮮人が略奪や放火をした」とのデマがに国が、お墨付きを与えた。 9月3日内務省警保局長が無線で地方長官にデマを送信した。
「東京附近ノ震災ヲ利用シ朝鮮人ハ各地ニ放火シ不逞ノ目的ヲ遂行セントシ、現ニ東京市内ニ於テ爆弾ヲ所持シ石油ヲ注キテ放火スルモノアリ」
政府のデマに応じ福田村でも在郷軍人会を中心に自警団が組織され、日本刀、竹槍で武装した。 避難民や新聞からもデマは拡散された。
「朝鮮人らに襲われるかもしれない」と怯えた普通の人々が、不安にかられ朝鮮人虐殺する過程を、この映画はわかりやすく描いています。
観る価値があります。
大分市では、シネマ５bisで９月１５日まで、
別府市ではブルーバード劇場で10月20日から。
アホに上映を妨害されかねない映画を制作した監督、プロデューサー、スタッフ、俳優に敬意を評します。