船外機の取扱説明書には、海水で船外機を使用した後は、船外機内部を水洗いするように書かれています。 船外機は、海水で直接冷却されているため、船外機内部に塩分が残り、冷却水通路が錆たり、詰まったりする原因になります。
20年近く使っていた船外機は、水洗いしたことはなかったのですが、トラブルは特にありませんでした。 しかし、心を入れ替えます。 新エンジンへの不安が拭えないのです。
冷却水通路を洗うためには、このウォータープラグを取り外す必要があります。
そのネジ穴に、フラッシング・アタッチメントをねじ込み、水道ホースをつなげて、水を5分間流します。 終わったら、また逆の作業。 工具を使う作業は、けっこう面倒です。
フラッシング・アタッチメントは、ホースの取付部と雄ネジだけの筒状。
毎回使用後に洗うべきなら、なぜ簡単にホースを接続できる設計にしていないのか?
なぜフラッシング・アタッチメントは付属品ではないのか?
メーカーは、本当にユーザーに水洗いを推奨しているか疑問です。
フラッシング・アタッチメントを付けたままにする方法を考えました。
アタッチメントを付けたままでは、エンジン起動中、冷却水がアタッチメントから漏れてしまいます。 で、ストップバルブの付いたホースコネクターを取り付けて、漏れを止めることにしました。 しかし本当にできるか?
ストップコネクターとラッシング・アタッチメントをホースでつないで一体にします。
これを船外機につけて、エンジンを起動しました。
ストップコネクターからは、水滴が落ちる程度です。 これなら使えます。
2021/08/21 追記
漏れを完全に止めるために、栓を買いました。
これで完璧、漏れはありません。
ホースをつなげて、水を流してみます。
検水口から水が勢いよく出ています。
冷却水取入口からも、水が出ています。 水道水の水圧ならインペラーも洗えてますね。
フラッシング・アタッチメントを付けたままにできましたが、それでも面倒くさい作業です。
Oさんによると、よく動かしている船外機は、内部に塩分が残ることはないそうです。 インペラーは消耗品と考え、 定期的に点検・交換することが大切。
次の課題は、自分でインペラーを交換することか。
トーハツ MFS 6Cの水洗いについて、不明瞭な点をトーハツへ問い合わせました。
結論は、
1.エンジン停止で水洗いすること。
2.係留船は、チルトアップで水洗いすると、インペラーも洗える。
上の実験では、水道水が使えるならば圧力が高いため、よく洗えているように見える。
質問と回答を下に書きます。
質問1. サービスマニュアルでは、ウォーターストレーナーをテープで塞ぎ、エンジンを始動して冷却水経路を洗浄すると書かれています。 ところが、オーナーズマニュアルには「エンジン停止」と書かれています。 どちらが、正しいのでしょうか?
回答1. 現在ではフラッシング時のエンジン始動は推奨されておりません。 エンジン始動により供給水量を要求水量が上回った場合インペラの焼付に至るおそれがある為です。 その為最新の取り扱い説明書においては、フラッシング時はエンジン停止と記載しております。
質問2.インペラーの水洗いも、チルトダウンして、「エンジン停止」で可能ですか?
回答2. エンジン停止時におけるフラッシングでも、ウォーターパイプを逆流してインペラまで水は落ちますので、水通しは可能です。
質問3. 私は係留保管しています。
チルトダウンした場合、インペラーは海水面より下にあるため、水道水を止めたときにインペラーには再び海水が来ると思います。 係留保管の場合、チルトアップのまま、フラッシングしたほうが良いということは、ありませんか?
回答3.
係留保管の場合はチルトアップ状態でフラッシングする他ありませんが、チルトダウン時と比べると内部で塩溜まり等が生じる可能性は高まります。 とは言え何もしないよりは良いかと存じます。
2024/05/03追記
フラッシング・アタッチメントの手入れを怠っていたら、錆びてしまいました。
ストップバルブの付いたステンレス製のフラッシング・アタッチメントをメーカーは、作ってくれないものだろうか。